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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2012年06月  】 更新履歴 

  06.01.  【 第60章 】  第1071回   さわりを読む▼
  06.02.  【 第60章 】  第1072回   さわりを読む▼
  06.03.  【 第60章 】  第1073回   さわりを読む▼
  06.04.  【 第60章 】  第1074回   さわりを読む▼
  06.04.  【 備忘記録的なもの 】  また、ろくでもない寄り道を・・・。   さわりを読む▼
  06.05.  【 第60章 】  第1075回   さわりを読む▼
  06.06.  【 第60章 】  第1076回   さわりを読む▼
  06.07.  【 第61章 】  第1077回   さわりを読む▼
  06.07.  【 備忘記録的なもの 】  心配性な人間にとっては・・・。   さわりを読む▼
  06.08.  【 第61章 】  第1078回   さわりを読む▼
  06.09.  【 第61章 】  第1079回   さわりを読む▼
  06.10.  【 第61章 】  第1080回   さわりを読む▼
  06.10.  【 備忘記録的なもの 】  (前言撤回)   さわりを読む▼
  06.11.  【 第61章 】  第1081回   さわりを読む▼
  06.12.  【 第61章 】  第1082回   さわりを読む▼
  06.13.  【 第61章 】  第1083回   さわりを読む▼
  06.14.  【 第61章 】  第1084回   さわりを読む▼
  06.15.  【 第61章 】  第1085回   さわりを読む▼
  06.16.  【 第61章 】  第1086回   さわりを読む▼
  06.17.  【 第61章 】  第1087回   さわりを読む▼
  06.18.  【 第61章 】  第1088回   さわりを読む▼
  06.19.  【 第61章 】  第1089回   さわりを読む▼
  06.20.  【 第61章 】  第1090回   さわりを読む▼
  06.21.  【 第61章 】  第1091回   さわりを読む▼
  06.22.  【 第61章 】  第1092回   さわりを読む▼
  06.23.  【 第61章 】  第1093回   さわりを読む▼
  06.24.  【 第61章 】  第1094回   さわりを読む▼
  06.25.  【 第61章 】  第1095回   さわりを読む▼
  06.26.  【 第62章 】  第1096回   さわりを読む▼
  06.27.  【 第62章 】  第1097回   さわりを読む▼
  06.28.  【 第62章 】  第1098回   さわりを読む▼
  06.29.  【 第62章 】  第1099回   さわりを読む▼
  06.30.  【 第62章 】  第1100回   さわりを読む▼
  06.30.  【 備忘記録的なもの 】  6月30日の日記   さわりを読む▼


第1071回

第60章

  シャルロットは、少し悲しそうな表情になった。「でも、誰もそれに気づかなかったのです。エマニュエル=サンフルーリィでさえ。あんなにかの女を愛していた彼でさえ・・・」 シャインはまだ半信半疑の顔つきでシャルロットを見つめていた。「クラリスおばさまが、ずっとエマニュエルおじさまを愛していたとはわたしも断言はしません。少なくても、ずっと若い頃は、クラリスおばさまとフランショーム氏が愛し合っていたのは事実...全文を読む


第1072回

第60章

  シャインは、シャルロットのその表情を見ながら、クラリス=ド=ヴェルモンのことを思い出していた。「わたしは、後に、その解読キーの一部をサンフルーリィ氏に渡しました」「一部?」 シャルロットは小さくうなずいた。「ええ。一部です。でも、それを聞いた彼は、涙ながらに告白しました。あの曲は、ロビン=カレヴィに対する愛の気持ちがつまっていた、だから、あれを演奏したくなかったのだと。でも、そうではなかったこと...全文を読む


第1073回

第60章

  その3日後に、船はボストンに着いた。 シャルロットとバルバラは、そこで船から下りた。二人は、ボストン観光をしてから汽車でフィラデルフィアに向かった。その途中、バルバラは、たいして上達しなかった英語を諦め、ポーランド語で最終的な打ち合わせをした。そして、アンダースン夫人の前で歌う曲を最終的に決定したのである。 アンダースン夫人の家は、郊外にあった。大きな門と高い塀に囲まれたその敷地は、まるで砦を思...全文を読む


第1074回

第60章

  その音楽は、シャルロットが、イレーヌ=ファブリエという名の歌手役を演じるバルバラのために作曲したものである。劇の中で一番美しいアリアだと言われる曲であるが、実は、イレーヌは主人公ではないし、主人公の恋人でさえない。かの女は、主人公の親友マクシムのフィアンセである。画家であるマクシムは、主人公の恋人であるアニーを好きになってしまい、イレーヌと婚約を解消し、姿を消してしまうのである。だが、イレーヌは...全文を読む


また、ろくでもない寄り道を・・・。

備忘記録的なもの

 5月はいろいろあったので、1週間ごとに予約チェックをしなかったため、昨日の夜気づいたら予約ストックが切れかかっていました。もうすぐ第71章が終わるのに、第72章を全く予約していなかったんです。第3部の最初の部分(通称「グルノーブル編」)は、あさってで終了です。何度も書いているとおり、第3部は4つの部分からできていて、ストーリーが大きく動き出す2番目の部分(通称「ティエ=ゴーロワ事件」)のオープニン...全文を読む


第1075回

第60章

  残されたシャルロットに、アンダースン夫人は声をかけた。「シャル、あなたがわたくしたちを訪ねてやってきたとは思いませんでしたわ」「あなただって、最後まで、本名をおっしゃいませんでした」シャルロットはやんわりと反撃した。「わたしは、はじめから名乗っていたのに」「お名前はね」ロリンズ夫人が援護射撃にまわった。「でも、あなただって、ご自分のことはほとんど話して下さらなかったじゃないの。ムッシュー=シャイ...全文を読む


第1076回

第60章

  アンダースン夫人は、義妹の冗談に対して、冗談で答えた。「あら、シャルはわたくしの弟子じゃありませんわ。わたくしは、バビィを弟子にしたんです。でも、シャルは、自分たちは二人で一人分だと言っていたから、バビィを弟子にした以上、残りの半分もここに置くべきだと思っただけよ」 シャルロットも言い返した。「あら、わたしは、《残りの半分》ではありません。確か、《悪い方の半分》と申し上げたはずです」 三人は、顔...全文を読む


第1077回

第61章

  1915年6月25日の朝、シャンベリーのド=ティエ=ゴーロワ家の朝は、いつもと同じように始まった。 ゴーティエ=ド=ティエ=ゴーロワは日課にしている早朝の散歩から戻るところだった。しかし、彼が玄関の前まできたとき、いつもと違う事態が起こった。彼は、執事が真っ青な顔をしているのを見た。執事は、彼の帽子を受け取ろうとしないでぼうっとしていた。奥の方では、騒々しい人の声がする。「・・・何だね、朝から、...全文を読む


心配性な人間にとっては・・・。

備忘記録的なもの

 どういうわけか、まわりのひとたちからは<あたらしいものが好きで、好奇心旺盛な人間>だと思われることが多いのですが、実際にはちょうど逆の人間です。周りのものが変化するのに対応する能力が低く、「臨機応変」という言葉が全く当てはまらない。『・・・になったらどうしよう』とびくびくしながら毎日を過ごしているようなものです。目下のところ、今一番怖いのは、また起きるかもしれない大地震でも、原発の4号機の爆発でも...全文を読む


第1078回

第61章

  それから30分経たないうちに、4人の警察官がやってきた。 一番年配の男性が、ゴーティエに挨拶した。「アレクサンドル=ルークレール警部です。そして、わたしの部下たちです」 ゴーティエも挨拶を返し、マルグリートの部屋を案内した。 ルークレール警部は、三人の部下たちを連れて部屋に入った。4人は、しばらくの間部屋を歩き回っていた。「・・・さて、何がわかるか言ってみなさい」ルークレール警部が言った。「被害...全文を読む


第1079回

第61章

 「かの女は、部屋にいるときには、中から鍵をかける習慣でした」ゴーティエが気まずそうに口をはさんだ。「日記を書いていたのなら、なおさらです」 ルークレール警部は考え込む様子を見せた。部下たちもにやにや笑いをやめた。「でも、ドア以外の場所から中に入れたとは思えません」ナッソーが言った。「夜中の間に、窓ガラスや壊れた鍵の修理ができれば話は別ですがね」 ユーグはにやりとした。「・・・じゃ、強盗ではないんで...全文を読む


第1080回

第61章

 「つまり、犯人は、被害者が家に戻ったのを知らなかった・・・?」デュパンは小さな声で言った。 ルークレール警部は、ゴーティエに訊ねた。「あなたが、最後にかの女を見たのは、いつですか?」「昨日の夕食の時ですね」ゴーティエは即座に答えた。「夕食後、お嬢さまは、部屋に戻られました。お風呂のあと、着替えられたのが夜の9時過ぎです」エティエネットが言った。「わたくしは、そのあと、自室に戻り---けさ、6時にお部...全文を読む


(前言撤回)

備忘記録的なもの

 「しばらく何もしない」と書いてからいろいろ考え、昨日の夜ふっと思いついたのが、古いパソコンの存在でした。古いと言っても、つい1ヶ月前までは現役だった「あの」パソコンです。IE8以下の表記に乱れがある・・・という、Novelテンプレート管理人様のお言葉。どうしても気になって仕方がないまま、ふっと思ったのです。今まで、Firefoxを使っていたからすっかり忘れていたけど、あのパソコンは確かIE8が入っていたはず・・・。...全文を読む


第1081回

第61章

  ルークレール警部は咳払いした。「さて、机の方に移ろう。被害者の書きかけの日記帳には、ほかに何が書かれているのだろう?」 一番若いデュパンは、ノートをのぞき込んだ。最初に目に入ったのは、インクの大きなしみだった。どうやら、被害者は日記を書きながら亡くなったらしい。「《1915年6月24日(木)》」デュパンは、几帳面に日付から読み始めた。「《かの女が生きていた。》---かの女という単語は、大文字で書か...全文を読む


第1082回

第61章

  一番最初に駆けつけたのは、ドクトゥール=ド=ラ=ブリュショルリーだった。彼は、コルネリウス=ド=ヴェルクルーズ、オーギュスト=ド=マルティーヌを連れていた。さらに、戦場から戻ってきたばかりのロジェ=ド=ヴェルクルーズも駆けつけてきた。親戚と言っても、この場に駆けつけて来られる人たちは彼らだけだった。義理の兄にあたるエマニュエル=サンフルーリィは外国に演奏旅行中だったし、その養女のシャルロットはア...全文を読む


第1083回

第61章

 「ジュヌヴィエーヴ=ド=ティエ=ゴーロワに初めて会ったのは、わたしが大学の2年生の時だった。当時、かの女は医学部の新入生で、学校で一番の美女だと言われていた。当然、男子生徒は、かの女に夢中になった。しかし、かの女が選んだのは、アルトゥール=ド=ヴェルクルーズという、かの女の同級生だった」ドクトゥールは昔を懐かしむ口調で言った。「事実、彼らはお似合いのカップルだった。とはいえ、学校で一番ハンサムだっ...全文を読む


第1084回

第61章

 「この事態を複雑にしてしまったのは、アルの嫉妬だった」ドクトゥールが言った。「わたしは、当時、彼を親友だと信じていた。わたしが彼を心配しているように、彼もわたしのことを気にしてくれているのだと信じていた。だから、わたしはアルの行動の裏にあるものに気づいていなかった。彼は、わたしとヴィーヴが結婚しないように手を打った。それが、二人の突然の婚約だったんだ」 コルネリウスはさっと顔を上げた。「嫉妬ですっ...全文を読む


第1085回

第61章

  全員が振り返った。 そこには、茫然として立っていたエティエネット=エルスタンの姿があった。かの女がいつから話を聞いていたのかわからない。かの女は、お茶を運んできた。そして、そのまま話に聞き入ってしまったのだろう。かの女の足元に、ポットとカップが散乱していた。 ドクトゥールとアレクサンドリーヌは、習慣化した行動をとっさに取ろうとした。彼は、エティエネットのそばに行き、優しく訊ねた。「・・・怪我はな...全文を読む


第1086回

第61章

  部屋にいた全員が、コルネリウスの突然の怒りを目の前にして、動転していた。「フィル・・・」声をかけたのは、ゴーティエだった。「あそこまで言う必要があったのか?」 ドクトゥールの唇は震えていた。「いずれは、誰かが本当のことを話しただろう。わたしは、ほかの人から聞かせられるまえに、自分で話しておきたかった。・・・少なくても、あらましだけでもね」「ドンニィは、鋭い子ですわ」アレクサンドリーヌが言った。「...全文を読む


第1087回

第61章

  ドクトゥールは即座にこう言った。「かの女は、すみれ(violette)と書こうとしていたのではないでしょうか?」 それを聞いて、アレクサンドリーヌもうなずいた。「ありそうな話ですわ」「かの女は、すみれが好きだった」ゴーティエは、アレクサンドリーヌの視線を受け、同意した。「自分の持ち物には、すみれの刺繍をつけていたくらいです。そして、すみれの色をした持ち物を好んでそばに置きました・・・。あのぬいぐるみにも...全文を読む


第1088回

第61章

  警部は、マルグリートの日記帳を全員の前でひろげた。 ドクトゥールは、それを見ると、沈んだ顔つきになった。アレクサンドリーヌは震えだし、椅子の背もたれの方に寄りかかった。ロジェとオーギュストはノートの方をじっと見つめたままだった。「・・・確かに、クリストフのようですね」ロジェが言った。「Chrisから始まる名前はいろいろあるけど、pらしい文字がある。姓のおしまいはsonですね。何とかソンという名字...全文を読む


第1089回

第61章

  ゴーティエは、思わずかっとなって立ちあがった。「きみに何がわかる、リネット?」 アレクサンドリーヌは、兄が珍しく感情的になったので、ほほえみを引っ込めた。「わたしは、8つの時に母を亡くし、17の時に祖父を亡くした。まだ大人とはいえない年齢だというのに、経済観念が全くなかった父の代わりに、この屋敷と、小さかった妹たちの責任者になったんだ!」ゴーティエは感情的に言った。「この家の経済状況は、目も当て...全文を読む


第1090回

第61章

  ゴーティエは軽くうなずき、続けるように促した。「・・・実は、シャルロットは、エマニュエルの本当の娘なんです・・・」 ゴーティエは、どんなことを聞かされても驚くまいと思っていた。しかし、義弟が話し始めたことは、彼の想像の範囲を超えていた。 ドクトゥールは、彼が驚く顔を見ながら、こう続けた。「エマニュエルも、それを知っています。ただ、シャルロットとコルネリウスは何も知りません。・・・いきさつを、最初...全文を読む


第1091回

第61章

  ゴーティエは、車から老婦人が降りてくるのに手を貸した。かの女は、優雅に車から降りてきた。かの女はしばらく家の方を見つめていたが、ゴーティエに目を移し、流れるような動作でお辞儀をした。「お久しぶりね、ゴート。お元気だった?」かの女はそう言いながら右手をさしだした。 ゴーティエは、かがみこんでその指先にそっと唇をあてた。「お変わりありませんか、マダム=スタニスワフスカ?」「そうね、変わらないわね。た...全文を読む


第1092回

第61章

  ゴーティエは、話の内容は耳に入らなかった。スタニスワフスカ夫人の話し方は、かの女の母親を思わせた。スタニスワフスカ夫人の母親は、ゴーティエの祖母の妹にあたる。二人は双子の姉妹だった。未亡人になったあと、かの女はこの屋敷に住んでいた。ゴーティエは、祖母と大叔母にかわいがられて育った。その二人も、父親の再婚後、相次いで亡くなってしまったが・・・。彼は、ぼんやりと大叔母のことを思い出していた。 ドクト...全文を読む


第1093回

第61章

 「でも、マルセルは怒り心頭に発していました。彼は、執拗にシャルロットを追い出せと口にするようになりました」スタニスワフスカ夫人は悲しそうに言った。 それを聞いて、マルセルは言い訳をするような口調でこう言った。「・・・あのときは、頭に血が上っていたからね。すまないことをしたと思っている」 マクシミリアンだけは顔を背け、むっとしたような表情を隠さなかった。「あのときは本気でそう言ったかもしれない。だが...全文を読む


第1094回

第61章

  一同は静まりかえった。「・・・シャルロットがポーランドに着いたあとになっても、ナターリアは定期的に手紙をよこしてくれたわ。シャルロットの近況を報告する手紙をね。やがて、運命の手紙が届いたの。シャルロットは自分の娘ではなく、1907年7月に亡くなったいとこの娘ではないのか、という報告を受けたという内容の手紙が。わたしがずっと恐れていた日がついに来たんです。だけど、その手紙の最後にナターリアがこう書...全文を読む


第1095回

第61章

  スタニスワフスカ夫人は黙ってうなずいた。かの女の目からも、涙がふたすじこぼれ落ちた。「・・・軽率だった」マルセル=シャグランが小さな声で言った。「かの女は、あれからずっと苦しんでいたんだね?」 スタニスワフスカ夫人はもう一度うなずいた。「わたしにも、謝る機会があればよかったのに」彼がつぶやいた。「もし、かの女があなたを見かけていたら、あなたにも謝ったんじゃないかしら。息子さんのことはすまなかった...全文を読む


第1096回

第62章

  シルヴィー=ペリゴールは、戦争が始まったあともスフロ家にいた。 戦争が始まり、スフロ家にも変化が起こっていた。軍人だったアンドレ=スフロ少佐が戦場に行ったのはもちろんだったが、士官学校を卒業したてのアントワーヌ=ダルディ少尉も戦争が始まるなり招集がかかって出て行った。そういうわけで、スフロ家には夫を戦場に送ったダニエル=スフロと、婚約者を送り出したシルヴィー=ペリゴールの二人だけが残されたのであ...全文を読む


第1097回

第62章

  スフロ夫人は、初めてブリューノに会ったとき、驚きを隠せなかった。シルヴィーの子どもにそっくりだったからである。スフロ夫人の目から見て、子どもは母親とうり二つだった。栗色の髪ばかりではなく、顔全体の作りがシルヴィーとそっくりだった。これほど父親も似ない子どもも珍しい、と思うくらい、アントワーヌを思わせるところがなかった。シルヴィーとブリューノは、目の色以外はそっくりだった。もし、子どもの目の色がグ...全文を読む


第1098回

第62章

 「・・・ドクトゥール! あなたは、まさか、無理を承知でコンサートを認めたとおっしゃるんですか?」「そうだ」医者が答えた。「でも、どうして?」「わたしが反対したとして、聞くような人だと思うかい?」「・・・いいえ、思いません」 二人はまた沈黙した。 小鳥が一羽、藪の中から飛び出して飛んでいった。ブリューノはとっさにそちらを見たが、視線を医者に戻した。「あのひとの最後の願いだとしたら、聞かないわけには行...全文を読む


第1099回

第62章

  ヴァージニア=アッシュは、<フィラデルフィア=ジャーナル>を持って駆け込んできた。かの女は、庭でバラを見ていた二人の少女に向かって叫んだ。「フランシス号のニュース、聞いた?」 キャスリーン=マンスフィールドは、首を横に振ってシャルロットの方を見た。「いいえ、知らないわ。シャル、あなたは?」「知らないわ」シャルロットも答えた。 ヴァージニアは二人の前で新聞をひろげた。「フランシス号というイギリスの...全文を読む


第1100回

第62章

  ヴァージニアとキャスリーンは、あ然としたようにシャルロットを見つめた。 シャルロットは、冷たい視線をかの女たちに送ったあと、また新聞を見つめた。 シャルロットがこれ以上発言するつもりがなさそうなのを見て、ヴァージニアとキャスリーンは再び会話を始めた。潜水艦が悪い。どうして民間船が沈められたのだ?・・・かの女たちは会話に夢中になっていた。 シャルロットは、自分の意識からその会話を閉め出した。かの女...全文を読む


6月30日の日記

備忘記録的なもの

 タイトルが何も思い浮かばなかったので、「まだ(?)どんな一日になるかはっきりしない朝の時間に、このタイトルで日記?」という次第です。小説ブログ側のサーバー移設も無事に(?)終わったようです。<euc=jp>が勝手に<utf=8>に置き換わるだろう、とは思っていたのですが、全部ではないみたいなので何か変な感じです。(そういう言い方をするから、上司にしかられるんですよね、「日本語が変だ」と。当日使っていたテンプ...全文を読む

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