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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2012年12月  】 更新履歴 

  12.01.  【 第70章 】  第1254回   さわりを読む▼
  12.01.  【 備忘記録的なもの 】  おひさしぶりでございました?   さわりを読む▼
  12.02.  【 第70章 】  第1255回   さわりを読む▼
  12.03.  【 第70章 】  第1256回   さわりを読む▼
  12.04.  【 第70章 】  第1257回   さわりを読む▼
  12.05.  【 第70章 】  第1258回   さわりを読む▼
  12.06.  【 第70章 】  第1259回   さわりを読む▼
  12.07.  【 第70章 】  第1260回   さわりを読む▼
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  12.16.  【 第70章 】  第1269回   さわりを読む▼
  12.17.  【 第70章 】  第1270回   さわりを読む▼
  12.18.  【 第71章 】  第1271回   さわりを読む▼
  12.19.  【 第71章 】  第1272回   さわりを読む▼
  12.20.  【 第71章 】  第1273回   さわりを読む▼
  12.21.  【 第71章 】  第1274回   さわりを読む▼
  12.22.  【 第71章 】  第1275回   さわりを読む▼
  12.22.  【 備忘記録的なもの 】  12月21日の次の日の日記   さわりを読む▼
  12.23.  【 第71章 】  第1276回   さわりを読む▼
  12.24.  【 第71章 】  第1277回   さわりを読む▼
  12.25.  【 第71章 】  第1278回   さわりを読む▼
  12.26.  【 第71章 】  第1279回   さわりを読む▼
  12.27.  【 第71章 】  第1280回   さわりを読む▼
  12.28.  【 第71章 】  第1281回   さわりを読む▼
  12.29.  【 第71章 】  第1282回   さわりを読む▼
  12.30.  【 第71章 】  第1283回   さわりを読む▼
  12.31.  【 第71章 】  第1284回   さわりを読む▼


第1254回

第70章

  コルネリウスは怪訝そうにドニを見た。「ちょっと深刻な事態になりそうだ。シュリーの性格から言うと、彼の怪我の程度次第では、彼に縛りつけられてしまうんじゃないかな。あの子は、自分を命がけで助けてくれた男のために自分も生涯を捧げる・・・という気になりかねない」ドニが言った。「まるで、アニー=ド=リリーズみたいにね」「かの女はアニーじゃない」コルネリウスは顔をしかめた。「じゃ、きみはマクシムじゃないとで...全文を読む


おひさしぶりでございました?

備忘記録的なもの

 考えてみると、広告が出るまでブログを放置したのは今回が初めてです。このところ、体調が不安定なので、元気が出たり出なかったりを繰り返していまして、皆様には多大なるご迷惑をおかけしていると思います。この場にてお詫び申し上げます。小説・ブログ関係に限定しても、特に名前を挙げると、このテンプレートをお借りしているノベルテンプレート管理人さんには大変ご迷惑をおかけいたしました。よく考えてみると、テンプレート...全文を読む


第1255回

第70章

  そのとき、ノックの音がした。入ってきたのは、白衣を着た中年の男性だった。シャルロットは、彼を見ると目を見開いた。彼には見覚えがある。アレクサンドル=シャルパンティエだ。かつて研究所にいた頃とは違い、自信に満ちた態度を身につけ、どこから見ても威厳のある医者だった。昔は人好きのする快活そうな青年だったが、今の彼はどちらかというと冷たい人間に見える。同じ名前の息子と区別するため、彼は自分をドクトゥール...全文を読む


第1256回

第70章

  ウラディーミルの表情はだんだん不快そうに変わっていった。自分の知らない男性の名前が飛び交うのは面白くない。「幼なじみよ」シャルロットはウラディーミルに言った。「5歳まで、研究所に一緒にいたの。彼のお父さまは運転手で・・・」 そう言うと、かの女は視線を床に落とした。「・・・わたしたちのために、お亡くなりになったの・・・」 ウラディーミルは目をぱちくりさせた。「あなたは、もちろん、研究所で事件のこと...全文を読む


第1257回

第70章

  21号室は、3階の一番はずれの部屋だった。 シャルロットはドアをノックした。2回たたき、一息ついてさらに2回たたく・・・このノックの仕方は、子どもの頃、<きづたの家>の子どもたちの間で使われた合図だった。人によって、ドアのたたき方が違う。ドアのノックの音だけで、誰が訊ねてきたのかがわかる・・・。しかし、この合図を、ドニは覚えているだろうか?「どうぞ」中からテノールの声が返ってきた。ドニ=フェリー...全文を読む


第1258回

第70章

 「ぼくが一番ぼくらしく過ごせたのは、サント=ヴェロニック校時代だったと思う」ドニが言った。「ぼくが学校の見えるこの場所で死ねるとしたら、それで本望だと思う。シュリー、お願いだから、ぼくの死のことで悲しまないで欲しい。ぼくは、悲しんでもらう価値もない人間だ。ぼくは、土からとられた。だから、土にかえることは恐くない。まして、愛するミュラーユリュードの土だ」 シャルロットは何度かまばたきをした。彼の前で...全文を読む


第1259回

第70章

 「次の日の朝だと? いったい何度楽しむ気だ?」ドニはにやりとした。そして、彼はうっとりとした表情になった。「ぼくは、そんな贅沢は言わない。たった一度でいい。ぼくは上にのって・・・」 ヴィトールドはわざとらしく咳払いをした。 彼は、目を丸くして自分を見つめている女性が目の前にいたことに気づき、品のない冗談を打ち切って真っ赤になった。「・・・いや、その・・・失礼。不適切な冗談だった」ドニは口ごもった。...全文を読む


第1260回

第70章

  シャルロットは、それからも一日に一度、ドニたちの部屋に顔を出した。どんなに巧みに隠そうとしても、かの女が疲れていることは目に見えていた。 ヴィトールドの担当看護師もベアトリス=シャルパンティエだったので、ふたりはさりげなくシャルロットの様子を聞き出すことに成功した。「ミスター=ストックマンは、ほぼ一日中シャルロットさんと一緒です」ベアトリスはそう言った。「彼は、かの女を手放そうとはしませんから。...全文を読む


第1261回

第70章

  その日の夕方、シャルロットがヴィトールドとドニの部屋にいるとき、ベアトリス=シャルパンティエが検温のために顔を出した。 ヴィトールドはにやりとしてこう言った。「ぼくの推理に間違いがなければ、ベアトリスさんは恋をしている。そして、その片思いの相手は・・・」 ベアトリスがはっと息をのむのがわかった。かの女は体温計を取り落とした。「・・・ウラディーミル=シュトックマン=スクロヴァチェフスキーに間違いな...全文を読む


第1262回

第70章

  しかし、ドニの表情は次第にくもっていった。本当は、彼だって一度はシャルロットに『愛している』と言われたかったに違いないのだ。ドニとコルネリウスは、ずっとシャルロットと一緒だった。二人はずっと同じ少女を愛していたのだ。15年以上も。「あなたは、看護師だから、ウラディと一緒にいるのはちっとも難しくはないわ」シャルロットが言った。「彼のそばに行ったら、ほほえんで会話をすること。そして、歩行練習が始まっ...全文を読む


第1263回

第70章

  ウラディーミルの歩行練習が始まると、シャルロットは精神的に安定できるようになった。日中のほとんどの時間を彼と過ごしていたシャルロットは、ほんの少しの間だけでも一人になれることにほっとしていた。かの女はたとえ雪の中でも一人で散歩した。これほどの開放感を感じるとは自分でも思わなかったくらいだ。 その日、シャルロットはサント=ヴェロニック校に向かって歩いていた。途中で雪が降ってきたが、かの女はそのまま...全文を読む


第1264回

第70章

  そのとき、リズミカルなノックの音がして、シャルロットが入ってきた。かの女は、部屋に大勢いるのに驚いた。かの女が最初に目にしたのは入り口近くにいた車椅子の青年だったが、かの女は視線を遠くに向けた。ドニの様子が見えなかったので、かの女はヴィトールドに近づいた。ヴィトールドは苦悩を顔に浮かべてかの女に視線を向けた。その目は悲しみを伝えていた。 シャルロットと一緒に部屋に入ったイーリスは、積極的にドニに...全文を読む


第1265回

第70章

  そう言うと、彼は懐かしそうに目を閉じた。10秒くらいそうしていただろうか。彼は目を開き、こう続けた。「だが、わたしは、自分の意志で天国を捨てた。ドクトゥールの言葉がきっかけだった」 シャルロットの顔がこわばった。「まさか、ドクトゥールがあなたに出て行けと・・・?」「いいや、そうじゃない」彼はほほえんだ。「彼はこう言ったんだよ。『もし、できるのなら、すべての病人を助けてやりたい』と。あそこにいては...全文を読む


第1266回

第70章

  ドニは苦しそうに息をした。「うぬぼれではなく、ぼくは昔から女の子にもてた。どんな女の子も、ぼくが誘いをかけると簡単に振り向いてくれた。そうでなかった女の子は一人しかいなかった。シャルロット=ド=ラ=ブリュショルリー。ぼくの幼なじみであり、たった一人の親友だった少年のいいなずけ。そして、たったひとり、ぼくの心を奪った女の子・・・。かの女以上の女性がこの世にいるなんて、それまで考えたこともなかった・...全文を読む


第1267回

第70章

  やがて、ドニは話し出した。「・・・彼は、あのままでは、ぼくたち二人とも破滅するしかないと思った。それで、賭に出た。きみをコンクールに出して、その結果でぼくたちの処分を決めようと提案したのは、実は、彼だった。彼にはそうするしかなかった。ぼくは、彼の提案を聞くとすぐ、その賭にのった」 シャルロットは、ヴィトールドに視線を向けた。ヴィトールドは毛布を握りしめ、目を固く閉じていた。「・・・ほかに、誰が知...全文を読む


第1268回

第70章

 「泣かないで、プティタンジュ。きみは、本当に泣き虫なんだね、いつまでたっても・・・。だが、きみには、ほほえみが似合う・・・。ぼくのことを考えて泣くくらいなら、ぼくのことなんか考えないでくれ。今後、ぼくを思い出して涙を流して悲しむくらいなら、いっそぼくのことを忘れてくれ。きみの心の中からすっかり追い出してくれて構わない。それできみが幸せになれるのなら・・・きみがほほえみを取り戻してくれるのなら、ぼく...全文を読む


第1269回

第70章

  ドニ=フェリーの遺体が運び出されたあとの病室に、ヴィトールドとウラディーミルの二人だけが残った。二人はしばらくの間黙っていた。ウラディーミルは窓の外を眺めていた。一方、体を固定されていたヴィトールドは天井を見るのではなく、目を閉じていた。ウラディーミルが振り返り、ヴィトールドの方を見ると、彼は目を開けた。眠っていたのではなかった、ウラディーミルはそう思った。「・・・ぼくがしたことは、間違っていた...全文を読む


第1270回

第70章

  ウラディーミルは下を向いた。「・・・あなたも、コンクール史上語り継がれていく人間なんだね」ヴィトールドはそう言い、唇の端をゆがめた。「受賞記念コンサートに出てからシャルロットを追いかけるべきだったのに」「あのときの自分は、自分ではなかった」ウラディーミルは言った。「コンクールより、シャルロットがそばにいないことの方が大問題だった」 ヴィトールドはふっと笑った。「・・・死ぬ前に一度はそんな恋愛をし...全文を読む


第1271回

第71章

  三日後、ドニ=フェリーの葬儀ミサがサント=ヴェロニック教会で行われた。わずか十数人だけの寂しい葬式だった。参列者のほとんどが彼の恩師たちだった。同級生のほとんどが戦争のため、この地を離れていたからである。 棺は、教会を出たあと、サント=ヴェロニック病院の前を通り---ヴィトールドとウラディーミル、そして病院関係者が窓から最後の別れができるように願ったためのルート変更である---パトリック=ド=メディシ...全文を読む


第1272回

第71章

  墓地に着くと、コルネリウスは人々から離れたところに立った。ドニが埋葬されるのを見たくなかった。ドニ=フェリーが死んだなどと考えたくなかった。できるのなら、生きていると信じていたかった。埋められるのを見てしまったら、死んでしまったことを信じないわけにはいかなくなる・・・。 彼は自然に人々の列から遠ざかっていた。彼はちょうどそこにあったベンチに座ろうとした。ベンチには雪が積もっていた。彼は自分が座る...全文を読む


第1273回

第71章

 「そのとき、妙にかすれた声が聞こえた。『ご無事でしたか?』その声はそう聞こえた。不自然な問いだと思った」エドモンが言った。「枕元に、フェリーが立っていた。彼はほほえんでいた。それを見ているうちに、わたしは泣いていた。痛いのは右手ではなくなっていた。心が痛かった。わたしは思い出した。右手を負傷したこと。そばにいたフェリーが自分の防毒マスクをつけてくれたこと・・・。彼がガスの犠牲になったんだということ...全文を読む


第1274回

第71章

  コルネリウスははじかれたように立ちあがった。「ぼくは、ベアトリスを愛してはいない。ぼくが愛しているのはきみだけだ。だが、ぼくは、きみに手紙を書いた。冷却期間が欲しいと思ったからだ。戦争に行った。この足を失い、ぼくにはわかった。必要なのはきみだったと」 シャルロットは黙っていた。「皮肉なことだよね。今度はきみがぼくを拒んだ。きみはあの男のものになった。きみの意志がどうあろうと、その事実にはかわりは...全文を読む


第1275回

第71章

 「おはよう、ウラディーミル」イーリスは、窓から葬列を見送っているウラディーミルに英語で声をかけた。「おはよう」彼は振り返ったものの、かの女には興味を示さなかった。 彼が前を見ようとしたとき、イーリスは言葉を継いだ。「具合はどう?」『しつこいね。あっちへ行ってくれ』のかわりに、彼はこう答えた。「元気だったら、こんなところにいるものか」 あまりにも早口だったので、イーリスには聞き取れなかった。しかし、...全文を読む


12月21日の次の日の日記

備忘記録的なもの

 こんな状態ではありますが、とりあえず12月21日を生き延びることができたようですので・・・。12月7日夕方の地震(当地では震度4でしたが)のとき、会社の駐車場におりました。より正確に言えば、車のエンジンをかけようとしていたときでした。つまり、あの長い揺れの間、車の中にいたわけです。緊急地震速報の音を聞きながら。揺れがおさまったとき、最初に考えたのが携帯電話のことでしたから、ちっとも進歩していないこと...全文を読む


第1276回

第71章

  彼が振り返ったとき、そこに立っていたのはベアトリス=シャルパンティエだった。「・・・歩行練習?」ウラディーミルは気がなさそうな口調で言った。「今日は、何もしたくない」「でも、それじゃ、歩けるようにはならないわ」ベアトリスが言った。「練習に行きましょう」「いやだ。ぼくは部屋に戻る」「じゃ、部屋で練習しましょうか」「いやだ。やりたくない」 ベアトリスは青くなった。「だめです。これは、わたしの仕事です...全文を読む


第1277回

第71章

  ベアトリスははっとした。彼がほほえむのは、これまで何度か見たことがある。すべてシャルロットに向けたものだった。ほほえむと、彼はとてもハンサムに見えたものだった。その彼が、かの女に向かってあのほほえみを見せてくれた。ベアトリスは有頂天になった。かの女も知らず知らずのうちにほほえんでいた。「あなたって、ほほえむとすてきですね、ベアトリスさん」ウラディーミルはそう言った。 ベアトリスは真っ赤になった。...全文を読む


第1278回

第71章

 『ねえ、ウラディ、わたしには、あなたよりも好きな人がいるの。あなたにだってわかっているでしょう?』 シャルロットは、15年間コルネリウスただ一人を見つめて生きてきた。たとえ、彼が婚約を解消したいと言ってきても、かの女の考えは決して揺らぐことはなかった。彼は気づかなかった。かの女は、あのネックレスを肌身離さず持っていた。あのときでさえ、かの女の首にはあのネックレスがあった。あのネックレスの意味がわか...全文を読む


第1279回

第71章

 「きみは、ぼくがどんなにきみを愛しているかよく知っているはずだ。それでも、彼を選ぼうって言うんだね? だめだ! 許さない!」ウラディーミルは興奮して叫んだ。 シャルロットの目には恐怖が浮かんでいた。あのときと同じ恐怖が。 ウラディーミルはそれに気づいていた。だから、自分を止められずに口走った。「ぼくは、きみのために、こんな体になってしまった。ぼくの体には、ガラスの破片が残っているし、今のままでは、...全文を読む


第1280回

第71章

  その晩も翌日の朝も、シャルロットは姿を見せなかった。夜勤担当の看護師は、ウラディーミルと口もきこうとしなかった。そんなわけで、ウラディーミルは不安な夜を過ごし、ベアトリスがやってくるまで食事ものどを通らない状態だった。 ベアトリスは沈んだ顔で部屋にやってきたが、ウラディーミルの顔を見ると、無理に笑みを浮かべた。「シャルロットは?」ウラディーミルは不安そうに訊ねた。「出かけたわ」ベアトリスが答えた...全文を読む


第1281回

第71章

  ベアトリスは、彼の目を見つめた。「ねえ、昨日わたしが言ったこと、覚えている? 女の子は、いつか、愛する人にプロポーズされるのを待っているんだと言ったことを・・・?」 ウラディーミルはうなずいた。「この世には、たくさんの人が生きている。その中で、たった一人だけを選んで結婚するわけでしょう? 本当に偶然のできごとよね。わたしは信じているの。この世には、たった一人だけ、わたしを心から愛してくれる人がい...全文を読む


第1282回

第71章

  ウラディーミルは、自分さえいなくなればシャルロットが幸せになれると思った。彼は、飛び降り自殺をしようと思い、エレベーターを探した。できるだけ上の階に行くつもりだった。 途中で、彼はコルネリウスに会った。コルネリウスは何か物思いにふけっていた。「コーネリウス」ウラディーミルは彼に声をかけた。「ちょうどよかった。きみにお別れを言おうと思った」「転院でもするの?」コルネリウスはぼんやりと訊ねた。「シャ...全文を読む


第1283回

第71章

  部屋に入ってきたシャルロットを見ると、エマニュエルの顔がぱっと輝いた。 エマニュエルの表情をじっと見ていた枕元の男は、エマニュエルが見ているものを見るため振り返った。そして、彼は青ざめて立ちあがった。その口から、小さなうめき声が上がった。「・・・ママン・・・?」男の口から漏れた言葉はそう聞こえた。 エマニュエルは驚いて男の方に目を移した。 エマニュエルだけを見つめていたシャルロットは、その表情に...全文を読む


第1284回

第71章

  そのとき、ノックの音がした。入ってきたのは、ドクトゥール=クチュリエだった。「親子の感動的な対面を邪魔しに来たよ」彼はそういいながら部屋に入り、首をかしげた。「・・・ん? 思っていたのとは組み合わせが少々違うようだが?」 その場の全員がにっこり笑った。涙ぐんでいたゴーティエまでが。「ドクトゥール=クチュリエ」シャルロットは彼の元に駆け寄るように近づき、その両手をとった。「元気かね?」彼はわざと型...全文を読む

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