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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2013年10月  】 更新履歴 

  10.01.  【 第85章 】  第1558回   さわりを読む▼
  10.02.  【 第85章 】  第1559回   さわりを読む▼
  10.03.  【 第85章 】  第1560回   さわりを読む▼
  10.04.  【 第86章 】  第1561回   さわりを読む▼
  10.05.  【 第86章 】  第1562回   さわりを読む▼
  10.06.  【 第86章 】  第1563回   さわりを読む▼
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  10.08.  【 第86章 】  第1565回   さわりを読む▼
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  10.10.  【 第86章 】  第1567回   さわりを読む▼
  10.11.  【 第86章 】  第1568回   さわりを読む▼
  10.12.  【 第86章 】  第1569回   さわりを読む▼
  10.12.  【 備忘記録的なもの 】  せっかくどうも   さわりを読む▼
  10.13.  【 第86章 】  第1570回   さわりを読む▼
  10.14.  【 第86章 】  第1571回   さわりを読む▼
  10.15.  【 第86章 】  第1572回   さわりを読む▼
  10.16.  【 第86章 】  第1573回   さわりを読む▼
  10.17.  【 第86章 】  第1574回   さわりを読む▼
  10.18.  【 第86章 】  第1575回   さわりを読む▼
  10.19.  【 第86章 】  第1576回   さわりを読む▼
  10.20.  【 第86章 】  第1577回   さわりを読む▼
  10.21.  【 第86章 】  第1578回   さわりを読む▼
  10.21.  【 備忘記録的なもの 】  長い一日   さわりを読む▼
  10.22.  【 第87章 】  第1579回   さわりを読む▼
  10.23.  【 第87章 】  第1580回   さわりを読む▼
  10.24.  【 第87章 】  第1581回   さわりを読む▼
  10.25.  【 第87章 】  第1582回   さわりを読む▼
  10.26.  【 第87章 】  第1583回   さわりを読む▼
  10.27.  【 第87章 】  第1584回   さわりを読む▼
  10.28.  【 第87章 】  第1585回   さわりを読む▼
  10.29.  【 第87章 】  第1586回   さわりを読む▼
  10.30.  【 第87章 】  第1587回   さわりを読む▼
  10.31.  【 第87章 】  第1588回   さわりを読む▼


第1558回

第85章

  ヴィトールドは会場に戻ると、リオネル=デルカッセに近づき、彼に何か耳打ちした。リオネルは静かに部屋を出て行った。 部屋の中では、酔っ払ったオーギュストがピアノを弾いていた。そして、彼のまわりで何人かの男性たちが品のない替え歌を披露して笑い転げていた。そのほとんどが、ヴァンドルディに集まる詩人たちだった。オーギュストはちょっとの間に、初めて会ったばかりの男性たちと意気投合してしまったらしい。 女性...全文を読む


第1559回

第85章

  シャルロットは部屋を出たときと同じくらいひそかに部屋に戻った。かの女がいないことに気づいた人はほとんどいなかったに違いなかった。たとえいたとしても、化粧室にでも行ったのだろうと思ったくらいわずかの時間のことだったので、戻ってきたときにその理由を訊ねる人はいなかった。 モジェレフスキーは、かの女が戻ってきたことに気づいた一人だった。ただ、彼は、自分の妻が出て行ったことを知らなかった。彼はかの女が自...全文を読む


第1560回

第85章

  そのとき、執事のエルネスト=シュミットが、二人の横をものすごい勢いで通過していった。もちろん、彼は二人に頭を下げていったが、あまりにもおざなりなその挨拶に、二人はあぜんとして彼を見送った。「・・・ホールに戻ろう」リオネルが言った。 ロジェは黙って後に従った。 二人が中に入ったとき、若い執事はヴィトールドに電報を手渡しているところだった。ヴィトールドはその電報をちらっと見て、真っ青になった。彼は素...全文を読む


第1561回

第86章

  1922年の年が明けると、マウゴジャータ=モジェレフスカは、積極的に同郷の作家とつきあい始めた。兄のフェリックス=ザモイスキーを主人公とした小説を書くため、彼が夢中になった思想を知ることが目的だった。夫のモジェレフスキーが彼らの話し合いを熱心に聞いているのを見ているうち、ヴィトールドも彼らの話を聞いてみようと思い始めた。これまでヴィトールドは、モジェレフスキー夫妻以外のポーランド人作家とつきあう...全文を読む


第1562回

第86章

  2月のある日の昼下がり、シャルロットとマルグリット=マリーの二人はふたりだけで買い物をしていた。生まれてくる子どものケープを編むための毛糸を買うのが目的だったが、マルグリット=マリーは、もう一つ買い物を予定していた。かの女は子どもの父親のためにも密かにセーターを編むつもりでいたのである。かの女は、シャルロットが夫の誕生日に贈るカーディガンを内緒で編んでいるのを見ているうちに、自分もオーギュストに...全文を読む


第1563回

第86章

  この事件のことを聞いたロジェとオーギュストは震え上がった。 ティエ=ゴーロワ事件はまだ終わっていない。彼らはそう思ったのである。 1894年、マルグリット=ド=ティエ=ゴーロワは、結婚しようとしていた妹とその婚約者に呪いの言葉をかけた。何があっても、二人が幸せになるのを邪魔してやる、と。かの女は、妹夫婦の間に生まれた息子を誘拐させ、さらに毒の入ったワインを飲ませようとした。それでも死ななかった義...全文を読む


第1564回

第86章

  シャルロットは、息子が二人生まれてくると確信していた。上の子をアレクサンドル、下の子をヴィクトールと呼ぶことはすでに決めていた。アレクサンドルにはライトブルー、ヴィクトールにはダークブルーを基調にした道具を用意していた。 子どもたちは、生まれたときからすぐにそのシンボルカラーを身につけることになった。二人は、最初はそれぞれのシンボルカラーのリボンを足に巻いていた。やがて、それぞれの色の服を着せら...全文を読む


第1565回

第86章

  シャルロットは、オーギュストがローザンヌに---いや、このT城に来るようになってから、家の雰囲気が全く変わったことを実感していた。 オーギュストは、わずか1年の間に、T城を「研究所」に変えてしまった。 彼が最後に取り組んだのは、使用人の子どもたち全員を「子ども部屋」に集めることだった。そして、前年のクリスマスに集まった人たちの中の何人かと組んで、子どもたちに勉強を教えようとしたのである。彼は、スタ...全文を読む


第1566回

第86章

  それまで、ロジェだけはオーギュストの<学校ごっこ>に関心を示したことはなかった。子どもの教育について関心がなかったからだ。それに、自分には誰かの教師になる器量がないと思っていた。 クリスマス前日の朝、彼は思いもかけない物音で目が覚めた。子どもたちの歌声である。 彼はしばらくの間、ベッドに横たわったままその音楽を聞いていた。目を閉じたままでいると、幼い頃の情景が目に浮かんできた。長い赤毛の髪をきれ...全文を読む


第1567回

第86章

  シャルロットは、ロジェの呼吸が止まっていることに気づき、一瞬その場に固まった。事の重大さに気づき、パニック状態に陥りかけた。 どうしよう・・・ロジェが・・・。応急処置をするべきかしら? いいえ。わたしでは無理だわ。やっぱりお医者さまを呼ばなくちゃ。 お医者さま・・・? そうだわ! 階下にリオネル=デルカッセがいたわ! シャルロットは、転がるように階段から下りた。走る時間さえもったいないように思え...全文を読む


第1568回

第86章

  シャルロットは大きく息を吸い込み、やっと言葉を口にした。「彼は・・・息をしていなかったの」 その言葉を聞くと、オーギュストは青ざめ、階段の方をちらっと見た。一瞬のうちに、駆けつけるべきかどうか判断し、この場は医者に任せるべきだと結論を出したようだった。 ヴィトールドの足元もぐらっと揺れた。しかし、彼はこわばった表情をさっと元のポーカーフェイスに戻した。シャルロットを落ち着かせる方が先だと思ったか...全文を読む


第1569回

第86章

 「・・・そんな・・・」シャルロットは涙声でつぶやいた。 しばらく沈黙が続いた。ときおりシャルロットが鼻をすする音だけが部屋に響いただけだった。 沈黙を破ったのは、オーギュストだった。「ロジェの心臓が弱いのは生まれつきだったとしたら、あなたは、ずっとそれをご存じだったはずですよね?」 リオネルはうなずいた。「わたしは、14年に初めて知った。研究所で」 オーギュストはびくっとして、リオネルに顔を向けた...全文を読む


せっかくどうも

備忘記録的なもの

 今年も無事に稲刈りが終わりまして、気分は一段落です。検査が終わらないうちは、本当の意味での終了ではないのですが、あの2011年でさえセシウムさんが測定限界値以下・・・という実績がありますので(もちろん、去年だって!)、まあ、検査の結果は大丈夫だろう、と。ただ、誰に聞いても「前の年よりは取れなかった」という去年よりも今年の方がさらに不作なようで、イノシシの被害を別にすれば、「春にゼオライトなんかまい...全文を読む


第1570回

第86章

 「どうしてだ? なぜ黙っていた? ぼくは、ロジェの本当の弟だぞ!」オーギュストは吠えるように言った。 そして、彼は両手に顔を埋め、大きな声を上げて泣き出した。 シャルロットは、ヴィトールドに視線を送った。ヴィトールドはゆっくりと首を横に振った。《彼を慰める役は、きみではない》ヴィトールドの表情はそう告げていた。「ロジェも本当のことは知らない。ぼくには話せなかった」リオネルが静かに言った。「たぶん、...全文を読む


第1571回

第86章

 「ぼくはクラリスおばさまからたくさんのものを受け取った。しかし、かの女はたった一つしかぼくに要求しなかった。『シュリーのいいお姉さんになってちょうだい』・・・これだけだった。ぼくは、その言葉をかの女の遺言だと思って育った。ぼくたちは、ずっと姉妹だったんだ」 その言葉を聞くと、シャルロットは静かにうなずいた。彼は、ほんの赤ん坊だった自分を大切にしてくれた。かの女をかばい、守ってくれたのは、いつも彼だ...全文を読む


第1572回

第86章

 「・・・もし、きみが本当にシャルロットを愛しているというのなら」沈黙を破ったのはヴィトールドだった。「そもそも、今、ここにきみがいることこそが、かの女を不幸にしているのだと、きみは気づいているのか?」 そして、彼はドアを指さした。「出て行きたまえ。ここは、きみのいるべき処ではない」ヴィトールドは堂々とした態度を崩さなかった。「・・・いいか、かの女を不幸にしたら、ぼくが決して許さないからな」オーギュ...全文を読む


第1573回

第86章

 「これが一番の難問だ。ロジェには、本当のことを話すべきだろうか?」リオネルが訊ねた。 ザレスキー夫妻は少しの間言葉を発しなかった。 口を開いたのはシャルロットだった。「この件について、主治医のドクトゥール=ロッシェルはどうお考えなのかしら? 彼は、ロジェにどの程度病状を説明しているのかしら?」「父には、直接確認したことはない」リオネルが答えた。「ただ、ロジェの様子を見ている限りでは、詳しい話はして...全文を読む


第1574回

第86章

  その日の夜、事情を知らない彼らの友人(研究所なら<家族>と表現したであろう)がT城を訪れた。 クリスマスキャロルを歌った子どもたちが別室に退場すると、その場にいた大人たちも用意されていた食事に手をつけ、ロジェに対するお見舞いの言葉を残して帰って行った。リオネルとシャルロットのおかげで、その場が異様にしんみりとすることはなかった。彼らは、ロジェの病状について本当のことを話さなかったからである。 パ...全文を読む


第1575回

第86章

 「ガルディに会っていってもいいか?」ヤールダーニが訊ねた。「落ち着いてからにしてくれ」リオネルが言った。「今ごろ、オヤジが彼に病気の告知を行っているはずだ。彼に、自分と向き合う時間を与えて欲しい」 その返事を聞き、3人は帰って行った。 ほとんど入れ違いに、部屋にドクトゥール=ロッシェルとザレスキー夫妻が入ってきた。 リオネルは父親に訊ねた。「主治医として、もちろん、彼に話はしてくれたんだろうね?」...全文を読む


第1576回

第86章

  リオネルが話し終えたとき、ロジェは無表情のまま目を閉じた。 その表情を見て、シャルロットは昔のことを思いだしていた。ドクトゥール=アースに『あと半年の命です』と宣告されたときのパトリック=ド=メディシスの表情が、今のロジェと重なって見えた。あのとき、シャルロットは、パトリックが冷静だと思った。しかし、今のかの女には、彼らが告白の本当の重大さをじゅうぶんに飲み込めていないことがわかっていた。冷静だ...全文を読む


第1577回

第86章

  ヴィトールドは部屋の外にいて、リオネル=デルカッセが出てくるのを見た。「大変だったね」ヴィトールドは声をかけた。 リオネルは、ヴィトールドを見ると、ゆっくりと涙をふいた。そして彼にほほえんだ。「オヤジの言うとおりだった。ぼくの口から話して、本当によかった」リオネルが言った。「彼は、ありがとうと言ってくれた」 ヴィトールドは眉を少し上げた。「ロウを塗った布に水をかけた後のような気分だ」リオネルが言...全文を読む


第1578回

第86章

  中には、ネックレスが入っていた。大きなダイヤモンドが一つと、その周りに細かい粒のダイヤモンドがちりばめられた豪華なネックレスだった。シャルロットは、目を丸くしてネックレスを見た。一言も言葉を出すことができなかった。 ヴィトールドは、その表情を見て満足そうにうなずいた。「<ラ=ギャラクシー>という名前だそうだ」ヴィトールドが言った。「喜んでくれたようで、うれしいよ」 言葉をなくして茫然としているシ...全文を読む


長い一日

備忘記録的なもの

 この小説の中に、いくつかの「長い一日」がありますが、今日の更新箇所(第1578回)もそんな長い一日(具体的には1923年12月24日)の一つです。「・・・本当に、大変な一日だったね」の一言で、この章(第86章)が終わり、さきほど目次を追加しました。一つの章が15~20話くらいですので、今後は目次追加作業を一週間に一度(具体的には週末ごとに)してみようかな、と思います。もちろん、理想ですけど。それよりも長い一日...全文を読む


第1579回

第87章

  1923年が始まってまもなく、マックス=アンセルはヴィトールド=ザレスキーのもとを訪れた。ヴィトールドとオーギュストの間に起きた言い争いのことを耳にしたアンセルは、友人であるオーギュストの側に立つことを決めた。それは、T城の子どもたちとの別れを意味した。ヴィトールドはアンセルの言葉を聞くと、小さくため息をついた。「・・・あなたは、ぼくたちの争いとは無関係であって欲しかった」ヴィトールドはそう言っ...全文を読む


第1580回

第87章

 「お願いします。どうかここの子どもたちへの教育から手を引かないで下さい。もし、あなたがたがここを出るとおっしゃるなら、この近くに家を借りることで手伝いをさせて下さい。そして、彼らの教育を続けていただきたいのです。もちろん、家賃も教育費もこちらで負担します。そして、可能なら、規模を大きくして他の子どもたちも受け入れてもらえたら・・・。そうなれば、本当の学校になります」 アンセルも立ちあがった。「他の...全文を読む


第1581回

第87章

  ザレスキー夫妻は、子どもの誕生を心待ちにしていた。ヴィトールドは生まれてくる子どものために新しい子ども部屋を用意し、自分で壁紙を貼り替えた。さらに、慣れない手つきでベビーベッドまで作った。子供服をはじめ、身につける品物を自分で選んだ。彼が子どものためにそこまでしたのは初めてのことだった。彼は、そこまでして女の子の誕生を待ち望んでいたのである。 1924年1月10日。 ヴィトールドは、赤ん坊が産声...全文を読む


第1582回

第87章

  その年、ザレスキー夫妻はT城に移り住んで以来初めて、外部の人たちを一切招かずにクリスマスシーズンを過ごした。シャルロットは、オーギュスト=レヴィンと和解できる最後のチャンスだと思い、招待状を出してはみたものの、オーギュストからは欠席の短い返事が来ただけだった。その返事を受け取ったとき、シャルロットは、彼が来ないのだったらパーティを開く意味がないと決断したのである。 クリスマス前日、双子が風邪をひ...全文を読む


第1583回

第87章

  スタニスラスは、その説明では納得できない、という表情を浮かべてロジェを見つめていた。「一番上の子というのは、特別な人間なんだよ」ロジェは言った。「子どもというものは、どの子どもも同じように両親から愛されている。だが、一番最初に生まれた子どもは---きみは、双子よりもフェリシーよりもたくさんの時間を、きみの両親とともに過ごしている。そして、その時間差は、きみが生きている限り縮まることはない。それが最...全文を読む


第1584回

第87章

  1925年に入ってまもなく、今度はロジェが風邪をひいた。シャルロットは、子どもたちの後はロジェの看病に追われることとなった。彼の病状には波があり、熱があがったり下がったりを繰り返した。 ロジェは、自分の作品の完成を急いだ。その頃には、彼の未完成の作品は<愛の死>だけになっていた。ロジェもシャルロットもあえて触れなかったが、それがロジェの最後の作品であることは二人とも承知していた。「《その日、枕元...全文を読む


第1585回

第87章

  ロジェは続けた。「きみには、ほかにあと二つ、約束して欲しいことがあるんだ」 シャルロットは首をかしげ、「まあ、三つもあるの?」と訊ねた。 ロジェは笑い出した。「遺言は三つしかない。ただ、きみにとって、簡単じゃないことかも知れないが」 シャルロットは真面目にうなずいた。「そうね、一つ目を聞いただけで、あとの二つも大変そうな気がするわね」 ロジェも真面目な顔をした。「二つ目の願いは、わたしの死後、身...全文を読む


第1586回

第87章

 「・・・遺言だと?」オーギュストは顔だけ振り返り、シャルロットに言った。「彼は生きているんだぞ! そう簡単に死ぬものか。頼む、そんな言葉を使わないでくれ!」 シャルロットは、彼の激しい口調に怯むことはなかった。「ロジェ自身が言ったの。自分の遺言だと」 オーギュストはしばらくシャルロットを見つめ、唇をかみしめた。小さなため息をつき、先ほどよりはやや穏やかな口調で言った。「・・・聞こう。ロジェは、きみ...全文を読む


第1587回

第87章

 「どちらにしても、きみは彼に、いずれは謝罪しようとするはずだし、彼は和解を拒むだろう」 シャルロットもそれ以外の展開はないと思った。コルネリウスとの再会の時、ロジェがいてくれたら、コルネリウスの気持ちが少しは和らぐのだろうが・・・。しかし、自分たちが再会するのは、もっと後のことになるだろう・・・シャルロットは漠然とそう考えた。たとえば自分か彼が死ぬことが知らされる後になるまで、彼は動こうとはしない...全文を読む


第1588回

第87章

  シャルロットは短く答えた。「・・・いいえ」 ヴィトールドはかの女をじっと見つめてから、「・・・本当に?」と訊ねた。「再婚する気はない、と言ったはずよ」シャルロットは言った。「絶対に再婚はしたくないの」 ただ、もし、どうしても再婚しなければならないとしたら、相手はコルネリウス以外には考えられない。そうすれば、近い将来生まれてくる子どもがたとえ女の子であっても、無理にロベール=フランショームと結婚す...全文を読む

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