FC2ブログ

年代記 ~ブログ小説~ 

さわりを読む▼をクリックすると更新された内容の冒頭部分がご覧になれますので
久しぶりのご訪問の方は、こちらで未読・既読のご確認ができます

【  2011年09月  】 更新履歴 

  09.01.  【 第45章 】  第797回   さわりを読む▼
  09.02.  【 第45章 】  第798回   さわりを読む▼
  09.03.  【 第45章 】  第799回   さわりを読む▼
  09.03.  【 備忘記録的なもの 】  ネアンデルタール人?   さわりを読む▼
  09.04.  【 第45章 】  第800回   さわりを読む▼
  09.04.  【 備忘記録的なもの 】  完全ポップアップ♪   さわりを読む▼
  09.05.  【 第45章 】  第801回   さわりを読む▼
  09.05.  【 備忘記録的なもの 】  予定にはなかった行動。   さわりを読む▼
  09.06.  【 第45章 】  第802回   さわりを読む▼
  09.07.  【 第45章 】  第803回   さわりを読む▼
  09.07.  【 備忘記録的なもの 】  トリスタン!   さわりを読む▼
  09.08.  【 第45章 】  第804回   さわりを読む▼
  09.09.  【 第45章 】  第805回   さわりを読む▼
  09.10.  【 第45章 】  第806回   さわりを読む▼
  09.11.  【 第45章 】  第807回   さわりを読む▼
  09.11.  【 備忘記録的なもの 】  まるで・・・   さわりを読む▼
  09.12.  【 第45章 】  第808回   さわりを読む▼
  09.13.  【 第45章 】  第809回   さわりを読む▼
  09.13.  【 備忘記録的なもの 】  永久欠番?   さわりを読む▼
  09.14.  【 第45章 】  第810回   さわりを読む▼
  09.15.  【 第45章 】  第811回   さわりを読む▼
  09.16.  【 第45章 】  第812回   さわりを読む▼
  09.17.  【 第45章 】  第813回   さわりを読む▼
  09.17.  【 備忘記録的なもの 】  本当に備忘記録?   さわりを読む▼
  09.18.  【 第45章 】  第814回   さわりを読む▼
  09.19.  【 第45章 】  第815回   さわりを読む▼
  09.20.  【 第45章 】  第816回   さわりを読む▼
  09.20.  【 備忘記録的なもの 】  第二部最後の衣替え   さわりを読む▼
  09.21.  【 第45章 】  第817回   さわりを読む▼
  09.22.  【 第45章 】  第818回   さわりを読む▼
  09.23.  【 第45章 】  第819回   さわりを読む▼
  09.23.  【 備忘記録的なもの 】  第二部が終了しました   さわりを読む▼
  09.23.  【 備忘記録的なもの 】  石というよりは岩かも知れない   さわりを読む▼
  09.24.  【 第46章 】  第820回   さわりを読む▼
  09.25.  【 第46章 】  第821回   さわりを読む▼
  09.26.  【 第46章 】  第822回   さわりを読む▼
  09.27.  【 第46章 】  第823回   さわりを読む▼
  09.28.  【 第46章 】  第824回   さわりを読む▼
  09.29.  【 第46章 】  第825回   さわりを読む▼
  09.30.  【 第46章 】  第826回   さわりを読む▼


第797回

第45章

  シャルロットは涙を拭いた。そして、ドクトゥールにこう言った。「ヴィエジェイスキー教授は、サヴェルネ教授がわたしにヴァイオリンのレッスンをしたいという希望をまだお持ちだ、と書いてきているの。それについては、近々サヴェルネ教授から何らかの連絡が入るはずだって」 ドクトゥールはシャルロットに目を移した。「・・・で、グルノーブルに行くつもりなの?」「手紙によると、サヴェルネ教授は、こう書いてきているそう...全文を読む


第798回

第45章

  その晩のリサイタルは、前半がテノール歌手クレマン=バレの演奏、後半がシャルロットのピアノ演奏ということになっていた。 クレマン=バレと伴奏ピアニスト・セバスティアン=コティの二人は、エマニュエル=サンフルーリィのパリ時代の知り合いだった。二人は、エマニュエルの紹介でクラリスと会ったことがあるが、あまりかの女のことはよく知らなかった。 クラリス=ド=ヴェルモンは、全部で52曲歌曲を残している。それ...全文を読む


第799回

第45章

  休憩が終わったあと、ステージに出てきたシャルロットは、真っ白のドレスを着ていた。コルネリウスには、そのドレスに見覚えがあった。それは、演劇コンクールの時、同級生の十文字美那子が作った花嫁衣装だった。シンプルなそのドレスは、ウエディングドレスとしてだけではなく、コンサートの舞台衣装として十分通用するものだった。演劇コンクールのことを知らない人なら、ウエディングドレスとして作られたものだったとは気が...全文を読む


ネアンデルタール人?

備忘記録的なもの

 本来は、この日記に書くべきことではないのですが(・・・というのは、この日記には、できるだけ小説には関係のないことを書かないように気をつけているつもりです)、この日記とプライヴェート日記の両方の読者がいない(はず?)ことを考え、今日は少し身の回りのことを書くことにしました。ぜんそくの持病があることは一度書きましたが、けっこうストレスに弱い体質らしく、何かあると身体のどこかに変調をきたします。たいてい...全文を読む


第800回

第45章

 「・・・いつから・・・?」ドクトゥールは、呻くような口調で言った。「クラリスが、最期にそう言った」 ドクトゥールは、再度うなだれた。「お願いだ、わたしの娘を返してくれ」エマニュエルが言った。 そのとき、会場から拍手が聞こえてきた。「・・・だめだ。それはできない」ドクトゥールがやっと返事をした。「あの子は、16の誕生日がくるまでは、わたしの娘なのだ。クラリスと、そう約束している・・・」 シャルロット...全文を読む


完全ポップアップ♪

備忘記録的なもの

 このところ、毎週日曜日に投稿予約をするようにしていますが、ついさっき、第56章の予約をすべて終えました。実際に第56章の連載は続いているのですが、気持ち的には一段落・・・です。そろそろ気分を切り替えて、第97章のけんかの続きを書かなくてならないのですが。もたもたしていると、ストックがなくなって、連載がストップしてしまうかも知れません。がんばらないと。第56章は、テンプレートを2度衣替え(ひまわりと...全文を読む


第801回

第45章

  その晩、リサイタルを見に行ったコルネリウスは友人たちと一緒に寮に戻った。エマニュエル=テリエに外出許可証を返却してから、自分の部屋に戻った。まもなく、ノックの音がした。 入ってきたのは、オーギュスト=ド=マルティーヌだった。「・・・少し話をしてもいい、ドンニィ?」 コルネリウスは「いいよ」と言いながら、彼に椅子を勧めた。 オーギュストは、彼が勧めた小さなソファに座った。「聞いたよ、ドンニィ。どう...全文を読む


予定にはなかった行動。

備忘記録的なもの

 ネコちゃんのテンプレートがあまりにもかわいらしかったので、また衣替えをしてしまいました。いくらなんでも、ひと月に3度は着替えすぎだとは思いますが・・・。タイプが違うテンプレートなので、気合いを入れてスタートしたのですが・・・まさか、10分で終わるとは思いませんでした。何も手を加えていないテンプレートって、衣替えがこんなに楽だったなんて忘れていました。(この衣替えをしてみて、小説の方がいかに重装備だ...全文を読む


第802回

第45章

 「きみは、そんな不幸に会わずにすんだ。待つことのつらさを知らないことは、ほんとうは幸せなことなんだろうね、ドンニィ」オーギュストは、しみじみとした口調で言った。「だけど、待つことを知っているから、人生が楽しく思えるんだろうね、きっと」「待つことを知っているから?」コルネリウスが訊ねた。「そう。希望を持つことさ」「・・・ぼくには、真似ができないな」 オーギュストはもう一度座った。そして、いたずらっぽ...全文を読む


第803回

第45章

  コルネリウスは一人になると、引き出しの中から箱を取りだした。そこには、彼の大切なものがいろいろ入っていた。その中に、さっきオーギュストに話したロベール=フランショームから受け取った一枚の紙が入っていた。それは、クラリス=ド=ヴェルモンからの別れの手紙だった。そして、その裏にピアノ曲が書かれていた。(いや、より正確に言えば、五線紙の裏にクラリスが手紙を書いたのであるが。) コルネリウスは、その曲を...全文を読む


トリスタン!

備忘記録的なもの

 Novelテンプレート管理人さんの9月6日のコメントに対して、お返事が長文になってしまいそうだったので、新しく記事を書くことにしました。ですから、これは、9月5日の「予定になかった~」ひとり言の続きでもあります。興味のないかたは、スルーしてください。お返事が遅れた理由の一つは、体調の悪さです。昨日の夜は、小説ブログのカスタマイズだけで手一杯でした。作業中も、頭の中でトリスタン和音みたいな変な和音が鳴り...全文を読む


第804回

第45章

  翌日、シャルロットは、ラ=メーゾン=ブランシュの庭にいた。かの女は、パトリックが最後に作ったピンクのバラの前に立ち、最後の一輪になってしまった小さなバラを眺めていた。「・・・シュリー?」 シャルロットは思わず振り返った。 そこに、オーギュスト=ド=マルティーヌが立っていた。「研究所に行ったんだ。そしたら、ここだといわれてね」オーギュストが言った。「実は、お別れを言いに来たんだ」「お別れ?」シャル...全文を読む


第805回

第45章

  オーギュストと別れたあと、シャルロットは思いがけない人物と会った。「こんにちは、あなたは、確か、ル=アーヴルでお会いした3人の音楽評論家の一人でしたね?」シャルロットが訊ねた。 彼はにやりとした。「そういうあなたは、いやいや1サンティームを受け取ったヴァイオリニスト嬢でしょう?」「まあ・・・」シャルロットは、相手も自分を覚えていたことに驚いた。「わたしたちは、人を忘れないことも仕事のうちでしてね...全文を読む


第806回

第45章

 「わたしたちは、毎月5日のコンサートには、ほとんど顔を出しています」ショーソンが答えた。「もともと、エルネスト=マンソンは、クラリスの親しい友人でした。より正確に言えば、彼はかの女の養母フランソワーズ=ド=ラヴェルダンの友人だったんですがね。わたしは、彼の影響でクラリスの音楽を聞くようになりました。・・・あなたと初めて会ったとき、わたしたちは、コンサートの帰り道だったんですよ」 シャルロットは驚い...全文を読む


第807回

第45章

 「サンフルーリィ氏とフランショーム氏は、クラリス=ド=ヴェルモンのそばにいて、かの女の愛情を奪い合った仲だと聞いています。そして、<ディスクール=ダディユ>には、この二人のテーマが出てきます。ロビンのテーマは<生>、エマニュエルのテーマは<墓石>。かの女は、その二つのテーマをそう呼んでいました。つまり、生と死との対立がこの曲の背景にありました。どちらが勝ったのか、もちろんご存じですね?」 彼はうな...全文を読む


まるで・・・

備忘記録的なもの

 金曜日(9日)の夜から、モデムの調子がおかしくなっているみたいです。(たぶん、モデムのせいだと思います。)ブログの編集画面に入ろうとするのですが、何度やっても「通信エラーです」のエラーが出続けて、この約36時間の間に編集画面に入れたのがたった3回というありさまで、何か書こうと思っても、書こうと思ったことを忘れるくらい、回線の状態がヘンです。いったい、どうなっちゃったの?まるで、何かの電話予約をする...全文を読む


第808回

第45章

 「リヒテルは、ジュネスの審査員の一人です。国籍はフランスだけど、4人いる祖父母は、皆違う国の人間なんです。彼は、ドイツ人とポーランド人の間に生まれたドイツ国籍の父親と、フランス人とスイス人の間に生まれたフランス国籍の母親の間に生まれて、主にポーランドとフランスを行き来して暮らしています。だから、彼は、当然<クラコヴィアク>を知っていました。そして、彼は、あのグループのフランスにおける最初の紹介者と...全文を読む


第809回

第45章

 「ですが、あなたには、これから話すことを信じてもらいたいんです」シャルロットが言った。「フランショーム氏は、亡くなる間際、あの手紙を誰かに渡そうと考えました。彼が大切にしていた手紙を託する相手は、ただ一人しか考えられません。それは、クラリスとロビンがかなえられなかった夢を託した相手---コルネリウス=ド=ヴェルクルーズです。彼は、甥のコルネリウスに、あの手紙を残しました。コルネリウスは、わたしの同級...全文を読む


永久欠番?

備忘記録的なもの

 「障害情報」によると、ログインできないのはこちらの事情からではなかったようで、一安心です。でも、つながったりつながらなかったりするのには困ってしまいます。昨夜は、こちらのブログは、編集画面どころか、ブログ画面さえ見ることができませんでした。小説ブログの方は、日曜日にできなかった予約投稿に手をつけ、位置としては中途半端ですが9月末までの分を予約しました。ですが、ふとみたら大変なことに気づきました。「...全文を読む


第810回

第45章

  ショーソンは、ピンクのバラの方にかがんだ。新しい板には、こう書かれていた。《ル=フェニックス=フォルチュネ。1913 パトリック=ド=メディシス作》 そして、その下に同じ筆跡で、鉛筆書きの書き込みがあった。《ぼくのシュリーへ》 彼は思わず青くなった。彼は、シュリーというのがユーフラジーの愛称であることを、もちろん知っていた。ということは、パトリックという人は、シャルロットの正体を見抜いていて、か...全文を読む


第811回

第45章

 「そうですね、そういうことになりますね」コルネリウスが言った。「でも、ぼくは、負けてよかったと思っています。負けたことで、ぼくは確信しました。ぼくは、音楽以外のことで身を立てるべき人間だということをです。だから、ぼくは、もう過去を振り返りません。未来を見つめていきます」「もしかすると、きみも町を出るつもり?」「ええ」「どうして?」「ここにいると、破滅してしまうような気がするんです」コルネリウスは正...全文を読む


第812回

第45章

  シャルロットは、サティール門の近くで銅像を造るためのプランを練っているマクシム=ゲーノをちらっと見て、噴水の横を通っていった。少し行ったところで、イーリス=ド=メディシスがバラの手入れをしていた。「こんにちは、イーリス」シャルロットは声をかけた。「まあ、シャルロット! 今日はどうしたの?」「庭を見に来たの。まだバラが咲いているのね。その黄色いバラは、何という名前?」「<ソレイユ=ドール>っていう...全文を読む


第813回

第45章

  シャルロットは立ち止まった。かの女は、自分が無意識のうちに<フラウ=カール=ドルシュキー>の前に立っていたことに気がついた。かの女は、白いバラの幻を見た。パトリックが走ってくる・・・。「走っちゃだめ、パトリック! 走っちゃだめ!」シャルロットは悲鳴を上げ、幻の方に両手を伸ばし、気を失った。バラが手から落ちた。「シュリー!」コルネリウスの二本の腕が、シャルロットをしっかり抱いた。「どうしたの、しっ...全文を読む


本当に備忘記録?

備忘記録的なもの

 うーん、暑い。とにかく暑い。ニュースを見ると、雨模様の地域の方が多いのが信じられないくらいお天気がいい日が続いております。毎日、「あさっては雨になるでしょう」という天気予報を聞き続けておりますが、たぶん台風が迷走しているせいでしょう。特に雨が降って欲しいと思っているわけではありませんから、天気予報が外れる分には問題はないのですが。(お天気がいい方が体調がいいですし。)久しぶりの休日、扇風機が久しぶ...全文を読む


第814回

第45章

  シャルロットはびっくりして、彼の腕をすり抜けた。「ロッティ」コルネリウスは、シャルロットの足元にひざまずいた。「今のぼくは、演劇コンクールの時のアラン=ドルスタンスではない。きみの婚約者のコルネリウス=ド=ヴェルクルーズだ」 シャルロットは震えていた。かの女は、自分の心の中を整理しようとしていた。何も言葉が出てこなかった。「きみは、さっき、黄色いバラの花言葉を知っていると言ったよね。それを知って...全文を読む


第815回

第45章

  シャルロットの脳裏に、昨日、クレマン=バレが歌ったクラリスの歌曲の歌詞がよぎった。ポーランドの詩人、ステファン=ヴィトヴィツキーが書いた恋人たちの物語。ある男が、幼なじみの女の子を愛していた。彼は、かの女の左手の小指に銀の指輪をはめる。ところが、その女の子は、《ある日、よそから来た若者》に心を動かし、彼を捨ててしまうのだ。「さあ、<指輪>の歌がでたらめだ、ということを二人で示そうよ。この指輪は銀...全文を読む


第816回

第45章

  シャルロットが<きづたの家>に戻ると、執事のマクシミリアン=シュミットが言った。「いらっしゃいませ、シャルロットお嬢さま。ドクトゥールは来客中ですが、お待ちになりますか?」 シャルロットは首をかしげた。「お客さま?」「エマニュエル=サンフルーリィ氏です」 シャルロットは少し驚いたような顔をした。「ええ、待たせていただくわ。ところで、ポーランドからのお客さまたちは?」「庭におられます」執事が答えた...全文を読む


第二部最後の衣替え

備忘記録的なもの

 ひまわりのテンプレートで始まった第56章。舞台が研究所(というか、「きづたの家」)に戻るので、テンプレートもバラからひまわりに戻ります。・・・というと、単純な問題に見えるのですが、前回ひまわりだったときはRタイプ、今回はJfタイプのOver500テンプレートを元にしてカスタマイズしているので、実は出戻りのひまわりさんではなかったりします。ひまわりのテンプレート自体、一つヴァージョンが上がっていますし。そ...全文を読む


第817回

第45章

 「わたしたちは、命を狙われていた。しかし、クラリスは、自分の最後の作品をあなたに演奏してもらいたいと望んだ」ドクトゥールが言った。「そのために、わたしたちは、あなたの素性を明らかにしない方法を考えた。クラリスは、そんなあなたに、自分の娘の名前を与えたんだ。かの女は、あなたをユーフラジーと呼び、シュリーという愛称を与えた。それにもかかわらず、あなたは命を狙われるようになったのだがね・・・」 シャルロ...全文を読む


第818回

第45章

  シャルロットとエマニュエルは庭に出た。二人は黙ったまま歩き続けた。その足は、庭の一角で止まった。<きづたの家>の庭に植えられている植物は、ほとんどがバラである。しかし、その一角だけは違った。そこに植えられていたのは、黄色の大きな花だった。「・・・ここは、クラリスおばさまのための庭なの」シャルロットが口を開いた。「かの女がひまわりの花がお好きだと聞いたあとで、この一角にひまわりを植えたんです」 エ...全文を読む


第819回

第45章

  シャルロットは訊ねた。「あなたの言葉が過去形になっているのはどうしてですか?」 エマニュエルははっとした。「・・・気づいていたんだね?」 彼は少し考えてから、ゆっくりと話し出した。「わたしは、クラリスを幸せにはできなかった」エマニュエルの口調は苦痛に満ちたものだった。「わたしは、ロビンがかの女を愛し続けていることに気がついていた。だから、彼をかの女から遠ざけようと思った。でも、いつの間にか、彼は...全文を読む


第二部が終了しました

備忘記録的なもの

 全四部からなる「年代記」の第二部が終了しました。本来ならば、半分終わりました、という報告になるのでしょうが、全体の約三分の一、主人公の生涯の約五分の一が終了したところです。ソナタ形式でいうと提示部の終了というところでしょうか。長い小説中で、これから生まれる人を除いては主な登場人物のほとんどが登場し終えました。(ですから、「提示部」なのですが。)重要人物で登場しないのはあと二人だけ、だと思います。も...全文を読む


石というよりは岩かも知れない

備忘記録的なもの

 自覚はしているのですが、昔から応用が利かない石頭タイプの人間です。できるだけ遠くを見るように努力はしているのですが・・・。さて、第三部に向けての準備はほぼ完成です。あとは、ナビを変更して、2ページ目目次のスタイルシートを貼り付ければ完成だと思います。ただ、考えてみると、別にスタイルシートのコピペにこだわる必要はなかったんですよね。ようやく、先ほど気づきました。(今ごろ遅いってば。)メモ帳を使って、...全文を読む


第820回

第46章

  ユーフラジー=シャルロット=ド=サン=メランがグルノーブルに来てから、すでに三ヶ月が過ぎていた。 かの女は、ジョゼフ=サヴェルネ教授の家に下宿し、彼からヴァイオリンを習っていた。 サヴェルネは、当初、シャルロットに、グルノーブル音楽院に入学して正式に音楽教育を受けるように勧めた。しかし、かの女にはどうしてもその決心がつかなかった。そこで、彼は、個人的には弟子を取らないという主義を曲げて、かの女を...全文を読む


第821回

第46章

  シャルロットは、エーグルフォール教授の聴講生の立場でグルノーブル大学に顔を出すようになった。 ところで、この年のグルノーブル大学の新入生の中に、ノルベール=ジラールという人物がいた。彼はスイス生まれで、長い間スイスで暮らしていたフランス人だった。彼は、両親がフランスに戻ったあとも、スイスの全寮制の学校で勉強していた。在学中の1911年に、彼はフランスの青少年文学コンクールに応募し、2位に入賞した...全文を読む


第822回

第46章

  シャルロットは、彼に座るように手招きし、自分も座った。そして、さっき読んでいた本を膝の上にのせた。「・・・ところで、ミュラーユリュードから来たんですってね。あの町には、有名人がいますよね。たとえば、ジュネスの優勝者シャルロット=チャルトルィスカや、小説家ガルディアン=ド=マルティーヌ。それに、ギュスターヴ=フェラン・・・」「あら、ヴィトールド=ザレスキーをご存じなの?」シャルロットは驚いて遮った...全文を読む


第823回

第46章

  翌日、シャルロットは、ヴァイオリンを持って学校へ行った。かの女は、ノルベールに会う手段を聞いておくのを忘れたので、前日と同じ時間に同じ場所に行くことにした。 かの女は、前の日にノルベールと会った時間にベンチについた。彼は来ていなかった。かの女は、持ってきた本を読み始めた。約一時間が経ったが、彼は現われなかった。かの女は、本を読むのにも飽きてきたので、本を閉じた。そして、持ってきたヴァイオリンのケ...全文を読む


第824回

第46章

  シャルロットは、それでも、マリウス=ルブランという名前を一生懸命に記憶の中から探していた。初めて会ったはずはない、どこかで会っているはずだ・・・。見覚えはある。この名前を聞いたこともある・・・どこかで、何度か・・・。前にグルノーブルに来たとき、どこかで会ったはずだ。「ずっと、グルノーブルに住んでいるの?」シャルロットが訊ねた。「ああ。ノルベールとは、3年越しのつきあいになるね」マリウスはそう言っ...全文を読む


第825回

第46章

  マリウスは母親の方を向いて、思い切って訊ねた。「・・・まさか、かの女が、シャルロット=チャルトルィスカなの?」 ルブラン夫人は怪訝そうに息子を見た。「おや、違うのかい?」「・・・違わないわ。あのとき、わたしは、シャルロット=チャルトルィスカだったの」 それを聞くと、ノルベールは真っ赤になった。マリウスはきょとんとした顔をしていた。「あのとき・・・?」ルブラン夫人はシャルロットの方を向いた。 シャ...全文を読む


第826回

第46章

 「・・・で、シャルロット=ド=サン=メランは、ここで何をしているんだい?」ルブラン夫人が訊ねた。「ヴァイオリンを学んでいます。そして、グルノーブル大学の聴講生として、文学の勉強をしています」「ピアノは?」ルブラン夫人が言った。 シャルロットは悲しそうにほほえんだ。「シャルロット=チャルトルィスカといったら、前回、ジュネス初の5つのルビー入りの冠をかぶったひとでしょう? どうしてピアノを続けないんで...全文を読む

 更新履歴カレンダー