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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2012年08月  】 更新履歴 

  08.01.  【 第63章 】  第1132回   さわりを読む▼
  08.02.  【 第64章 】  第1133回   さわりを読む▼
  08.02.  【 備忘記録的なもの 】  魚 サカナ さかな♪   さわりを読む▼
  08.03.  【 第64章 】  第1134回   さわりを読む▼
  08.04.  【 第64章 】  第1135回   さわりを読む▼
  08.05.  【 第64章 】  第1136回   さわりを読む▼
  08.06.  【 第64章 】  第1137回   さわりを読む▼
  08.07.  【 第64章 】  第1138回   さわりを読む▼
  08.08.  【 第64章 】  第1139回   さわりを読む▼
  08.08.  【 備忘記録的なもの 】  父が教えてくれたこと   さわりを読む▼
  08.09.  【 第64章 】  第1140回   さわりを読む▼
  08.10.  【 第64章 】  第1141回   さわりを読む▼
  08.11.  【 第64章 】  第1142回   さわりを読む▼
  08.12.  【 第64章 】  第1143回   さわりを読む▼
  08.13.  【 第64章 】  第1144回   さわりを読む▼
  08.14.  【 第64章 】  第1145回   さわりを読む▼
  08.15.  【 第64章 】  第1146回   さわりを読む▼
  08.15.  【 備忘記録的なもの 】  <コイツ>   さわりを読む▼
  08.16.  【 第64章 】  第1147回   さわりを読む▼
  08.17.  【 第64章 】  第1148回   さわりを読む▼
  08.18.  【 第64章 】  第1149回   さわりを読む▼
  08.19.  【 第64章 】  第1150回   さわりを読む▼
  08.20.  【 第64章 】  第1151回   さわりを読む▼
  08.21.  【 第64章 】  第1152回   さわりを読む▼
  08.22.  【 第64章 】  第1153回   さわりを読む▼
  08.23.  【 第65章 】  第1154回   さわりを読む▼
  08.24.  【 第65章 】  第1155回   さわりを読む▼
  08.25.  【 第65章 】  第1156回   さわりを読む▼
  08.26.  【 第65章 】  第1157回   さわりを読む▼
  08.27.  【 第65章 】  第1158回   さわりを読む▼
  08.28.  【 第65章 】  第1159回   さわりを読む▼
  08.29.  【 第65章 】  第1160回   さわりを読む▼
  08.30.  【 第65章 】  第1161回   さわりを読む▼
  08.31.  【 第65章 】  第1162回   さわりを読む▼


第1132回

第63章

  そのとき、部屋の中が急にどよめいた。 フリーデリックも目を開け、部屋の中に入ってきた女性を見つめた。 その女性は、灰色の服に身を包んでいた。そのゆったりとした服は、修道女が着ている服を連想させた。かの女は、部屋中の人たちに挨拶したあと、フリーデリックに近づいてきた。「・・・この方ですね?」かの女は柔らかなコントラルトの声でルイ=フィリップに言った。 ドクトゥールはうなずいた。 かの女はドクトゥー...全文を読む


第1133回

第64章

  1915年12月24日の夜、研究所の歴史にあたらしい項目が加わった。 この日をもって、ルイ=フィリップは自分の本名を公開し、アレクサンドリーヌを自分の妻と認めた。彼は元々<ドクトゥール>と呼ばれていたので、彼の本名がどうであろうと研究員たちには何も影響はなかった。問題は、アレクサンドリーヌ夫人の方だった。かの女は10年以上看護師をしていたが、医者の資格も持っていた。かの女自身は、看護師を続けるつ...全文を読む


魚 サカナ さかな♪

備忘記録的なもの

 ひまわりのテンプレートも気に入っていたのですが(なんせ、1年越しの衣替えですから! 第二部の最後にこれを使いたかったです。未だに残念でなりません)、初志貫徹。会社のお昼休みに、のぞきに行った管理画面で発見して、お昼休み中に着替えてしまいました。ホント、すごいテンプレートですね。(お昼休み中に着替えた理由は、会社のパソコンがFirefoxだったからです。特にこれといった不自然な点はなかったように思います---...全文を読む


第1134回

第64章

 「・・・もしかして、それから、誰も恨まずに生きてきたんですか?」 アレクサンドリーヌは泣きながらほほえんだ。「まさか、そんなことができるはずはないでしょう?」 フリーデリックは真面目な顔でうなずいた。「でも、許しました。そうしなければならないからです」アレクサンドリーヌは言った。「わたしのかわりに死んだ人がいるんです。わたしは、彼の分も誠実になりたいんです」 フリーデリックはシャロンという男性の新...全文を読む


第1135回

第64章

  フリーデリックは、研究所に<秩序>らしきものがあった頃のことは知らない。彼は、研究所が大きく変わろうとしているその最中に飛び込んできた。 研究所のクリスマス休暇は、12月25日の昼から始まる。12月24日<家族の日>を過ごし、一晩中騒ぎ(もちろん、騒がない人間も存在するが)仮眠を取ったあと、研究員たちは2週間の休暇に入るのである。中には、アンブロワーズ=ダルベールのように研究所を我が家にして住み...全文を読む


第1136回

第64章

 「それはまずいことをしたな」ドクトゥール=ノヴァークが顔をしかめた。「ドクトゥールは、リネットさんをとっても愛しておられる。これが知れたら、ドクトゥールに殺されるな」 フリーデリックは慌てて口を開こうとした。そのとき、隣にいたオーギュストが彼の袖を引っ張った。「この連中の冗談は、過激なんだ。気にしないでくれ」 フリーデリックは驚いたように全員を見た。「冗談・・・?」 研究員たちは全員ふきだした。「...全文を読む


第1137回

第64章

  フリーデリックは、研究所の休み明けの前日、ブーローニュに帰った。パリに戻るオーギュストとシャンベリーに向かうロジェが途中まで同行した。ひょんなことから知り合いになったこの二人の作曲家の卵たちは、この後もずっと友情を保ち続けることになる。 さて、シャンベリーに行ったロジェであったが、彼は警察の立ち会いの下、日記帳を全部読んだ。というのは、このとき、日記帳は押収されたままだったのだ。ゴーティエ=ド=...全文を読む


第1138回

第64章

  ドクトゥールは思い出していた。姉のクラリスの二人の子どもたちに共通する名前。兄がステファーヌ、妹がステファニー。それは、エマニュエルの父親の名前だと聞いていた。エマニュエルはアレクサンドリーヌの母親違いの兄だ。エマニュエルとアレクサンドリーヌは、父親のすみれ色の目を受け継いだ。そして、スティーヴンは彼らと同じ目をしている。スティーヴンを見て、アレクサンドリーヌを連想したことが何度あっただろう。「...全文を読む


第1139回

第64章

  夕食後、ルイ=フィリップは、いつものように若者たちがカルヴァドスを飲みながら話をしているのをお気に入りの椅子に座って眺めていた。大学に通っている人たちが、学校の話をしていた。ルイ=フィリップが知らない学生の話題が飛び交っていたので、彼は目を閉じて考え事をしていた。そのうち、本当に眠ってしまったようだった。彼が目を覚ましたとき、あたりにはほとんど人がいなかった。暖炉の火が小さくなっていて、毛布が掛...全文を読む


父が教えてくれたこと

備忘記録的なもの

 作曲するうえでの規則の一つに、「同じメロディーを3回繰り返してはいけない」というものがあります。その禁則を逆手にとって、何かコミカルなものを表現したいとき、わざとこの方法をとることがあります。あまりいい例じゃないのかもしれませんが、NHKの朝ドラ「梅ちゃん先生」で、父親の登場するシーンに流れる軍歌調の音楽の「最後の部分」がこれで、初めてこの音楽を聴いたときから、この音楽に興味を持っていました。(わざ...全文を読む


第1140回

第64章

  スティーヴンは小さくため息をついた。「・・・イングランドに戻った曾祖母は、自分が身重であることに気づきました。かの女の両親は、それを知ると、かの女を監禁同様にしてしまったんです。これもよくある話です。そういう女性は、決してまともな結婚をすることはできません。かの女は、それでも、両親の目を盗んで恋人に手紙を出しました。彼の恋人は、イングランドまでかの女を追いかけてきて、かの女の両親に結婚を申し込ん...全文を読む


第1141回

第64章

  ドクトゥール=ダルベールはなぜかうっとりした表情のまま言った。「・・・シューベルトだね?」「ぼくは、音楽のことはよくわかりません」スティーヴンは残念そうに答えた。 ルイ=フィリップは彼らを不思議そうに見つめていた。アンブロワーズ=ダルベールはフランショーム一族だから、人並み以上に音楽をたたき込まれて育ったのは確かだ。《ロザムンデ》というタイトルからシューベルトを結びつけたのがいい証拠だ。逆に、ス...全文を読む


第1142回

第64章

  クリストファー=テニスンは、カーンで入院施設もない小さな診療所を開いていた。病院を大きくすることなど考えず、ひたすら仕事をしている---ということが、その建物からも伝わってくる。アレクサンドリーヌは建物の中に入った。「ドクトゥールは往診中です。ここでお待ちになりますか?」まだ40前くらいの女性が優しく訊ねた。 アレクサンドリーヌは、患者と間違えられたのだと気づいた。そして、口を開こうとしてその女性...全文を読む


第1143回

第64章

  ローズメアリーは小さくため息をついた。「彼の子どもたちの中で、音楽に興味を持ったのはわたしだけでした。だから、わたしは、彼の秘密を知っています。彼は、シューベルトの<ロザムンデ>を、それはそれは愛しそうに演奏していました。なぜその曲なのかを問いただせたのは、家族の中でわたしだけです。彼が生涯に愛した女性は、ロザムンデさんただ一人だけでした。彼は最後までかの女のことを気にかけていました。かの女は、...全文を読む


第1144回

第64章

  クリストファーはその言葉を聞くと、一瞬ひるんだ。「何があったの? なぜ、あなたのお姉さま---わたしのもう一人のおばさま---は、わたしたちを養父母にしようと思ったの?」ローズメアリーはアレクサンドリーヌに優しく訊ねた。 アレクサンドリーヌはハンカチを握りしめた。「あなたとドクトゥールは、愛し合っていたんでしょう?」ローズメアリーはたたみかけた。 アレクサンドリーヌはローズメアリーをじっと見つめた。や...全文を読む


第1145回

第64章

  アレクサンドリーヌは意外そうな表情を浮かべた。「彼は、まるまると太った、健康そうな赤ん坊でした。わたしは、子どもを見たとき、祖母のことを思ったんです。愛し合っていながら結婚できなかったかわいそうなカップルのことを・・・。この子は、きっとそんな事情で生まれた子どもなのだ。そして、母親はぎりぎりまで子どもを捨てるのをためらっていた・・・そう思いました」 クリストファーは目を閉じた。「子どもを抱き上げ...全文を読む


第1146回

第64章

  その日の晩、ルイ=フィリップはアレクサンドリーヌが帰ってくるのを待っていた。ドクトゥール=ダルベールが自室に戻ったあと、彼はスティーヴンの宿題につきあっていた。スティーヴンは、大学に提出するレポート作成に行き詰まり、彼に助言を求めていたのである。そこにジルベール=ロシュフォールがやってきたため、3人の会話はいつの間にか雑談に変わっていた。3人は、ドイツ軍の化学兵器---すなわち毒ガスの話をしていた...全文を読む


<コイツ>

備忘記録的なもの

 今日発表の第1146回で、ルイ=フィリップ=ド=ルージュヴィル(主人公の叔父。原作では主人公の父親)が亡くなってしまったわけですが、考えてみるとこの人物とも長いつきあいでした。こんな死に方(と言った理由は、たぶんもうちょっと後---たぶん、10月頃?---の記事でおわかりだと思いますので、今日はネタバレはしませんが)をさせるには絶対にもったいない人物なのですが・・・。(だと思ったら、こんな死に方をさせるべきで...全文を読む


第1147回

第64章

  アレクサンドリーヌは、ドクトゥール=ド=ラ=ブリュショルリーの死で大騒ぎになっている研究所に戻ってきた。かの女は、門番から騒ぎの理由を知らされた。それで、かの女は、きづたの家ではなく、研究所の方にまっすぐ歩き出した。そして、警察官たちの制止を振りきり、中に入った。かの女の目的はただ一つ、スティーヴン=ビショップ=テニスンを探すことだった。 スティーヴンとアンブロワーズ=ダルベールは図書室のドアを...全文を読む


第1148回

第64章

  アレクサンドリーヌは弱々しくほほえんだ。「ドクトゥール=テニスンと奥さまは、二人ともお元気よ」 ダルベールは顔を上げた。「わたしは、彼らのところから来ました。彼らは、わたしに大事な秘密を打ち明けて下さいました。それは、彼らの一番上の息子さんのことです」アレクサンドリーヌが言った。そして、不思議そうに見つめる二人にこう言った。「彼らは、一番上の息子さんが、自分たちの本当の子どもではないと打ち明けて...全文を読む


第1149回

第64章

 『・・・愛してるよ』スティーヴンの耳には、彼の声が残っていた。彼は、知っていたのだ。自分の死が近いことを。息子がそばにいてくれることを・・・。 アレクサンドリーヌは、自分たちの過去を話し始めた。自分たち姉妹のこと。ルイ=フィリップとアルトゥールの奇妙な友情のこと。自分とルイ=フィリップが周囲の反対を押し切って結婚したこと。初めての子どもを誘拐されたこと。生まれたばかりの子どもを必死で生かそうとした...全文を読む


第1150回

第64章

  それを聞くと、スティーヴンの顔にも不自然な笑いが浮かんだ。ダルベールは、奇妙なことに、その表情からドクトゥール=ド=ラ=ブリュショルリーを思い出した。スティーヴンとドクトゥール=ド=ラ=ブリュショルリーがこんなに似ていたなんて、今まで気づかなかった。「・・・ブルーの目をしていないザレスキー一族、か・・・」ダルベールはスティーヴンの目を見た。 スティーヴンは、涙がたまった目をダルベールに向けた。 ...全文を読む


第1151回

第64章

  エリヴァン刑事はびっくりしたようにダルベールを見つめた。その顔が、苦笑しているようにゆがんできた。「・・・あなたは、根に持つタイプのようですね、ドクトゥール=ダルベール」 ダルベールはすまして答えた。「おわかりのとおり、ぼくは、記憶力がいいんですよ」 エリヴァンは顔をしかめたが、こらえきれずに笑い出した。「・・・これは失礼しました。よく覚えておきましょう」 ダルベールは一緒に笑い出さないように、...全文を読む


第1152回

第64章

  年上の方の弁護士は、バッグの中から封筒を二つ出した。そして、そのうちの一つの封を切った。中には、紙が一枚入っているだけだった。「ルイ=フィリップ=フランソワ=グザヴィエ=アントワーヌ=ド=ルージュヴィル氏は、きわめて短い遺言状を残しました」そう言うと、彼はちょっと困ったような表情を浮かべた。そして、すぐに厳粛な表情に戻った。「朗読します。《私、ルイ=フィリップ=ド=ルージュヴィルは、以下の証人の...全文を読む


第1153回

第64章

  アレクサンドリーヌは首を振った。「ぼくたちが仲良くすることに、あなたは反対なのですか?」スティーヴンが訊ねた。「でも、あなたは・・・」アレクサンドリーヌは言いかけた。「ぼくは、彼の息子です。彼は、死ぬ間際に、ぼくに『愛している』と言ってくれました」スティーヴンは優しく言った。「彼は、最後にぼくの名前を呼びました。ぼくには、それでじゅうぶんです。ぼくは、彼のただ一人の息子なのです」「そうよ、あなた...全文を読む


第1154回

第65章

  1915年9月に<アンダースンズ=ハウス>を飛び出したあと、シャルロットはニューヨークに向かった。アメリカには、親戚が2軒しかない。そのうちの1軒を訪ねたのである。リディア=ハンプトン夫人。かつての養母ナターリア=チャルトルィスカの実の姉にあたる女性である。 ザレスキー一族と呼ばれる人たちは、大きく分けると二つの系統に分けられる。彼らの共通の先祖、アグニェシカ=ザレスカには二人の子どもがいた。そ...全文を読む


第1155回

第65章

  シャルロットがハンプトン家を訪れた日、ハンプトン家は混乱のさなかにあった。 そこは、ニューヨーク郊外の住宅地だった。みどりの屋根に白い壁の目立たない小さな家。小さな庭に、ペンキの色がはげた小さなブランコが一つあった。芝生の手入れはあまりされていないようだ。どちらかというと荒れた感じの庭だった。門は開いており、シャルロットはまっすぐ玄関に行き、ドアをノックした。 中から、不機嫌そうな声がした。「わ...全文を読む


第1156回

第65章

  シャルロットはそこまで朗読すると顔を上げた。ハンプトン夫人は苦しげにかの女を見つめていた。「・・・まさか!」シャルロットの声はふるえていた。「続けなさい」ハンプトン夫人は真っ青になっていたが、かの女に続きを促した。 シャルロットは手紙をテーブルの上に戻した。「いいえ・・・いいえ・・・」 そして、シャルロットは堰を切ったように泣き出した。 ハンプトン夫人は、シャルロットが《おかあさま》とつぶやきな...全文を読む


第1157回

第65章

  ヴィンツェンティとリディアは、アメリカに行く船の中で知り合ったポーランド人を介して、ポーランド系の人たちが集まる地区に住み、そこで仕事を手に入れた。しばらくすると、ヴィンツェンティはそこでの快適な生活に対して疑問を持つようになった。そこでは、ポーランド語で生活ができた。そこそこの暮らしもできる。しかし、それだけでは彼は満足できなかったのである。彼は、もっと別の世界に触れたかった。そのために、まず...全文を読む


第1158回

第65章

  それは、まさに人生を変える出会いだった。リチャードは弁護士事務所に就職が決まった時点でリディアと結婚した。リチャードは《35歳くらいで結婚し》以外、計画通りの人生を歩んだ。二人の間にはリチャード=フレデリックという男の子が誕生し、まさに幸せのただ中にいるように思えた。ところが、リディアが二人目の子どもを流産したとき、彼らの人生の歯車が微妙にずれ始めた。そのころから、リディアの体調がすぐれなくなっ...全文を読む


第1159回

第65章

  シャルロットは、自分のこれまでの人生をハンプトン夫人に話した。ナターリアとの関係はすでに説明したので、そのほかのこと、たとえば手紙に出てきた元チャルトルィスキー家の人たちとの関わりを説明した。それから、かの女はアファナーシイとヴィトールドとの微妙な関係を話した。 それから、シャルロットはチャルトルィスキー家を出てからの話をした。フランスで、自分の過去がわかったこと。いとこから<婚約指輪>をもらっ...全文を読む


第1160回

第65章

  リディアとリチャードが結婚したとき、ヴィンツェンティの夜間大学でのカリキュラムは、あと一年分残されていた。それまで、ヴィンツェンティとリディアは、二人の給料で生活していた。しかし、リディアの協力が期待できなくなり、ヴィンツェンティは勉強を続ける資金を得るため、転職を考えた。彼は、シュトックマン商会という小さな会社で働き始めた。その会社の社長アンソニー=シュトックマンは、リチャード=ハンプトンの友...全文を読む


第1161回

第65章

  ヴィンツェンティ=スクロヴァチェスフキーは、彼を知る誰もが口をそろえて言うように、勤勉な青年だった。彼のこれまでの人生は、<努力>という言葉から成り立っていると言っていいものだった。その一方で、彼は熱心なカトリック教徒だった。彼は、アメリカに来て以来、ほとんど毎日のように教会に行っていた。彼の一日は、教会の朝のミサから始まるようなものだった。 ところで、その教会には、やはり毎朝通っている熱心な人...全文を読む


第1162回

第65章

  ビーチ夫妻は、娘が気まぐれであることをよく承知していたので、かの女が本気で彼のことを考え続けるとは思っていなかった。しかし、何年も経つうちに、どうやら今回だけは本物だということがわかりかけてきた。彼らはヴィンツェンティのことを調べ上げた。そして、移住してきた貧乏なポーランド人だとわかると、娘の夫としてはふさわしくないという結論に達した。彼らは、ヴィンツェンティを無視するという行動に出た。 ところ...全文を読む

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