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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2011年03月  】 更新履歴 

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第613回

第34章

  シャルロットは、冬休みのほとんどを寮で過ごした。主が戻った<きづたの家>には、あくまでもポーランドからの客人として訪問するにとどめたのである。それは、ドクトゥール=ド=ラ=ブリュショルリーの希望でもあった。 2年7組を含む各学年の7組の少女たちのほとんどは寮で新年を迎えた。7組というのは外国から来たひとが大部分だったからである。だから、2年7組に編入される予定の転校生を最初に紹介されたのは、寮に...全文を読む


第614回

第34章

  十文字美那子は、自分で言うほどおてんばな少女ではない、とクラスメートたちは思った。 しかし、それは、新学期が始まるまでのことだった。 新学期が始まった日、美那子はクラスメートたちに案内されて校長室に向かっていた。 松葉杖をついていたシャルロットが列の最後尾を歩いていた。 突然、美那子は立ち止まり、次の瞬間シャルロットの方に向かって走った。シャルロットがびっくりしていると、かの女は立ち止まらず、シ...全文を読む


第615回

第34章

  翌日、教室に最初に入ってきたのは、いつものようにフランソワ=ジュメールとウラジーミル=ミチューリンの二人組だった。二人は、いつものように教室の横にある連絡用の小さな黒板に日付を書こうとして、とんでもないものを目にした。 それは、白いペンキで描かれた猫の絵だった。その猫は、どことなくラザール=ドランドに似ていた。表情が彼そっくりで、彼と同じ鼻眼鏡をかけていた。ただ、実物よりも太っていて、着ているフ...全文を読む


第616回

第34章

  コルネリウスの隣の席だったサルヴァドールは、それと同じ絵を見たことがあった。以前、音楽理論の授業中に、得意そうに説明しているドランドの様子を見ながら、コルネリウスがノートに落書きしていた絵が、今、黒板に落書きされている。彼は、とっさに、親友が落書きをしたのだと思った。「なんてことを!」サルヴァドールは思わず叫んだ。そして、彼は教室から飛び出していった。 その間に、コルネリウスとシャルロットが一触...全文を読む


第617回

第34章

  どうにか落ち着いてきたクラスメートたちに、フェルディナンド=フェリシアーニが一枚ずつ紙を配って歩いた。「これは、今度の演劇コンクールの配役表だ。明日の放課後、配役を決めるためにオーディションをする。オーディションの内容は・・・掲示しようと思ったんだけど・・・」フェルディナンドはまだペンキが乾いていない黒板を見つめた。「・・・こういうことになったので、張り出すことができなくなった。個人的に聞きに来...全文を読む


第618回

第34章

 「問題だって?」監督が顔をくもらせたので、サルヴァドール=クートンが訊ねた。「そう。自分の足がなくなったにもかかわらず、アランを一生懸命慰めているアニーの姿を見ているうちに、マクシム=デュランもかの女を愛するようになってしまったんだ。でも、彼は、アランがアニーを愛するようになるのを目の当たりにして、苦しむことになる。自分もかの女が好きだ。でも、アニーを自分の方に振り向かせようとすることは、友人に対...全文を読む


第619回

第34章

  翌日の朝、シャルロットはいつものように早く教室に向かった。 シャルロットは、教室から聞こえてくるピアノの音を聞き、驚いた。それは、かの女が劇のために作曲したピアノコンチェルトの一部だったからである。監督は、その曲がオーディションの課題だ、と言っていた。その曲を演奏するキャラクターは、主人公のアラン=ドルスタンスだった。 いったい誰が演奏しているのだろうと思い、シャルロットは静かにドアを開け、さら...全文を読む


第620回

第34章

  フランソワは思わず顔をしかめた。「間違っても、おめでとうとは言わないだろうな」 シャルロットは苦笑した。「ぼくがアランだったら、結婚式場に、あのときのヴェールを持っていく。それから、ピストルとかナイフをね。そして、かの女が彼のものになる前に、かの女を殺して、持っていたヴェールをかの女の体にかけるんだ。そして、自分もその場で自殺する」フランソワが答えた。 シャルロットは驚いたようにフランソワを見つ...全文を読む


第621回

第34章

  翌日の木曜日、シャルロットは<きづたの家>に行った。 診察のあと、ドクトゥール=マルローは、シャルロットに手を動かしてみるように言った。「・・・どうですか、痛みますか?」ドクトゥール=ダルベールが緊張した表情で訊ねた。「いいえ、さほどではありません」シャルロットが答えた。 ドクトゥール=マルローは机の上を指さした。「ペンがありますが、握れますか?」 シャルロットは机の上からペンを取り、そこにあっ...全文を読む


第622回

第34章

  シャルロットは学校に戻った。まだ午後の早い時間だったので、かの女は学校の練習室に向かった。久しぶりにピアノを弾いてみようと思ったのである。 空き部屋を探そうとしたとき、シャルロットの耳に、ショパンのチェロソナタの演奏が聞こえた。恐らくフランソワーズ=ド=サックスに違いない。 シャルロットはフランソワーズの練習室を探し当てた。フランソワーズは、シャルロットに気がつくと、前のときのようにチェロを置き...全文を読む


第623回

第34章

  そこに立っていた少年の一人が、リシャール=マティスだった。「・・・知らなかった・・・きみも、チェリストだったんだね・・・?」リシャールは感動しきった様子だった。 シャルロットは首を横に振った。「手は、もういいの?」「動くようになったの・・・治らない覚悟をしていたのに・・・」シャルロットはそう言うなり、涙ぐんだ。「マドモワゼル=チャルトルィスカ」リシャールは真面目な顔で言った。「今度こそ、<イスタ...全文を読む


第624回

第34章

 「かの女は、ぼくのイスタール---シャルロット=チャルトルィスカだ」リシャールが言った。「そして、彼は・・・」 シャルロットは、リシャールが紹介する前に一歩前に進み出た。「初めまして・・・と言っても、初めて会うわけじゃないですよね。お話しするのは、これが初めてだと思いますが・・・。シャルロット=チャルトルィスカです。ピアニーナ=ザレスカの曾孫にあたります。そして、あなたは・・・」 そう言うと、シャル...全文を読む


第625回

第34章

  シャルロットは<あの日>が何をさすのかを、すでに知っていた。かの女は、ヴィトールドが苦しそうな表情をしたのを見て、心が痛んだ。「あの日、ぼくは、部屋で本を読んでいた。フランス語で書かれたものだったが、何の本だったのかは覚えていない。おじいさまは、ぼくがピアノを弾いていないことにひどく腹を立てた。そして、喧嘩になった。いったいどんな喧嘩だったか、よく覚えていない。覚えているのは」ヴィトールドは唇を...全文を読む


第626回

第34章

 「・・・そう、あなたがギュスターヴ=フェランだったのね。覚えておくわ」シャルロットは感心したようにそう言うと、ほほえんだ。「わたしには、わかるの。あなたは、きっと立派な小説家になるわ。そして、あなたは、有名になるわ」 ヴィトールドはくすくす笑い出した。その彼を、シャルロットはむっとしたように見つめた。「・・・ザレスキー家の女性には、一種の予知能力があると聞いている」ヴィトールドは、笑いをこらえたよ...全文を読む


第627回

第34章

  翌日、オーディションが行われ、すべての配役が決まった。主役のアラン=ドルスタンスにはフランソワ=ジュメール、ヒロインのアニー=ド=リリーズにはエリザベート=ド=ノールマンが決定した。監督フェルディナンド=フェリシアーニが<この劇のかなめ>と評した二人組、マクシム=デュランとアンドレ=グラボフスキーには、コルネリウス=ド=ヴェルクルーズとサルヴァドール=クートンが決まった。監督としてはグラボフスキ...全文を読む


第628回

第34章

  シャルロットは、ステージに見立てられた教壇にコルネリウスとエリザベートが現われるのを見て、ピアノを弾き始めた。 それは、第一幕の病院の場面だった。アニー(エリザベート)は、怪我がひどかったアランの病室を訪ねようとする。そのとき、親友のマクシム(コルネリウス)が病室から出てくる。マクシムは、アニーに気がつき、声をかける。二人の話は、アランの病状の話にうつる。 シャルロットは、舞台をちらちら見ながら...全文を読む


第629回

第34章

  シャルロットは、コルネリウスの方を見た。さっき、エリザベートを動揺させたあのまなざし。あれが、アニーではなく、エリザベート本人に向けられていたとしたらどうだろうか・・・? コルネリウスは、心配そうにエリザベートを見ている。まさか、彼も、エリザベートを・・・? 気がついたとき、フェルディナンドがシャルロットの隣にいて、心配そうに声をかけていた。「・・・プティタンジュ! ねえ、プティタンジュったら!...全文を読む


第630回

第34章

  サント=ヴェロニック賞演劇部門は、2月3日から8日まで(灰の水曜日の5日を除き)行われることになっていた。6日の木曜日だけはまる1日、残りの日は午後の日程だった。2月1日から10日まで(ただし日曜日である2日と9日、灰の水曜日の5日を除く)行われるサント=ヴェロニック賞弦楽器部門の予選とぶつからないようにするため、両者間で日程調整が行われた。クラス対抗の演劇部門は、代表者によるくじ引きのあと、日...全文を読む


第631回

第34章

  1年3組の<修道女アンジェリーク>ですべての劇が終了した。 講堂は、結果発表を待つ人たちでいっぱいになっていた。 シャルロットはフェリシアーニ監督の隣に座っていた。「何か一つくらい賞が取れるかしら?」 監督はむっとした表情で言った。「ひとつだって? いや、最低でも4つは取れるだろうな。まず、グランプリ・・・」 彼がそういうなり、前後左右の人たちからブーイングが起こった。 シャルロットはしょんぼり...全文を読む


第632回

第35章

  その日、講堂から外に出た生徒たちの目にとまったのは、もう一つのサント=ヴェロニック賞コンクールである、弦楽器・作曲部門の予選についての新しい掲示物だった。月曜日に本選が行われる弦楽器部門に先立ち、作曲部門の結果が発表になったのである。<作曲部門 審査結果 第一位 オルランド=フェティス(1年7組):「オーケストラのためのオード」 第二位 リシャール=マティス(1年7組):交響詩「ペレアスとメリザ...全文を読む


第633回

第35章

  コラン=ブルームという作曲家は、スイス人である。彼は、1875年に生まれ1908年に33歳で亡くなった。クラリス=ド=ヴェルモンと同じ年の生まれで、かの女より3年長生きしたことになる。もちろん、二人の間に直接の接点はない。クラリスは、スイスのヴィルフォールという町の音楽院で勉強したが、ブルームの方は同じレマン湖のほとりには違いないが、ローザンヌで生まれその地で亡くなった。共通点と言ったらその程度...全文を読む


第634回

第35章

  シャルロットの話を聞いた男子生徒たちは、本選の会場にパトリック=ド=メディシスを強制的にでも連れ出そうと決心していた。しかし、パトリック自身は、強制されなくてもホールに足を運んだ。 最初に演奏した最上級生のギュスターヴ=デュ=ベレーは、<ヴァイオリンの帝王>とまであだ名される実力者で、前回の優勝者でもあり、今回も優勝間違いなしと思われていた。その彼が選んだのは、一番得意なコンチェルトでもあるチャ...全文を読む


第635回

第35章

  翌日の昼過ぎ、フランソワ=ジュメールとウラジーミル=ミチューリンはホールに向かっていた。二人は、演奏順が順位と逆なのを知っていたので、シャルロットとギュスターヴの演奏に間に合えばいい、くらいの気持ちでいた。開演時間までにはまだ間があったが、ホールが満員になるであろうことは予測できたし、別に立ち見でもかまわないと思っていたのであわてることなく歩いていた。 門の方角から、大きな声が聞こえ、二人ははっ...全文を読む


第636回

第35章

 「・・・あたたかいね、きみの手って・・・。いつもきみの手はあたたかかったね。もう忘れていたよ、シランクス・・・」アグレスールが優しくささやいた。 アーデルハイトは、門を握りしめていた手を離し、アグレスールの両手にあずけた。かの女は、そうしながらすすり泣いていた。「ぼくの目は、もう戻ってこない。だから、ぼくは、目でない部分でものを見ようとしている。ぼくは、手でものを見て、手で感じるんだ。ぼくは、手で...全文を読む


第637回

第35章

 「警告しておく。これ以上騒ぎを大きくしたものには、校則第24条違反者として、一週間の謹慎を言い渡す」サン=ティレールは、きつい調子で言い渡した。 そこへ、ヴァイオリンケースを持ったシャルロットと、担任のアルフレッド=ド=グーロワールがやってきた。これで、クラスのほぼ全員がそろった。「この生徒たちは、あなたのクラスの生徒たちだね?」サン=ティレールが訊ねた。「ええ、そうです」ド=グーロワールは、悪び...全文を読む


第638回

第35章

  翌日、校長は正式にアグレスール=ベルリオーズの処分を決定した。彼は、目を失うという犠牲を払っており、学校としては、これ以上彼の責任を問わないという決定だった。そして、もう一つ決定事項があった。シャルロット=チャルトルィスカの処分である。かの女は、2月11日から17日まで寮の自室で謹慎すること、という処分であった。食事を含め、一歩も部屋の外に出てはいけないという厳しい処分であった。 久しぶりに教室...全文を読む


第639回

第35章

 「しかし、マルフェは、何も知らないんだろう?」ド=グーロワールが訊ねた。「そんなことはないはずです。彼は、すべてを知っているはずです。ただ一つ、かの女が彼を愛していることだけは知らないでしょうが・・・。彼は、自分が二人の間の溝を作ったことは知っているはずです。そして、彼は、そのために苦しんでいます。というのは、今では、彼はかの女を愛してしまったからです」「だって、あの二人は<敵同士>のはずだ」ド=...全文を読む


第640回

第35章

  同じ頃、2年1組の教室では、フェルディナンド=フェリシアーニが10人の生徒を集めて話をしていた。彼らは、監督が新しい劇のために選んだスタッフたちだった。話題は、4月のミュラーユリュード演劇祭についてであった。彼らの学年が演劇祭に出たことはまだなかったが、4年連続最優秀監督賞になっているフェルディナンドが指導する劇が上演されたら、サント=ヴェロニック校も演劇祭で入賞できるかもしれないのに・・・と言...全文を読む


第641回

第35章

  シャルロットが休んでから3日たった。 2月14日金曜日の朝は、小雪がちらつき、とても寒かった。 サント=ヴェロニック校では、ストーヴの上の洗面器の水が凍ったら教室に暖房が入るという決まりになっていたが、この日は、水を確認しなくても、火をつけなければならないとわかるような日だった。 バルバラ=ヴィエニャフスカは、シャルロットが部屋で寒さに震えていることを知っていた。 生徒たちには、通常、一日に薪が...全文を読む


第642回

第35章

  二人は、学校中で最も人がこない場所の一つである、あの大きな木の所に行った。 予想通り、あたりには誰もいなかった。「・・・もう一度聞く。あの絵は、きみが描いた。間違いないね?」フランソワが訊ねた。「ノートの方はね。げんに、ノートに絵は残っているし、書いているところをラタンが見ている。だから、あのノートの落書きについては否定しない。なかなかうまく描けていただろう?」 フランソワは不機嫌な顔になった。...全文を読む


第643回

第35章

  やがて、コルネリウスは起きあがった。彼は、さっきフランソワが自分を殴った棒を支えにして、ふらふらと歩き出した。顔中はれ上がって、目がよく見えなかった。彼は、目の前の建物の中に入った。まだ人が帰る時間ではなかったので、あたりには誰もいなかった。彼は、3階の自分の部屋に戻ろうとしていた。そして、ようやく3階にたどり着くと、自分の部屋のあたりだと思ってドアを開けた。そのドアには鍵がかかっていなかったが...全文を読む

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