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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2011年11月  】 更新履歴 

  11.01.  【 第48章 】  第858回   さわりを読む▼
  11.01.  【 備忘記録的なもの 】  11月になって最初にしたこと   さわりを読む▼
  11.02.  【 第48章 】  第859回   さわりを読む▼
  11.03.  【 第48章 】  第860回   さわりを読む▼
  11.04.  【 第48章 】  第861回   さわりを読む▼
  11.04.  【 備忘記録的なもの 】  「ばらの結婚」第4話を書き上げていました。   さわりを読む▼
  11.05.  【 第48章 】  第862回   さわりを読む▼
  11.06.  【 第48章 】  第863回   さわりを読む▼
  11.07.  【 第48章 】  第864回   さわりを読む▼
  11.08.  【 第48章 】  第865回   さわりを読む▼
  11.09.  【 第48章 】  第866回   さわりを読む▼
  11.10.  【 第49章 】  第867回   さわりを読む▼
  11.11.  【 第49章 】  第868回   さわりを読む▼
  11.11.  【 備忘記録的なもの 】  とくに意味はありませんが。   さわりを読む▼
  11.12.  【 第49章 】  第869回   さわりを読む▼
  11.13.  【 第49章 】  第870回   さわりを読む▼
  11.14.  【 第49章 】  第871回   さわりを読む▼
  11.15.  【 第49章 】  第872回   さわりを読む▼
  11.16.  【 第49章 】  第873回   さわりを読む▼
  11.17.  【 第49章 】  第874回   さわりを読む▼
  11.18.  【 第49章 】  第875回   さわりを読む▼
  11.19.  【 第49章 】  第876回   さわりを読む▼
  11.20.  【 第49章 】  第877回   さわりを読む▼
  11.20.  【 備忘記録的なもの 】  タイムマシン   さわりを読む▼
  11.21.  【 第49章 】  第878回   さわりを読む▼
  11.22.  【 第49章 】  第879回   さわりを読む▼
  11.23.  【 第49章 】  第880回   さわりを読む▼
  11.24.  【 第49章 】  第881回   さわりを読む▼
  11.25.  【 第50章 】  第882回   さわりを読む▼
  11.26.  【 第50章 】  第883回   さわりを読む▼
  11.26.  【 備忘記録的なもの 】  初心者マーク   さわりを読む▼
  11.27.  【 第50章 】  第884回   さわりを読む▼
  11.28.  【 第50章 】  第885回   さわりを読む▼
  11.29.  【 第50章 】  第886回   さわりを読む▼
  11.30.  【 第50章 】  第887回   さわりを読む▼


第858回

第48章

 「シューザンが、そんなことを?」ド=グーロワールは驚いた。 フランソワはうなずき、ノルベールを見た。「あなたに、劇中の人物エティエンヌ=デュポンのことを少しお話しします」フランソワが言った。「あなたの原作には登場していないのに、あなた以外の人が全員知っているというあの人物のことを」 ノルベールはうなずいた。「シューザン---パトリック=ド=メディシスは、2年7組時代の同級生です。いいえ、<でした>と...全文を読む


11月になって最初にしたこと

備忘記録的なもの

 本当は、この時期にはしたくなかったのですが、小説ブログのトップ記事「はじめに」のカテゴリーを0から130に変更しました。カテゴリー0、すなわち未分類という分類を復活させるとともに(本当はそんな必要性は全くないのですが)、カスタマイズのたびに未分類に振り回されないようにするためです。なんといっても、最低でも150章を終えるまではブログのカスタマイズを何度かする(場合によっては、「外伝」も・・・)のですから...全文を読む


第859回

第48章

  それから約30分後、ノルベール=ジラールは<ラ=メーゾン=ブランシュ>に向かって歩いていた。 フランソワ=ジュメールは道案内を申し出たが、彼は断り、一人で歩いてきた。彼は、考え事がしたかったからである。 彼の今度の旅行の目的は二つだった。一つは、演劇祭で演じられる自分の劇を見ること。そして、この町に住んでいるコラン=ブルームの関係者たちに会うことだった。 ところが、最初の訪問地であるサント=ヴェ...全文を読む


第860回

第48章

  コルネリウスの方が先に目をそらした。彼は、また、門の中に目をやった。ノルベールは、コルネリウスの後ろ姿を見つめて考えた。彼は、フランソワ=ジュメールが言うように、少々警戒心が強いようだ。人は、容易には彼の心の中に入れないだろう。彼は、たとえて言うならば、野生のオオカミのような人だ、とノルベールは思った。絶えず脅えていて、いつも牙をむき出しにし、相手に隙を見せまいとしている。シャルロットは、どうや...全文を読む


第861回

第48章

  その日、ノルベールが宿泊先に選んでいたホテルに到着すると、ロビーにいた一人の男が立ちあがった。男は医者のような白衣を身にまとっていた。「・・・ムッシュー=リヴィエール・・・?」ノルベールは、思わず男に呼びかけた。「あなたは、リオネル=デルカッセですよね?」 男は、うれしそうにノルベールの元に駆け寄った。「リュミエール! 元気だったか?」「・・・どうしたんです、その格好・・・?」 彼は、自分の服装...全文を読む


「ばらの結婚」第4話を書き上げていました。

備忘記録的なもの

 タイトルの通りです。(わざとまぎらわしいタイトルにしました。)今回は、「更新しました!」と派手に宣伝することもなく、通常ブログ画面に置いてあります。一応書き上げましたが、出来に今ひとつ納得できないので、時間があるときにもう一度見直そうと思っています。・・・といいながら、ちょこちょこと手を加えています。今回の内容は、「年代記」第13~14章と関係ある部分の前置きとなっています。アントワネットたちが、...全文を読む


第862回

第48章

  そこへ、赤毛の青年が現われた。ノルベールには、彼がガルディアン=ド=マルティーヌ---ロジェ=ド=ヴェルクルーズだということが一目でわかった。彼は、昼間会ったオーギュスト=ド=マルティーヌにそっくりだったからである。 ロジェは二人に気がつくと、うれしそうに言った。「リヴィエール、やっぱりここだったんだね?」「来てくれるとは思わなかった、ガルディ」リオネルはほほえんだ。「彼が、後輩のノルベール=ジラ...全文を読む


第863回

第48章

  ガルディアン=ド=マルティーヌの作る料理は、お世辞抜きでおいしいものだった。彼には、料理の才能があった。彼は首になったといっていたが、彼の料理の師匠は、彼が去ると聞いたとき本気で手放すまいとしたのだった。彼は誰にもそれを話したことはないが、彼のごく近くにいる人たちだけは、シェフが未だに戻ってきて欲しいと手紙をよこし続けていることを知っていた。 ノルベールは、二人に、新しい小説の背景を説明した。 ...全文を読む


第864回

第48章

  話を黙って聞いていたリオネルは、ドクトゥール=ド=ラ=ブリュショルリーにノルベールを会わせるということはかなり難しいことに気づいた。 彼が聞いた話では、そのアレクサンドリーヌ夫人は、何物かに毒殺された。そして、彼の娘は不可解な交通事故でなくなっている。その犯人はまだ捕まっておらず、彼は自分の個人的な過去の話を出されることは好まない。現在では、いとこの娘で、今は義兄の養女になっているシャルロット=...全文を読む


第865回

第48章

  その言葉を聞いたリオネルの表情が苦しみでゆがんだ。彼自身、将来同じような選択を迫られるときがやってくる。医者になるか、小説家になるか。彼は、どちらかの道を選ばなければならない。そして、今、彼自身はその選択の時を引き延ばそうとしている。リオネルには、ノルベールの苦しみがよくわかった。 しかし、今の言葉を聞く限り、リオネルは、ノルベールが学者になる決意を固めていることがわかった。彼は、いずれは筆を折...全文を読む


第866回

第48章

  そして、ドクトゥールは、アレクサンドリーヌの思い出を語り始めた。 話が終わると、ノルベールは、コラン=ブルームの話をした。病弱だった彼が、窓際に置かれたベッドの中で作曲を続けていた話である。その彼が、毎日楽しみにしていたのが、アレクサンドリーヌが窓の下を通っていくことだった。彼は、かの女を見て<そよかぜ>のようだと思ったこと。その少女をあこがれのまなざしで見つめることしかできなかったことを説明し...全文を読む


第867回

第49章

  ジュネス=ピアノコンクールが終わった直後、サヴェルネ家に一通の招待状が届いた。 サヴェルネはそれを開き、うれしそうに妻にこう言った。「フランク先生から、ご招待を受けた」 朝食の準備中だったサヴェルネ夫人は、それを聞くと思わず手を止めた。「なんですって?」「3月29日のフランク夫人の誕生日に、ちょっとしたパーティを開きたいと書いてある。当日出席する人は、フランク夫人へのプレゼントとして、白い菊の花...全文を読む


第868回

第49章

  しかし、サヴェルネは首を横に振った。「そういう解釈も成り立つが、フランク夫妻を参考にする限り、こんな解釈はどうだろうね?」 そう言うと、サヴェルネはスプーンを置いた。「あの曲は、テオドール=フランクの愛情物語だった。そういう仮説で話を進めると・・・」サヴェルネはシャルロットを優しく見つめた。「フランク氏は、伴奏ピアニストだったマリアンヌさんに恋をした。彼は、かの女に告白できずに悩み続ける。そして...全文を読む


とくに意味はありませんが。

備忘記録的なもの

 外は冷たい雨が降っています。とても寒い一日でした。・・・そういえば、あの日も寒い日でした。ガソリンスタンドで給油し、品物が豊富に並んでいるスーパーマーケットを眺めていると、あの日のことがものすごく過去のことのように思われます。テレビの番組の下に「○○0.9マイクロシーベルト ××0.53マイクロシーベルト」なんていう字幕が出てこなければ、あの日のことはなかったことのようにさえ思われるくらいです。もっとも、そ...全文を読む


第869回

第49章

  1914年3月29日は、ソフィ=マリアンヌ=フランク夫人の60回目の誕生日だった。女性の誕生日、ということで公には年齢は公表されなかったが、招待客たちはかの女の年齢を知っていた。あえて指摘するものはなかったが。 その日、フランク夫人は朝から咳に悩まされていた。熱も少しあったため、フランク氏は夕方から計画されていた小さな集まりを中止しようと提案した。 フランク夫人は、ヴェルネ夫人が作った咳止めの薬...全文を読む


第870回

第49章

  ジョゼフ=サヴェルネは、教会でその話を聞いた。 シャルロットは、このままフランク家に行き、フランク夫人を見舞おうと提案した。 しかし、サヴェルネ夫妻は二人とも反対した。 サヴェルネ夫人が言った。「わたし、温かいスープを作ってきます。フランク夫人に召し上がっていただけるように」 そして、サヴェルネは、シャルロットに<例のプレゼント>だけはするようにと言った。「あれだけは、フランク夫人に聞いてもらい...全文を読む


第871回

第49章

  シャルロットは、ヴェルネ夫人から手書きの楽譜を受け取った。「マダム=フランクが、これをご所望なの」ヴェルネ夫人が言った。「これは、お友達からの誕生祝いよ」 シャルロットは楽譜を開き、フランソワーズ=ド=ラヴェルダンの手書きの文字を見た。そして、楽譜に目を通した。 その音楽は、ホ長調で書かれていた。右手で旋律と伴奏を両方受け持ち、左手で根音を演奏するその形は、ショパンの第三番の練習曲に似ていた。メ...全文を読む


第872回

第49章

  そのとき、サヴェルネが言った。「そうだ、大切なことを忘れていた」 そして、彼は優雅にお辞儀をした。「マダム=フランク、お誕生日おめでとうございます」 フランク夫人は立ち止まり、彼にほほえみかけた。「ありがとう。もっとも、この年になると、おめでたいかどうかわからないわ」 ヴェルネは、長いすのところまでフランク夫人を案内し、ゆっくりとそこに座らせた。サヴェルネは、そのかの女の膝にうやうやしい身振りで...全文を読む


第873回

第49章

  フランク氏は目を閉じた。 彼の脳裏に広がる光景は、サン=マルタン教会のステンドグラスだった。立派な鎧を身にまとった男性が、みすぼらしい男性---本当は乞食の格好をしていたキリスト---に半分に切り裂いたマントをさしだしている光景・・・しかし、そのマントを受け取ろうとしているその男性の表情は光輝に満ちており、頭の上には輝かしい環があった。教会の名前の由来である聖マルタンの伝説を描いたステンドグラスを見つ...全文を読む


第874回

第49章

  フランクは滞在中のホテルに戻ると、フランソワーズの楽譜を開いた。 深呼吸をし、楽譜に集中しようとした。それは、彼が初めての楽譜に取り組むときのいつもの習慣である。彼は、演奏をする前に、楽譜に一度目を通す。音を出してからだと気がつかないことが、譜面から見えることがあるからである。 ニ短調のヴァイオリンソナタ。曲は4つの部分に分かれてはいるが、単一楽章の曲である。最初の部分は、ピアノの単調な前奏に続...全文を読む


第875回

第49章

  ソフィ=マリアンヌ=ティボーは、ボルドー地方の小さな村の出身であった。両親は、ブドウの栽培をしていた。音楽とは何の関係もない一家だったが、かの女が教会の聖歌隊員に選ばれたことがかの女の人生の転機だった。かの女はオルガニストに才能を見いだされ、ピアノのレッスンを受けることになった。そして、その師の紹介でパリのメランベルジェ夫人の生徒となり、コンセルヴァトワールに入学するまでになったのである。 かの...全文を読む


第876回

第49章

  フランク夫人は、演奏している二人を見つめていた。そして、この曲を30年以上も聞いたことがなかったことを思った。この曲は、自分たち二人を結びつけた曲だ。だが、そのエピソードを聞いている人たちは、あえて彼らの前でこれを演奏しようとはしなかったからだ。そして、彼ら自身、それを演奏しようとは思わなかったのである。だから、最後にこの曲を聞いたのは、自分たちが初演したステージの上だった。そのときヴァイオリン...全文を読む


第877回

第49章

  そのとき、マリアンヌは、テオドール=フランクという男性のことを理解してはいなかった。 彼は、風采の上がらない男性だった。どちらかというと身なりには気を遣わない男性で、茶色の髪の毛は流行よりもわずかに長く、服装にもこだわりが見られなかった。彼がベージュの服を着ると、さらに目立たなくなる。にもかかわらず、彼はベージュの服を好んで着た。普段着とはいえ、流行とは全く無縁の服装である。さらにマリアンヌにと...全文を読む


タイムマシン

備忘記録的なもの

 今日は県議会議員選挙の投票日。有権者になって以来、投票を欠かしたことは一度しかないのですが、今回ほど魅力のない選挙もないような気がします、何とも申し訳ないのですが。投票に行く前に、今日になって初めて選挙公報をじっくり読んでみたのですが、どの候補者も「原発」という言葉を(賛成、反対にかかわらず)とりあえず口にしていました。去年の今ごろ、こんなに原発のことを考えたかしら?・・・うーん。記憶が確かだった...全文を読む


第878回

第49章

  マリアンヌは、フランクが自分を食事に誘った理由を自分なりに想像していた。 たぶん、お別れの挨拶がしたかったからだ。彼は、あのとき確かに『最後に』と言った。そういえば、彼は、演奏会が終わったらベルギーへ帰ってしまうと言っていた。 演奏会が終了したお礼と、送別会の意味合いがある食事会。 もし、そうなら、快く送り出してあげよう。 もし、そうでなかったら・・・。 もし、彼が自分にプロポーズしてくれるつも...全文を読む


第879回

第49章

  フランク夫人は、演奏している少女を見つめつづけていた。 シャルロットは、ヴァイオリンを自分の体の一部のように扱っていた。そして、その歌は、かの女の心の叫びだった。恐らく、かの女には大人の恋がどんなものか、まだわからないだろう。しかし、この音楽は、そんな大人の恋とは無縁の、ただただ純粋な少年少女の恋物語だった。 この音楽と出会った頃のテオドール=フランク自身のような。 この音楽を演奏していた頃のマ...全文を読む


第880回

第49章

  フランク夫人はシャルロットに言った。「あなたは、何も間違ってはいないのよ。間違っていたのは、このわたし」 シャルロットは顔を上げた。 しかし、フランク夫人が見つめていたのは、横に座っていた夫の顔だった。「ごめんなさい、テオ」フランク夫人がかすれた声で言った。「わたしが悪かったわ」 フランク氏の手が止まった。 彼は、かの女の目をのぞき込み、左手でかの女の手を握りしめた。背中をさすっていた方の手は、...全文を読む


第881回

第49章

  翌朝早く、セザール=ヴェルネがサヴェルネ家にやってきた。 ドアを開けたサヴェルネは、友人の顔つきに驚いた。ヴェルネはあきらかに走ってきたようだったが、その顔色は真っ青だったのである。 サヴェルネは、彼を中に入れようとした。 しかし、ヴェルネは中に入ろうとはしなかった。「急いできて欲しい。マダム=フランクが・・・」ヴェルネは声をつまらせた。「・・・フランク夫人が、どうかなさったの?」続いて現われた...全文を読む


第882回

第50章

  4月に入り、シャルロットの元に演奏依頼が二つ届いた。どちらも、ピアニストとしてのシャルロットに対する演奏会の依頼だった。 サヴェルネ家にやってきて以来、かの女はコンサートを一つとして引き受けようとはしなかった。それは、サヴェルネ教授自身が大反対だったからである。彼は、かの女がヴァイオリンの修行をする上で、現時点でコンサートホールに立つことが有意義だとは思えないという理由から、すべてのコンサートを...全文を読む


第883回

第50章

  ミュラーユリュードから帰ってきたノルベール=ジラールは、シャルロットが復活祭の休み以来ずっと学校に来ていないことを知らされると、内心の驚きや心配を顔に出さないように気をつけながらサヴェルネ家を訪ねた。 ノルベールは、サヴェルネ夫人がドアを開けたときから、この家の雰囲気が今までとは違っていることを肌で感じた。かの女が真っ黒な服装をしているからだけではない。かの女の表情にまで明るさがなかったのである...全文を読む


初心者マーク

備忘記録的なもの

 たぶん気のせいでしょうが、このところ一日が終わるのがものすごく早いと感じます。気がついてみるとまた夜になっている・・・そんな生活をしています。そんなこんなで、ここ1ヶ月、下書きはわずか3行しか書いていません。そして、なぜかそれが気になりません。自分の身の回りに起きていることが、あまりにも現実離れしすぎているからでしょうか。事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものです(?)。去年の今ごろ、「シーベル...全文を読む


第884回

第50章

  シャルロットの顔には、何も浮かんではいなかった。しいていえば、苦しみだけがそこにあった。ノルベールには理解できない苦しみが。「・・・ぼくの留守中に、いったい何があったんだ?」ノルベールはただ一言そう言った。 シャルロットは、両手で顔を覆って泣き出した。 サヴェルネ夫人がコーヒーを運んできたとき、シャルロットはそうして泣いているところだった。そして、ノルベールは当惑したようにかの女を見つめていた。...全文を読む


第885回

第50章

  1914年5月29日は金曜日だった。 その日の放課後、パトリック=ド=メディシスの友人だった人たちは、ラ=メーゾン=ブランシュの野外ステージ前に集まった。 集合時間の午後1時半には、パトリック=ド=メディシスの命日のためのコンサートに参加する人たちは、ほぼ全員集合していた。「・・・プティタンジュ以外、全員そろいました」1年7組クラス委員のクロード=ヴァラースは、担任のアルフレッド=ド=グーロワー...全文を読む


第886回

第50章

  しかし、その曲を贈られたシャルロットは、曲のタイトルを意識していた。かの女の作品<フェニックス=フォルチュネ>のタイトルの下には、<新しい《白いバラの伝説》>と書き込まれていた。そして、カルテットの4人だけは、作品につけられていた手紙によって、その曲の本当の意図が知らされていたのである。 シャルロットは、その手紙の一節にこう書いていた。《・・・<ル=フェニックス=フォルチュネ>というのは、彼が最...全文を読む


第887回

第50章

 「・・・ちょっと待て。ということは・・・?」 それを耳にし、アグレスールはにやりとした。「正解です、モマン=ミュジコー。プログラムの最後は、アルフレッド=ド=グーロワールによるピアノ独奏となっております。曲は、ベートーヴェン作曲ピアノソナタ第17番ニ短調です」 アルフレッド=ド=グーロワールは、苦虫を噛み潰したような表情になった。「なぜだ?」「大物は、最後に登場すると決まっています」アグレスールが...全文を読む

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