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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2013年01月  】 更新履歴 

  01.01.  【 第71章 】  第1285回   さわりを読む▼
  01.02.  【 第71章 】  第1286回   さわりを読む▼
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  01.12.  【 第72章 】  第1296回   さわりを読む▼
  01.13.  【 第72章 】  第1297回   さわりを読む▼
  01.13.  【 備忘記録的なもの 】  とりあえず始動   さわりを読む▼
  01.14.  【 第72章 】  第1298回   さわりを読む▼
  01.15.  【 第72章 】  第1299回   さわりを読む▼
  01.16.  【 第72章 】  第1300回   さわりを読む▼
  01.17.  【 第72章 】  第1301回   さわりを読む▼
  01.18.  【 第72章 】  第1302回   さわりを読む▼
  01.19.  【 第72章 】  第1303回   さわりを読む▼
  01.20.  【 第72章 】  第1304回   さわりを読む▼
  01.21.  【 第72章 】  第1305回   さわりを読む▼
  01.21.  【 備忘記録的なもの 】  二つ目   さわりを読む▼
  01.22.  【 第72章 】  第1306回   さわりを読む▼
  01.23.  【 第72章 】  第1307回   さわりを読む▼
  01.24.  【 第72章 】  第1308回   さわりを読む▼
  01.25.  【 第72章 】  第1309回   さわりを読む▼
  01.26.  【 第72章 】  第1310回   さわりを読む▼
  01.27.  【 第72章 】  第1311回   さわりを読む▼
  01.28.  【 第73章 】  第1312回   さわりを読む▼
  01.29.  【 第73章 】  第1313回   さわりを読む▼
  01.30.  【 第73章 】  第1314回   さわりを読む▼
  01.31.  【 第73章 】  第1315回   さわりを読む▼


第1285回

第71章

  シャルロットは、ウラディーミルが指輪を見て逆上したことを話した。彼は、『ぼくは、きみのためにこんな体になった。きみはこんなぼくを捨ててあの男と一緒になるのか?』というようなことを口走りながら、指輪を窓の外から投げ捨てた。シャルロットは、その彼を振り切り、指輪を捜しに行った。指輪は見つからなかった。かの女は、失意のうちに列車に乗り、ここにやってきた。かの女は、ウラディーミルの部屋には一度ももどらな...全文を読む


第1286回

第71章

  そして、ゴーティエは言った。「あのとき、クラリスはロベールを選ぶと言った。愛というのは、受け取るものではなく差し出すものだとかの女は言ったんだ。たとえ、ロベールが自分のために死なないとしても、自分はロベールのために死ねると」 エマニュエルは眉をひそめた。 シャルロットは、不思議そうに首をかしげた。「そんなに彼を愛していたのなら、どうしてかの女は・・・?」「・・・彼を選ばなかったのか?」ゴーティエ...全文を読む


第1287回

第71章

  その日の夕方、シャルロットはデュラン家を訪れた。そして、デュラン夫人にこれまでの事情を説明し、荷物をすべて引き取りたいと話した。 デュラン夫人は、シャルロットが話し終えるまで口をはさまなかった。機関銃とあだ名されるかの女には珍しいことだった。かの女はシャルロットを優しく抱きしめ、こう言った。「・・・大変だったわね」 シャルロットは、その調子を聞くと、涙を抑えることができなかった。「大丈夫。心配い...全文を読む


第1288回

第71章

  シャルロットはミュラーユリュードに戻ってきた。かの女はまっすぐにウラディーミルの病室に行った。 枕元にはベアトリス=シャルパンティエが付き添っていた。シャルロットはその表情を見て驚いた。ベアトリスは、これまでにない決然とした表情を浮かべ、シャルロットを見つめていた。 ベアトリスはシャルロットに無言で首を振って見せた。 シャルロットは3歩だけ中に近づいた。枕元に行こうとはしなかった。それは、ベアト...全文を読む


第1289回

第71章

  ベアトリスの潤んだ目に、天国の青が映った。きらきらと輝くブルーの目。その目が、かの女に幸せを約束している。彼は真剣に言った。「ベアトリスさん、ぼくは、もう、あなたなしでは生きられない。ぼくは、もちろん本気だ」「もう、待っていなくてもいいのね?」ベアトリスはそう言った。「ああ」ウラディーミルははっきりと答えた。「きみは、ぼくの運命の人だ」 ウラディーミルは、初めて<きみ>と呼んだ。ベアトリスは小さ...全文を読む


第1290回

第71章

 「・・・で、いったい何の用かしら、わたしたちをからかいに来たのでなければ」ベアトリスは辛辣な口調で言った。 コルネリウスはため息をついた。「ベアティ、ぼくたちは協力できるのではないだろうか、もし、お互いに好きな人がいるのであれば」 ベアトリスはにらんだまま首をかしげた。「わたしは、あなたを信用できない」 シャルロットは二人を交互に見た。「何があったの?」「敵の敵は味方ではないということらしい」コル...全文を読む


第1291回

第72章

  ヴィトールド=ザレスキーは車椅子で中庭を散歩していた。彼のかつてのクラスメートで伴奏者でもあったローラン=ティルニーが彼に付き添っていた。ローランは医学生で、復活祭の休みのために里帰りしていた。 ヴィトールドは友人に、この冬のできごとを説明した。自分が怪我をしてここにやってきて以来起こったできごと。病院にやってきたとき、たまたま空き部屋がなかったという理由から、ドニ=フェリーと同じ部屋になったこ...全文を読む


第1292回

第72章

  そのとき、どこかからヴァイオリンの音色が聞こえてきた。その音楽を聞くと、ローランの表情が明るくなった。「・・・おや、この曲は?」ローランはうれしそうに言った。「懐かしい音楽だな。これを聞くのは、サント=ヴェロニック校の卒業試験以来だな」 ヴィトールドはうなずいた。「しかも、この演奏者は、うれしいことに若い女性だ」「なぜわかる?」ヴィトールドが訊ねた。「ぼくは、7組の出身だ。演奏者が男性か女性かく...全文を読む


第1293回

第72章

  コルネリウスは答えた。「ぼくはかの女を愛している。かの女が欲しいと思うような愛情ではないかも知れないが、ぼくなりにかの女が好きだ」「うーん、なかなかいい答えだ」ローランが冷やかすように言った。「ぼくはきみのためなら死ねる、という言葉よりずっと正直だ」 ヴィトールドは顔をしかめた。「だが、シャルロットが一番聞きたいと思っているのは、そのせりふではないだろうか?」 コルネリウスは目を閉じた。しばらく...全文を読む


第1294回

第72章

  コルネリウスは驚きからさめると、ヴィトールドの顔をまじまじと見た。彼の意図が飲み込めなかった。ザレスキー一族のリーダーである彼が、フランショーム一族との絆を取り持つこの縁談を自ら壊すとも思えない。となれば、彼の意図は、コルネリウスに嫉妬させることだろう。ずいぶん古典的なやり口だ。 コルネリウスは、サント=ヴェロニック賞演劇コンクールの時の彼の演技を覚えている。彼は喜劇役者だった。たしか4年生の時...全文を読む


第1295回

第72章

  ローランは口ごもりながら挨拶した。「・・・お久しぶりです。ますますヴァイオリンの腕に磨きがかかったようで、何よりです」 シャルロットはまじめな顔で言った。「ありがとうございます」「それに、とても美しくなった」ローランはかの女の指先にキスをしながら言った。「あまりきれいになったので、見違えてしまいました」「お世辞はそのくらいにしてくださる?」シャルロットはゆっくりと手を引っ込めた。 ローランはまじ...全文を読む


第1296回

第72章

  シャルロットも涙ぐみそうになった。 ヴィトールドはシャルロットを見上げ、首をかしげた。「・・・ムッシュー=エルスタン、彼らを紹介します。彼らは、わたしの学校時代の先輩です。ヴィトールド=ザレスキーとローラン=ティルニーです。ヴィトールドは軍人で、ローランは医学生です」シャルロットが言った。「そして、彼は、弁護士のマクシミリアン=エルスタンさんよ」 その名を聞くと、二人の若者の表情が硬くなった。「...全文を読む


第1297回

第72章

  ヴィトールドは思わずシャルロットの左手を握りしめた。シャルロットは一瞬びくっとしたが、その手を引っ込めなかった。かの女は、ヴィトールドのその行為を謝罪だと受け取ったからである。「マックスは、弟のセザールと幼なじみのような関係にありました。二人は親友となることはできませんでしたが、その友情は中学校に入るまで続きました」エルスタンが言った。「マックスは、厳密な意味では、友人を一人も作らなかったに違い...全文を読む


とりあえず始動

備忘記録的なもの

 不景気なのが悪いのか地震(というか、原発事故)が悪いのかわかりませんが、ここ2~3ヶ月、文章を書くこと自体がつらいと思う日々が続いていました。今日になって、ご近所の”おばちゃん”(「赤毛のアン」のリンド夫人のような女性---というと、何となくイメージがわくでしょうか?)が約1ヶ月半ぶりに白菜を持って遊びに来てくれまして、このところのご近所トラブルが和解したらしいね・・・と、ちょっと安心した次第です。町...全文を読む


第1298回

第72章

  ヴィトールドもその結論はわかっていた。シャルロットはポーランドのチャルトルィスキー家に引き取られたのだ。ただ、彼はその詳しいいきさつを知らなかった。彼は優しくシャルロットの手を握りしめた。かの女を安心させるかのように。「かの女は、シャルロットさんに愛着を持っていました。亡くなった孫にそっくりな女の子が、息子のヴァイオリンを手にして息子のように演奏するのを聞き、かの女を、自分のためにウワディスワフ...全文を読む


第1299回

第72章

  シャルロットはほぼ5年ぶりに研究所の建物の前に立った。かの女が驚いたのは、門に扉がなかったことだ。門をいちいち閉めないということは、門番がいないということでもある。かの女は、あの頑固だったブーレーズ老人がついに引退したのかと思うと感慨無量な気持ちになった。そのことだけでも、研究所は様変わりしていた。 かの女は、きづたの家に向かう分岐点をそのまま通り過ぎ、まっすぐに研究所に向かった。そして、昔から...全文を読む


第1300回

第72章

  シャルロットは、ドクトゥール=ダルベールを見つめた。かの女が覚えている、いかにも少年っぽい髪型は昔のままだ。やんちゃな表情も変わってはいない。ただ、表現しようもない<威厳>が身についたようだ。ドクトゥール=ド=ラ=ブリュショルリーという絶対のリーダーを失い、ブリューノ=マルローというお目付役がいなくなった今、彼はたった一人でリーダーの重責を担っているのだ。まだ30歳だというのに。 ドクトゥール=...全文を読む


第1301回

第72章

  ドクトゥール=ダルベールは、自分の不作法を謝るような無粋な真似はしなかった。彼は小さな子どもに視線を戻し、わきをくすぐった。子どもはその攻撃から逃れようと、笑いながら身をよじった。「・・・ボワージュ・・・ごめんなしゃい・・・」子どもは笑いの発作を起こしながら、彼の腕の中で必死にもがいた。 ドクトゥール=ダルベールは、急に手をはなした。子どもは少しほっとしたような顔をしたあと、《ね、もっと!》とい...全文を読む


第1302回

第72章

 「もちろん、思いますとも。でも、愛する人と必ずしも結婚できるとは限らないでしょう? 愛する人がほかの人を好きになってしまったら、その恋を引き裂くのは、本当の愛でしょうか?」ドクトゥール=ダルベールは優しく言った。「いいえ。かの女が幸せになることを望むことこそが、本当の愛ではないでしょうか。かの女を幸せにするのは、その人物でも自分でも同じことなのです。要は、かの女が幸せになればいいのですから。愛とは...全文を読む


第1303回

第72章

  そのとき、二人の後ろで声がした。「本当ですか? 信じられませんね」 シャルロットはどきっとしてハンカチを目から放し、そこに立っていた青年を見つめた。その声は、まさしくドクトゥール=ド=ラ=ブリュショルリーのものだった。「・・・ティーヴィ・・・?」シャルロットの口から、思わずその名前が飛び出した。そこにいたのは、ドクトゥール=ダルベールの後ろにくっついていたあの小さな少年だった。 その呼び名を聞く...全文を読む


第1304回

第72章

  スティーヴンが言った。「じゃ、<報酬>ですかね?」 ドクトゥール=ダルベールは、彼に鋭い視線を送った。「最後の贈り物、だ」 しかし、スティーヴンは、普通の人ならば黙ってしまうようなそのまなざしには動じなかった。彼はため息をつき、こう言った。「・・・本当に、ドクトゥールのことになると、この人は・・・」 そうだわ。昔から、この人はドクトゥールに対して絶対的な忠誠心を持っていた。いや、盲目的、かしら?...全文を読む


第1305回

第72章

 「まさか、ドクトゥール=ド=ヴェルクルーズが?」シャルロットは半信半疑だった。「確かに、彼は、何を考えているかわからないところがあったように見えました。でも・・・」「でも、ドクトゥールに敵意を持っていたとまでは思えない・・・?」ドクトゥール=ダルベールは、アルトゥール=ド=ヴェルクルーズそっくりの笑みを浮かべた。「そうでしょうね。アルは役者でしたからね」 そう言うと、彼はいつもの表情に戻った。「み...全文を読む


二つ目

備忘記録的なもの

 実は、この記事は、今年二つ目の記事です。「今年の目標?」を書いた前回の記事、なぜか「下書き」状態で保存されたままになっていたので、「今年もよろしくお願いします」を今更公開するのもなぁ・・・(でも、ほとぼりが冷めたら密かに公開しちゃおうかな?)と思って、二つ目を書いています。この一週間、大雪のとばっちり?で生活リズムが狂いっぱなしです。どういうわけか、休みというと雪が降る。仕事に行くか雪かきをするか...全文を読む


第1306回

第72章

  ドクトゥール=ダルベールはもったいぶった口調で話を続けた。「彼らが初めて会ったのも、やはり、シャンベリーのド=ティエ=ゴーロワ邸でした。屋敷の廊下でぶつかったのが彼らの最初の出会いです。かの女がいきなり部屋から出てきたので、二人は鉢合わせしてしまったんです。驚いたかの女が楽譜を取り落としても、彼は知らん顔をして通り過ぎたそうです。目撃者はそう語りますが、事実はそうではなかったはずです。彼は、かの...全文を読む


第1307回

第72章

  スティーヴンは首をひねりながら訊ねた。「誤算って・・・?」「当時の状況は、もう少し複雑なものでした。ジュヌヴィエーヴさんは、いとこの赤毛の息子の父親が誰かを知っていたフシがあります。そして、かの女の心は揺れ動いていた。ただし、その動揺の中に、アルの存在は含まれていませんでした。かの女の心の中を占めていたのは、誠実なもう一人の友人でした。ルイ=フィリップ少年は、ジュヌヴィエーヴさんを諦めてはいなか...全文を読む


第1308回

第72章

  スティーヴンは一息ついてから言った。「・・・面白い仮説ですね。ですが、その大前提に間違いはないのですか?」 ドクトゥール=ダルベールはうなずいた。「自信はあります。もし、この女性が、クラリスさんとマエストロの間のお子さんでなかったとしたら、かの女はいったい誰なのか説明できますか? かの女がドクトゥールの娘さんだと誰もが思うくらい似ているのは、ほかにどんな理由からだと思いますか?」「ドクトゥールに...全文を読む


第1309回

第72章

  スティーヴンも目を丸くした。「あれ、あなたには、彼に恩があるんじゃないんですか?」「それは、そうですが・・・」シャルロットは口ごもった。「でも、それは、わたしの問題でしょう?」「それは、そうだけど・・・」スティーヴンは、シャルロットと同じ口調で言った。そして、まじめな顔で言った。「ぼくは、マックスさんが好きなんですよ。ただ、それだけです」 ドクトゥール=ダルベールはにやりとした。「おや、きみには...全文を読む


第1310回

第72章

  シャルロットは、なぜか胸騒ぎを感じていた。何か悪いことが起ころうとするときに感じる、あの前触れである。かの女は、不安を抱えながら病院に戻った。 コルネリウスは病院には来ていなかった。シャルロットは、今では同室になっているウラディーミルとヴィトールドの部屋に戻っていった。午後の面会時間であったが、彼らは二人きりだった。ウラディーミルは本を読んでいて、ヴィトールドはベッドのわきのテーブルで何か書き物...全文を読む


第1311回

第72章

  ヴィトールドは、シャルロットに言った。「きみは、きみが正しいと思うことをすればいい。ぼくは、きみのためになら死ねる」 シャルロットははっとしてヴィトールドの方を向いた。 ヴィトールドは優しい微笑みを浮かべ、うなずいた。「死ぬことは恐くない。ぼくは軍人だ」「でも・・・」「ぼくは、すでにきみのために命をかけて戦っているんだよ」ヴィトールドは優しく言った。 シャルロットの心に、その言葉がしみこんだ。か...全文を読む


第1312回

第73章

  その週の終わりに、コルネリウスはシャルロットの出発を手紙で知った。手紙は、コルネリウスの家のポストに入れられていた。シャルロットが自分で届けたものらしく、封筒には切手が貼られていなかった。手紙といっても、メモ程度の簡単なものだった。だから、コルネリウスは、シャルロットがすぐに戻ってくるものだと思っていた。裁判が長引くとは予想できなかったし、エマニュエル=サンフルーリィの病気が急変して、すぐには帰...全文を読む


第1313回

第73章

  学生時代から、ヴィトールドはその手のことが得意だった。軍で参謀本部にいたのは、その特性を見込まれたためでもある。ただ、彼自身は、現場で戦う方を選択した。今、ここにいるのは、そのためでもあるが・・・。 続いて、彼は、誰にも気づかれないように情報収集に取り組んだ。ベアトリスとマドレーヌの急な交代には、別の患者が来たから以外に、何か別の意図があるのでは・・・彼はそう思っていた。それを調べるのが始まりだ...全文を読む


第1314回

第73章

  一人になったあとで、ヴィトールドはたった今聞いた情報を頭の中で分析し始めた。 まず、イーリスがしゃべった情報の真偽だ。イーリスは、来月ドクトゥール=アンドレの長男のサンディと結婚する。招待状も配布済みだ。ということは、25日に、正式に婚約している彼らのお披露目をするという意向を父親から聞かされていてもおかしくはない。あるいは、直接言われたのが息子だけという可能性もあるが、サンディが婚約者にそれを...全文を読む


第1315回

第73章

  ザレスキー家に伝わる大筋の話と、フランショーム家に伝わる大筋の話には違いがある。 ザレスキー家に伝わるのは、二人が駆け落ちする計画を知られ、急いでポーランドに連れ戻そうとされることに気づいたアニェースが、レオンに決行日を早めるように手紙を出す。ところが、その手紙を託されたアニェースの侍女ジャンヌ=モーリアは、いとこのレオンにそれを渡さなかった。ジャンヌ自身がレオンを愛していたためだ。そのため、か...全文を読む

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