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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2010年12月  】 更新履歴 

  12.01.  【 第29章 】  第527回   さわりを読む▼
  12.02.  【 第29章 】  第528回   さわりを読む▼
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  12.15.  【 第30章 】  第539回   さわりを読む▼
  12.16.  【 第30章 】  第540回   さわりを読む▼
  12.17.  【 第30章 】  第541回   さわりを読む▼
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  12.20.  【 第30章 】  第543回   さわりを読む▼
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  12.22.  【 第30章 】  第545回   さわりを読む▼
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  12.24.  【 第30章 】  第547回   さわりを読む▼
  12.25.  【 第30章 】  第548回   さわりを読む▼
  12.27.  【 第30章 】  第549回   さわりを読む▼
  12.28.  【 第30章 】  第550回   さわりを読む▼
  12.29.  【 第30章 】  第551回   さわりを読む▼
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第527回

第29章

 「そんな話って、聞いたことないわ。彼らの目的は、ラザール=ドランドを引きずり降ろすことだって聞いているわ。彼らは、2年前からドランドを恨んでいたしね・・・」エリザベートが言った。「そう思わせているだけよ。彼らは、ソサイエティを心から憎んでいるわ。彼らは、ソサイエティが、クーデター騒ぎでめちゃめちゃになればいいと思っているのよ。彼らの本当のねらいは、ラザール=ドランドを追放することじゃないわ。もちろ...全文を読む


第528回

第29章

  翌10月27日は日曜日だった。 サント=ヴェロニック校の生徒たちは、日曜日のミサに出ることが義務づけられていた。病気でもない限り、それは義務と言うよりは強制だった。ただし、ミサは一日に5回あり、どのミサに出るかは自由だった。 シャルロットは、エリザベートに誘われて、一番早い午前6時のミサに出た。エリザベートが第一ミサに出るのは、ジュールがそうするからというだけだった。かの女は、ジュールに会うのが...全文を読む


第529回

第29章

  二人は、ミサが終わるまで何も言葉を交わさなかった。シャルロットは、オーギュストの存在そのものを忘れているようにさえ見えた。 ミサが終わると、エリザベートはジュールと言葉を交わすため、さっさと行ってしまった。シャルロットとオーギュストはその場に残された。「ぼくとドンニィは違ってると、さっきあなたは言いましたよね」オーギュストはいきなり会話を再開した。シャルロットは、彼にとって、今のミサの時間は存在...全文を読む


第530回

第29章

 「・・・あなた、ミューって言うの?」シャルロットは首をかしげた。「ええ、ずっと昔から・・・。ぼくは、女の子として育てられていました。ぼくはフランショーム一族ですが、ザレスキー一族の男性が父親代わりになってくれました。そして、ぼくをかわいがってくれたザレスキー家の女性が、ぼくを最初に《ミュー》って呼んでくれたんです・・・。それ以来、ぼくは、ずっとミューと呼ばれてきました」「・・・女の子として・・・育...全文を読む


第531回

第29章

 「ル=グループ=トレーズは、わたしを裏切ったわ。だから、わたしは、あなたたちを信じないわ」 彼は、はっとした。「・・・まさか、あなたなの、ル=グループ=トレーズに敵対している女の子、っていうのは?」「敵対している・・・?」 彼はうなずいた。「<ブリュメール4日の抗議文>は、ル=グループ=トレーズの陰謀で、ソサイエティを崩壊させるためのプログラムだ。だから、彼らにのせられるな、って言いふらしている女...全文を読む


第532回

第29章

  次の日の朝、噴水前掲示板にラザール=ドランドの公開返書が張り出されていた。 ソサイエティのみなさま1912年10月26日の決議文に対し、わたしは次のように返答する: わたしは、決まりを曲げることは望まない。よって、あなたがたの決議を否認する。 わたしから、一言忠告しよう。目を覚まして、自分たちが今しようとしていることを冷静になって考えなさい。騒ぎを起こして一番困るのは、あなたがたなのだ。ラザール=...全文を読む


第533回

第29章

 「なぜ?」フランソワはそう訊ねずにはいられなかった。「彼らは、わたしを裏切ったからよ」「裏切り?」「わたしは、彼らに利用されたのよ。彼らの<大義名分>に使われたのよ」シャルロットは、フランソワの使った言葉を使って説明しようとした。「だから、わたしは、彼らを絶対に許さない」 フランソワははっとした。「仕返しのつもりなの?」「そうかも知れないわね。ねえ、アンシャン、あなたたちは、わたしを支配しようとし...全文を読む


第534回

第29章

 「マルフェは、わたしが嫌いなのかしら? わたしが邪魔なのかしら? もしそうなら、どうしてなの?」シャルロットは困惑したような表情で訊ねた。「もしそうでないなら、どうしてわたしにあんな態度を取るの?」 サルヴァドールは、かの女にほほえみかけた。「彼は、きみのことが嫌いじゃないと思う。ただ、きみは、彼にとって気になる存在なんだよ。彼は、幼なじみのユーフラジーを愛していた。だから、かの女とうり二つのきみ...全文を読む


第535回

第29章

 「ちょうどよかった、彼らを紹介しよう」リュシアンが言った。「こちらが、チェリストのヴォルフガング=ヴェーベルン、そして、リシャール=マティスだ」 少年たちは、すでにシャルロットを知っていた。「1年3組のヴォルフガング=ヴェーベルンです。スゴンのトップチェリストをしています。名前はドイツ人みたいですが、フランス生まれのフランス育ち、もちろん国籍もフランスです。ぼくの名前は、ドイツ生まれの祖父からもら...全文を読む


第536回

第29章

 「マルフェ、かの女は、とってもいい子だよ」サルヴァドールが言った。「でも、今、とても苦しんでいる。きみにとってかの女が気になる存在であるように、かの女にとっても、きみはとっても気になる男のようだ」「そんなことを言ったの?」コルネリウスが驚いていった。「どうしてきみがあんなことをしたのか、かの女は悩んでいた。どうして謝ってしまわなかったの?」「謝ってしまいたかったよ、もし、そうできるのならね」 コル...全文を読む


第537回

第29章

  サン=ジェルマン=アン=レーのサン=バルナベ病院には、心臓病の権威、ミシェル=アースという名医がいる。ドクトゥール=アースは、ドクトゥール=マルローの大学時代の同級生だった。ミシェル=アース、タデウシ=クルピンスキー、イアサント=クチュリエ、ブリューノ=マルローの4人は、<4人組>と呼ばれ、最強のカルテットと言われ、クラスメートからも、上級生からも下級生からも一目置かれる存在だった。現在では、4...全文を読む


第538回

第30章

  ドクトゥール=ワッセルマンは、ぼうぜんとしていたシャルロットを自分の診察室に連れて行った。授業が始まるまでに、かの女を落ち着かせなければならないと思ったのだ。 部屋に入ると、彼はかの女を部屋の奥にあった椅子に座らせ、こう言った。「大丈夫なの、モン=プティタンジュ? あの人たちは、きみの敵にするには、あまりにも危険だよ」 シャルロットは答えなかった。かの女は、これからどうなるのだろうと考えていた。...全文を読む


第539回

第30章

 「ありがとう、プティタンジュ。こいつ、なかなか頑固でね。言い出したら聞かないし、おまけに病院嫌いだし・・・」ジュールが言った。 シャルロットはほほえみを浮かべた。「あなたも、そうみたいに見えるわ。あなたたちって、外見は似ていないけど、そっくりなのね」「似てるかな?」ジュールが首をかしげた。「ぼくたち、本当の兄弟じゃないんです。ぼくは、彼の死んだ両親に引き取られた子どもなんですよ」 シャルロットは驚...全文を読む


第540回

第30章

  次の休み時間に、ド=グーロワールはコルネリウス=ド=ヴェルクルーズを呼び出した。コルネリウスはびくびくして出て行ったが、妙にうれしそうに帰ってきた。友人のサルヴァドール=クートンが訊ねても、彼は何も説明しなかった。 昼休みに、コルネリウスはシャルロットに声をかけた。「モマン=ミュジコーが呼んでるよ。一緒に来てくれる?」 シャルロットはうなずいた。二人は黙ったままワッセルマンの治療室に行った。 ワ...全文を読む


第541回

第30章

  ド=グーロワールはうなずいた。「ラザール=ドランド先生がいる限り改革はできない、というのは、そういうわけなんだね?」「そうです。だから、新しい指導者を捜す必要があるんです」「そもそも、新しい指導者なんていると思う?」「あなたならどうです、モマン=ミュジコー?」 彼は笑い出した。「ぼくが、サン=ティレール教頭に圧力をかけられてまで、引き受けると思う?」「ええ。あなたなら、そうするはずです」「ずいぶ...全文を読む


第542回

第30章

 「きみは、ぼくのソサイエティのために、戦う気はあるか?」ド=グーロワールが訊ねた。「《モマン=ミュジコーのソサイエティ》のために?」コルネリウスが言った。「あなたは、どんなソサイエティを作ろうとしているんですか?」「そうだね・・・未知数だな」ド=グーロワールが答えた。「ぼくは、オーケストラの指導をしたことはないし、オーケストラの楽器が弾けるわけでもない。残念ながら、ぼくが弾ける唯一の楽器は、ピアノ...全文を読む


第543回

第30章

  10月30日、パトリック=ド=メディシスは、病気治療のためサン=ジェルマン=アン=レーに出発した。 同じ日、ソサイエティは、クーデターをブリュメール18日(11月9日)に行うことを賛成多数で決定した。コルネリウスは、この時反対した人たちを集めて、反ル=グループ=トレーズの会を決定した。コルネリウスたちは、戦うことを決めたのだった。 同じ日の夜、シャルロットは、自分の部屋に14人の少女を呼んだ。オ...全文を読む


第544回

第30章

  シャルロットは、ル=グループ=トレーズのメンバー一人一人の顔を思い出していた。その中には、ヴィトールド=ザレスキー、フランソワ=フランショームなど、ほとんど顔も覚えていないような人もいたが、かの女はこの一週間でたいていの人とは顔を合わせた。 そうした顔を思い出しているうちに、かの女の頭の中のファイルが、最後のメンバーで止まった。イスカリオテのユダ、オーギュスト=ド=マルティーヌ・・・。 かの女は...全文を読む


第545回

第30章

 『ぼくがきみを愛していない、って、どうしてきみにわかるの?』『だって、あなたは、わたしにそう言ってくれないわ。今だって、わたしには、あなたが好きかどうか聞いたのに、自分では、わたしが好きかどうか言ってくれなかったわ』『じゃ、きみを愛しているって言ったら、結婚してくれる?』『あなたは、意地悪だわ、ドンニィ。あなたは、ときどき、わたしに優しくないわ』『・・・そう見えるかも知れないね。ぼくは、これまで強...全文を読む


第546回

第30章

  その晩、エリザベート=ド=ノールマンは、シャルロットの部屋を訪れた。エリザベートとシャルロットは、ソサイエティに反対するという共通の立場から、一緒にいることが多くなっていた。 エリザベートは、クラス公認の恋人であるジュール=ド=メディシスと日中ずっと一緒だった話をした。彼の家は、<ラ=メーゾン=ブランシュ>として知られる、町でも歴史がある家だった。かの女は、そこの大きな庭で、彼と一日中一緒にいた...全文を読む


第547回

第30章

  同じ頃、男子寮では、ル=グループ=トレーズの9人が集まっていた。彼らは、正直言ってシャルロットをどうしたらいいのか、決めかねていた。クーデターにあたって、計画を知りすぎているかの女の存在は、はっきり言って邪魔だった。それだけではなく、かの女は自分たちを妨害しようとしている。それでも、彼らのほとんどは、かの女に対して好意を持っていたのだ。 かの女をほとんど知らない最上級生の二人組、ヴィトールド=ザ...全文を読む


第548回

第30章

  万聖節のミサが終わったあと、ル=グループ=トレーズの13人は、サン=ステファーヌ聖堂と呼ばれている学校内の礼拝堂に集まった。彼らが問題にしたのは、クーデターの細かい計画のことだった。シャルロットをめぐる諸問題までは触れなかった。 その日の昼過ぎ、シャルロットはオルガンの練習を聞くため、サン=ステファーヌ聖堂に行った。ル=グループ=トレーズの13人はすでに解散した後で、オーギュスト=ド=マルティー...全文を読む


第549回

第30章

  シャルロットは気の毒そうな表情を浮かべて聞いていた。「幸いなことに、痛めたのが右手ではなかったので、ペンはちゃんと持てるって言っています」オーギュストは続けた。「リシャールは賢い人です。彼の音楽は、ほかの誰にも真似ができないほど緻密にできています。フーガを書かせたら、彼の右に出るものはいません。彼の音楽を分析すると、その計算がいかに緻密であるかよくわかるのですが、聞く人にはただ美しく聞こえるので...全文を読む


第550回

第30章

  休み明けの月曜日、シャルロットとエリザベートは、みんなが来る前に、教室でジュール=ド=メディシスに会うことになっていた。ジュールは、パトリックからの手紙を二人に見せた。パトリックは、検査ばかりの生活にうんざりしている様子だった。彼は、手紙の終わりにこう書いていた。<・・・ぼくは、自分があと一年の命だということを知っている。もしかすると、ここで治療を続ければ、少しは長く生きられるようになるかもしれ...全文を読む


第551回

第30章

 「しかし、ぼくが彼だったら、決してサン=バルナベ病院には行かなかった」アグレスールが言った。「なぜならば、ぼくはそこまできみを信じてはいないからだ。だけど、彼は、サン=ジェルマン=アン=レーに出かけていった。それは、彼がきみを信じたからだ。滅多に人に素顔を見せようとしなかった彼がね。そこまできみを信じている人間が、今、一人で苦しんでいる。きみは、行ってあげなくていいのかい?」「それは、論理的じゃな...全文を読む


第552回

第30章

  ド=グーロワールは笑い出した。「ぼくは、何かアリバイを聞かれるような犯罪でもしたかな?」 シャルロットは真面目に訊ねた。「あなたは、どこにいたのですか?」「どこにって・・・」彼はまだ笑っていた。「どこって答えて欲しいの?」「あなたが、サン=ステファーヌ聖堂に行かなかったことを証明して欲しいんです」「それは無理だ。ぼくは、そこに行った」彼が言った。しかし、もう笑ってはいなかった。「ドクトゥール=ワ...全文を読む


第553回

第31章

  パトリック=ド=メディシスは、彼の体には大きすぎるベッドに横たわり、毛布を目のところまであげて顔を隠していた。彼は、訪ねてきた人物が誰か知ると、起きあがってうれしそうに両手をさしだした。「ありがとう、ぼく、一人きりで、死ぬほど退屈していたんだよ」パトリックが言った。彼は、そう言うなり、目が涙で潤んでくるのがわかった。「泣かないで」シャルロットは困ったように言った。「泣いてなんかいないよ、モン=プ...全文を読む

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