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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2012年10月  】 更新履歴 

  10.01.  【 第67章 】  第1193回   さわりを読む▼
  10.02.  【 第67章 】  第1194回   さわりを読む▼
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  10.07.  【 第67章 】  第1199回   さわりを読む▼
  10.08.  【 第67章 】  第1200回   さわりを読む▼
  10.09.  【 第67章 】  第1201回   さわりを読む▼
  10.10.  【 第67章 】  第1202回   さわりを読む▼
  10.11.  【 第67章 】  第1203回   さわりを読む▼
  10.11.  【 備忘記録的なもの 】  こうなりゃ、やけ?   さわりを読む▼
  10.12.  【 第67章 】  第1204回   さわりを読む▼
  10.13.  【 第67章 】  第1205回   さわりを読む▼
  10.14.  【 第67章 】  第1206回   さわりを読む▼
  10.15.  【 第67章 】  第1207回   さわりを読む▼
  10.15.  【 備忘記録的なもの 】  にわとり以下   さわりを読む▼
  10.16.  【 第67章 】  第1208回   さわりを読む▼
  10.17.  【 第67章 】  第1209回   さわりを読む▼
  10.18.  【 第67章 】  第1210回   さわりを読む▼
  10.19.  【 第67章 】  ★第1211回   さわりを読む▼
  10.20.  【 第68章 】  第1212回   さわりを読む▼
  10.21.  【 第68章 】  第1213回   さわりを読む▼
  10.22.  【 第68章 】  第1214回   さわりを読む▼
  10.23.  【 第68章 】  第1215回   さわりを読む▼
  10.24.  【 第68章 】  第1216回   さわりを読む▼
  10.25.  【 第68章 】  第1217回   さわりを読む▼
  10.26.  【 第68章 】  第1218回   さわりを読む▼
  10.27.  【 第68章 】  第1219回   さわりを読む▼
  10.28.  【 第68章 】  第1220回   さわりを読む▼
  10.29.  【 第68章 】  第1221回   さわりを読む▼
  10.30.  【 第68章 】  第1222回   さわりを読む▼
  10.31.  【 第68章 】  第1223回   さわりを読む▼


第1193回

第67章

  ジグマンドが戻ってきて、屋敷には妙な緊張感が漂うようになった。「ウラディさまとジーグさまは、昔から仲が悪い兄弟でした」もうすでに日課になっている午後のお茶の時間に、家政婦長のブリッジ夫人がシャルロットに言った。「いいえ、喧嘩ばかりしていたというのではないのです。ほとんど口をきかなかった、という関係です」 たまたま一緒にお茶を飲んでいた執事のスミスが、警告するようなまなざしを送った。 しかし、かの...全文を読む


第1194回

第67章

  シャルロットは驚かなかった。もし、ジグマンドにウラディーミルという兄がいなかったら、彼は父親のように聖歌隊に入り、そのボーイ=ソプラノでさぞもてはやされたことだろう。しかし、彼は、兄と比較されたばかりに、せっかくのその声を生かすことはできなかった。彼に音楽の才能がなかったわけではない。兄が偉大すぎたのだ。 たぶん、その逆も当てはまるだろう。もし、ウラディーミルにジグマンドという弟がいなかったら、...全文を読む


第1195回

第67章

  シャルロットは立ちあがった。「・・・そろそろ、時間だわ。ごちそうさまでした」 ブリッジ夫人はほほえんでうなずいた。「もう行くの?」ジグマンドはかの女を見上げた。「ウラディと練習する時間だわ」シャルロットが答えた。 ジグマンドも立ちあがった。「居間に行くの?」 シャルロットはうなずき、早足で部屋から出た。 ジグマンドは追いかけた。「ウラディにはかかわるな、って言ったよね?」彼はかの女に追いつき、肩...全文を読む


第1196回

第67章

 「大丈夫?」シャルロットはもう一度訊ねた。 ジグマンドは目を開け、シャルロットを見つめた。そのまなざしは、頼りなさそうだった。彼は、ちいさな子どものように必死にシャルロットの手を探していた。シャルロットの左腕をつかむと、彼はやっと安心したような表情になった。「・・・お願い、しばらく、ここにいて・・・」 シャルロットはちいさくうなずいた。昔、フェリックス=オルシャンスキーがよく見せた表情だ。いたずら...全文を読む


第1197回

第67章

  ジグマンドは弱々しい声で言った。「ミセス=ブリッジ、あなたも、スミスさんの背中の傷を見せてもらったことがあるんですか?」 そのとたん、ブリッジ夫人は真っ赤になった。そして、口ごもりながら言った。「・・・この人は、若い頃は、酔っぱらうと自慢げに背中の傷を見せて回ったものです」「そして、あなたは、そんな彼をかっこいいと思った・・・?」ジグマンドは冷やかすように言った。「いいえ」ブリッジ夫人はぴしゃり...全文を読む


第1198回

第67章

  シャルロットは、ブリッジ夫人のことを考えた。かの女は、ブリッジ夫人個人のことをあまり知らないことに気がついた。かの女は、屋敷で起こったこと、起こっていることをシャルロットに話した。しかし、かの女は自分自身について語ろうとはしなかった。ブリッジ夫人は自分がポーランド系の両親の元に生まれたことは話したが、何人兄弟かということは話さなかった。夫に死なれたことは話しても、彼がどんな人かということを話した...全文を読む


第1199回

第67章

  翌日も、シャルロットとブリッジ夫人はいつものようにお茶を飲んでいた。 シャルロットは、ブリッジ夫人に訊ねてみた。「・・・あなたのご主人の暴力は、とてもひどかったんですか?」 突然のことに、ブリッジ夫人はお茶にむせた。「ごめんなさい、変な質問をしてしまって」シャルロットは心からわびた。 ブリッジ夫人はしばらく黙っていた。それから、かの女はこう訊ねた。「・・・お嬢さまは、おいくつになられました?」「...全文を読む


第1200回

第67章

 「・・・わたしは、決してそんなことはしない」 その声で、二人の女性はドアの方を見た。 ジョージ=スミスは涙ぐんでブリッジ夫人を見つめていた。「あなたが望むなら、わたしはあなたに一指たりとも触れることはしません。この命にかけて、誓います」 そして、彼はブリッジ夫人の足元にひざまずいた。「こんなつらい経験をしたあなたを、もう一度苦しめたくはありません。あなたが望まないことは、決して求めません。わたしを...全文を読む


第1201回

第67章

  ブリッジ夫人はシャルロットの方を見た。それから、スミスに目を移した。「若いお嬢さんがいるところで話す話題じゃないとは思うんだけど」ブリッジ夫人が口を開いた。「結婚するというのは、いろいろな意味を持つできごとよ。一緒に生活し、苦楽をともにする。子どもを育て、一人前にする・・・。もっとも、わたしとミスター=スミスの間に、これから子どもが授かるとは思えないけど」 シャルロットは神妙な顔をした。「でも、...全文を読む


第1202回

第67章

  シャルロットはおずおずと言った。「・・・痛いのは、はじめだけじゃないんでしょう? たしか、あなたの話ではそうだったと思うんだけど」 ブリッジ夫人はうなずいた。「ええ。その通り。でも、いつも同じように痛いというわけじゃないの。初めてのときは、とくに痛いのよ。どうしてかというと・・・」 かの女は真っ赤になって口ごもった。 スミスは優しく言った。「子どもを身ごもるためには、男性の協力が必要だからです」...全文を読む


第1203回

第67章

 「ミスター=ストックマン=スクロヴァチェフスキー、わたしは、返事した覚えは・・・」ブリッジ夫人は慌てて顔を上げた。「21年とは言わず、今すぐにでもイエスと言いたまえ、ミセス=ブリッジ」ヴィンツェンティはほほえんで言った。 ブリッジ夫人は真っ赤になった。「できたら、そうしてもらいたい」スミスは真剣に言った。 シャルロットもうなずいた。 ヴィンツェンティは笑い出した。「・・・うむ。多数決で決定だな」 ...全文を読む


こうなりゃ、やけ?

備忘記録的なもの

 このところ、まとまった時間がなかなかとれなかったこと(だけが原因ではないのでしょうが・・・)もあって、どのブログもほぼ放置状態っぽくなっておりました。先日、未来の日付の記事がらみのカスタマイズに失敗して以来、なんか全体に中途半端状態。もともと未来日付の記事で公開しているものは、例の「癒されない系サイト」?のトップページだけですが(これも使いにくいブログなので、どこかにお引っ越ししたくているのですが...全文を読む


第1204回

第67章

  執事と家政婦長が結婚するとなると、簡単な話ではすまなかった。彼らが新婚旅行に行ってしまうと、屋敷が混乱するのは目に見えていたからである。彼らは、結婚予告を出し、3ヶ月後の9月に結婚式を挙げることが決まった。ヴィンツェンティは、新婚旅行として、彼らに3週間のカナダ旅行をプレゼントした。本当は1ヶ月と提案したのだが、彼らが留守して屋敷が機能するのは3週間が限度だと、彼ら自身が判断したのである。 とこ...全文を読む


第1205回

第67章

  ヒラリーが辞めたあとになって、シャルロットはブリッジ夫人に事件の真相をたずねた。かの女は、ブリッジ夫人が話してくれないつもりだと思っていた。しかし、ブリッジ夫人は用心深そうにあたりを見、部屋に鍵をかけたうえ、シャルロットの隣の席に移動した。「あなたにお話ししておきたいことがあるの」ブリッジ夫人は、まるで立ち聞きを恐れるかのような小さな声で言った。「本当は、結婚前のお嬢さんに話すべきことじゃないの...全文を読む


第1206回

第67章

  シャルロットは、そう言い終えたとき、ブリッジ夫人のほおが少し赤くなったことに気づいていた。「・・・でも、人間は、せっかくの神様からのプレゼントを悪用することを覚えてしまったのです」ブリッジ夫人は顔をくもらせた。「その<儀式>の心地よさを覚えた人間は、神さまが定めたパートナー以外の人と、それを試すようになったのです」「・・・浮気する男性がいるのは、そのためなんですね」シャルロットが言った。「そうね...全文を読む


第1207回

第67章

  シャルロットがあまりにも気落ちしているように見えたので、ブリッジ夫人が言った。「もちろん、わたしの推測が正しいかどうかはわからないわ。もっと深い事情があったのかもしれない。本当のところはよくわからないの。でも、こういう場合、一方的に女性だけが悪者にされてしまうのよ。ふしだらな女性だ、と中傷されてしまうの。かの女が本当はどんな子なのかは、みんな知っているわ。それでも、その噂は、かの女につきまとって...全文を読む


にわとり以下

備忘記録的なもの

 ちかごろ(?)どうも忘れっぽくていけません。小さい頃から記憶力の良さだけが取り柄だと思っていたのですが、(なので、未だにメモの取り方が下手なんです・・・)ここのところ物忘れがひどい。薬の副作用だと思いたいのですが・・・。俗に「にわとりは三歩歩くと・・・」といいますが、三歩どころか立ち上がったとたんに「なんだっけ?」状態。さっきも、NovelTemplate管理人さんのブログに行ったのはいいのですが、新しいテン...全文を読む


第1208回

第67章

  シャルロットは、ウラディーミルと一緒にショパンの2番のコンチェルトの練習をしていた。手応えが感じられる。このまま何もハプニングがなければ、彼は一位になれるはずだ。シャルロットはそう思い、ウラディーミルにもそう告げた。 これで自分のこの家での仕事は終わったと思ったシャルロットは、シュトックマン=スクロヴァチェフスキー氏と話し合うことにした。 コンクールが終わったらこの屋敷を出て行きたいという希望を...全文を読む


第1209回

第67章

  そう言ったときのヴィンツェンティの表情は、どこかうらやましげだった。「ウラディは、これまで、一度も誰かに興味を持ったことはない。彼には、恋人どころか同性の友人さえいない。音楽家としては大成しても、孤独な人生を歩んでいくのかと思っていた。世の中には、そういう孤独な芸術家はたくさんいる。恋をするにはエネルギーが必要だし、家庭を営むにもエネルギーがいる。しかし、孤独な芸術家は、人生の何事においてもエネ...全文を読む


第1210回

第67章

  その翌日の朝、シャルロットは新聞で事件を知った。シカゴ国際ピアノコンクールの優勝者ウラディーミル=ストックマン=スクロヴァチェフスキーが、演奏直後から行方不明になっている。このままでは、授賞式も受賞記念コンサートもできない状態だ・・・。 シャルロットは新聞をテーブルに置いた。かの女には、混乱しているウラディーミルの様子が想像できた。そして、彼の次の行動も予測できた。自分の考えに間違いがなければ、...全文を読む


★第1211回

第67章

 ***************閲覧注意! 暴力的シーンがあります。*************** 自己責任の上ご覧ください。(18歳未満の方、および暴力シーンが苦手な方は閲覧をご遠慮ください。)ご覧になるかたは、ここをクリックしてください。▼ シャルロットは悲しそうに首を横に振った。「わたしには、運命の人が存在するの。わたしは、生まれる前からその人と結婚するさだめなの。その人を愛しているの。わたしには、ザレスキー一族を捨てるつも...全文を読む


第1212回

第68章

  ロジェ=ド=ヴェルクルーズは、シャルロットからきた手紙を最初に読んだときには、その手紙の重要性がわからなかった。しかし、彼は、いつものように手紙を持って研究所に行った。アンブロワーズ=ダルベールがシャルロットからの知らせを楽しみにしていることを知っていたからだ。『そんなに待ちわびているのなら、ご自分で手紙を書けば?』ロジェはある日アンブロワーズにそう言ったことがある。そのとき、彼はこう返事した。...全文を読む


第1213回

第68章

 「アンブロワーズ?」スティーヴンは首をかしげた。「今日のあなたは、どこかおかしいですよ」 ダルベールは青ざめて全員を見た。「この手紙の意味がわからないの?」 ロジェも首をかしげた。「ヴィオリですよ」ダルベールが言った。「マルグリート=ド=ティエ=ゴーロワは、ダイイングメッセージを残しましたよね、violと」 一同ははっとした。「・・・クマのぬいぐるみのことだったんですね?」ロジェが言った。「違う。...全文を読む


第1214回

第68章

  ロジェ=ド=ヴェルクルーズは、研究所の人たちと話し合った内容を手紙に書いた。シャルロットからは感謝しているという返事が届いた。しかし、その手紙で事件について触れたのはほとんど2~3行に過ぎなかった。かの女がその手紙に書いてきた内容のほとんどが近況報告だった。執事と家政婦長の21年に渡るロマンス。ウラディーミル=シュトックマン=スクロヴァチェフスキーがピアノコンクールに出ること・・・。 ロジェはそ...全文を読む


第1215回

第68章

  その翌日、研究所を一人の男性が訪れた。彼のフランス語を聞いた門番は、困り果てて門を開けた。執事のマクシミリアン=シュミットは、英語で応対した後応接間に通した。「ウラディーミル=ストックマン=スクロヴァチェフスキーです」部屋に入ってきた二人を見て、ウラディーミルは自己紹介した。 スティーヴンとアンブロワーズは二人ともアメリカ人の英語を聞いたのは初めてだった。少し耳慣れないなまりがある英語に聞こえた...全文を読む


第1216回

第68章

  ウラディーミルは、自分を押さえつけている赤毛の男の目が本気で怒っていることに気づいていた。「・・・かの女に何をした?」アンブロワーズはもう一度すごんだ。「あの子が、きみに愛情を持っているはずはない。とすると、結論は一つしかない」 ウラディーミルは彼の拘束から逃れようとした。「動くと、ナイフが刺さるぞ」アンブロワーズは容赦ない口調で言った。「もっとも、きみが動かなければ、わたしが動くつもりだがな。...全文を読む


第1217回

第68章

 「それで、本当に気が済んだのか、アンブロワーズ?」ファルローがかすれた声で訊ねた。 ダルベールは涙ぐみ、小さくうなずいた。「子どもから父親を奪う権利はわたしにはない」 そして、身振りでウラディーミルに椅子を勧めた。 彼が椅子に座ったところで、スティーヴンが彼に父親からの手紙を差し出した。 ウラディーミルが手紙をゆっくり読んでいる間、ファルローは心配そうにアンブロワーズを見つめていた。「・・・大丈夫...全文を読む


第1218回

第68章

  ウラディーミルはゆっくりと首を横に振った。「わかりません。あの晩以来、かの女は姿を消してしまったんです。ですが、ぼくは、かの女がぼくの子どもを身ごもっていてくれればいいと思います。ぼくはかの女をアメリカに連れて帰ります。そして、いつか、ぼくの本当の気持ちをわかってもらえるよう努力します」  ロジェは彼をにらみつけた。「そして、フランショーム一族すべてを敵にまわすんですね?」「それとザレスキー一族...全文を読む


第1219回

第68章

 「・・・そうあってほしいものです」スティーヴンが同意した。「彼は、必ずここに戻ってきます。ここが彼の家だからです」ダルベールが言った。「わたしは、彼らがここに戻るまで、代理職を続けますよ」「じゃ、ぼくは代理補佐を」アレクサンドルが言った。 ロジェは、彼らの楽観的な態度にあぜんとしていた。コルネリウスの兄である彼には、コルネリウスがそれほど単純な人間ではないことがよくわかっていた。「どうして、そんな...全文を読む


第1220回

第68章

  コルネリウス=ド=ヴェルクルーズがミュラーユリュードに戻ってきたのは、12月1日のことだった。彼は、町で一番大きな病院であるサント=ヴェロニック病院に入院した。研究所より設備がいいからという理由で彼自身が選択したのであるが、本当のことを言えば、今、研究所に戻りたくなかったからである。もし、研究所に戻ったら、叔父の遺言の件で研究所の人たち、とくにいとこのアレクサンドル=ド=ルージュヴィルと話し合い...全文を読む


第1221回

第68章

  その1週間後、コルネリウスは自分から病院を出て、大学に復学した。ヴィルフランシュに小さなアパルトマンを借り、週末だけミュラーユリュードに帰ることにしたのである。帰るといっても、兄のロジェの住むアパルトマンに泊まるわけにも行かなかったので、ミュラーユリュードにも家を借りた。病院の目の前の一部屋だけの住宅である。病院に通うのに便利だというだけで決めた家だった。 12月22日土曜日、コルネリウスは大学...全文を読む


第1222回

第68章

 「かつて、ぼくは一人の女の子を愛しました」青年が言った。「ぼくとかの女はいとこ同士でした。6つ年下のかの女でしたが、何をするのも一緒で、妹以上の存在でした。天使のような、かわいらしい子だった・・・いや、本当は天使だったのかもしれない・・・」 コルネリウスは彼の方を見た。「・・・亡くなられたんですね?」 彼はうなずいた。「病気で亡くなったとき、あの子は、まだ5歳でした」そして、彼はほほえんだ。「・・...全文を読む


第1223回

第68章

  コルネリウスは首を横に振った。「そんなことをして、何かが解決するとでも?」「でも、彼がどこにいるかはわかるんでしょう?」「いとこのところに、一緒に住んでいます。彼がいるうちは、ぼくは絶対に研究所には足を踏み入れないつもりです」コルネリウスが言った。「あなたのいとこは、なぜ彼をかくまうのですか?」青年が訊ねた。「親戚だからでしょう」コルネリウスが言った。「・・・そうですか、彼も親戚なんですね」「ぼ...全文を読む

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