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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2014年02月  】 更新履歴 

  02.01.  【 第92章 】  第1677回   さわりを読む▼
  02.03.  【 第92章 】  第1678回   さわりを読む▼
  02.04.  【 第92章 】  第1679回   さわりを読む▼
  02.05.  【 第92章 】  第1680回   さわりを読む▼
  02.06.  【 第92章 】  第1681回   さわりを読む▼
  02.07.  【 第92章 】  第1682回   さわりを読む▼
  02.08.  【 第92章 】  第1683回   さわりを読む▼
  02.10.  【 第92章 】  第1684回   さわりを読む▼
  02.10.  【 備忘記録的なもの 】  計画 一時中断   さわりを読む▼
  02.11.  【 第92章 】  第1685回   さわりを読む▼
  02.12.  【 第92章 】  第1686回   さわりを読む▼
  02.13.  【 第92章 】  第1687回   さわりを読む▼
  02.14.  【 第92章 】  第1688回   さわりを読む▼
  02.15.  【 第92章 】  第1689回   さわりを読む▼
  02.17.  【 第92章 】  第1690回   さわりを読む▼
  02.18.  【 第92章 】  第1691回   さわりを読む▼
  02.19.  【 第92章 】  第1692回   さわりを読む▼
  02.20.  【 第92章 】  第1693回   さわりを読む▼
  02.21.  【 第92章 】  第1694回   さわりを読む▼
  02.22.  【 第93章 】  第1695回   さわりを読む▼
  02.24.  【 第93章 】  第1696回   さわりを読む▼
  02.25.  【 第93章 】  第1697回   さわりを読む▼
  02.26.  【 第93章 】  第1698回   さわりを読む▼
  02.27.  【 第93章 】  第1699回   さわりを読む▼
  02.28.  【 第93章 】  第1700回   さわりを読む▼


第1677回

第92章

  ただ、気がかりなことはあった。ボレスワフスキーは、初恋の人そっくりな女性と結婚した。その相手が亡くなった直後に、初恋の人本人が目の前に現れてしまった。もしも、シャルロットがライモンドと偽装結婚していることを知ったら、ボレスワフスキーはどうするだろうか?「・・・どうしたの、難しい顔をして?」ユーリアは夫のところに戻ってくるなり、顔をしかめた。「思い出していたんだ、それだけだよ」ルドヴィークはコーヒ...全文を読む


第1678回

第92章

  シャルロットは、その話は初耳だった。そういえば、ヴィトールドは、絵本の版権をスイスの小学校に譲り渡している。リーベルマン夫妻らは、絵本のポーランド語版を作るために奔走しているのだろう。絵本の話に深入りしない方が無難だ。ひょんなところで自分の正体を知られることになりかねない。「あら、そうでしたの? 本は、ヴィトールドさんみずからが、うちの息子たちにプレゼントしてくださったものです」シャルロットはベ...全文を読む


第1679回

第92章

  ユーリアとルドヴィークは、その話を聞きながら目を潤ませていた。シャルロットはあえて二人の方を見ないようにしていた。「あなたにとって、《懐中時計》がどんな意味を持つのかは存じません」シャルロットはベルク博士に言った。「ですが、彼にとっての《懐中時計》はそういう意味を持ちます。そして、ヴィトールドさんは、子どもたちへの教育ということに重きを置いていました。直接的な関与は少なかったと思いますが、彼はパ...全文を読む


第1680回

第92章

  シャルロットとユーリアが次にカフェを訪れたのは、それから5日後だった。かの女が最初に訪れたときのように、ぽつりぽつりとピアノの音がしていた。どうやら、今日もあの二人がピアノを占領しているようだった。シャルロットたちは誰もいないカウンター席に座った。マスターは二人にコーヒーを入れ、にやりと笑いかけた。「ごめんね。アルコールを出さないよう、ルーディに言われているんでね」「・・・ったく、過保護なんだか...全文を読む


第1681回

第92章

  ユーリアはにっこりした。「わたしたちコヴァルスキー一族は、もともと音楽好きなのよ。お金を持っていたけど、音楽家としてやっていくだけの才能がなかっただけ。だから、多くの音楽家たちを資金面から支えたのよ。わたしの祖父は、彼のおじいさまの知り合いで、彼がフランスへ留学するための資金を出したの。伯父は彼のお父さまのフランス留学を助けたのよ。うちの先祖には音楽好きが多いんだけど、実際に音楽家になった男性は...全文を読む


第1682回

第92章

  シャルロットが驚いた顔をしたので、カロルは慌てていった。「これまで、ライヴァルにはたくさん出会いました。でも、ライヴァルでありながら友人になれそうな人間に会ったのは初めてだったんです。彼も、ぼくに会ったとき、そう思ったそうです」 コンスタンティも隣で頷いていた。「二人とも、男性より女性の方が好きなたちだから、ぼくたちの関係を誤解しないでね」 彼らの友情を別な感情だと誤解したと思われた、と気づいた...全文を読む


第1683回

第92章

 「あなたは幸せなのね、ユーリ」シャルロットはユーリアの言葉を遮った。そして、出し抜けにカロルの方を向いた。 急に見つめられて、カロルはさらに赤くなった。「今度は、あなたの奥さまのことを、話していただける?」「妻?・・・えー・・・あの・・・」カロルはまた口ごもった。 ユーリアは驚いて言った。「あら、カロルは独身よ。もちろん、コンスタンティも、だけど」 シャルロットは目をぱちくりさせ、まじめな表情にな...全文を読む


第1684回

第92章

  シャルロットは再び立ち上がり、ゆっくりとピアノの方へ向かった。 譜面台には、手書きの楽譜がのせられていた。書き殴った音符ではなく、きれいに書き込まれた音符が並ぶ五線紙である。すでに完成して、清書した楽譜だ。作曲者の名前は・・・。 その楽譜には、名前が書き込まれていなかった。一枚めくって表紙を見たが、そこにもサインはなかった。ついでに曲のおしまいまでぱらぱらとめくってみたが、やはりサインはなかった...全文を読む


計画 一時中断

備忘記録的なもの

 今年の目標のひとつとして、このブログをいろいろ弄ってみよう・・・と考えていることはすでに書いたとおりです。ですが、まだ1ヶ月しか終わっていないこの段階で、計画中断。うーん。だけど、原因のすべてが自分にあるわけじゃないんです。(以下、言い訳が混じります。)せっかくあるブログですから、なるべく有効活用しようと思いました。ですが、ものすごく大きな問題があることに気づいてしまいました。FCブログでは、カテゴ...全文を読む


第1685回

第92章

  シャルロットは、頭の中からその情景を追い払おうとした。なぜこんな悲しい思い出が頭をよぎるのだ? そうだわ、さっき、ユーリアがミエチスワフ=レショフスキーの話をしたから、こんなことを思い出したのかもしれない。あの女の子は、ミエチスワフの妹だった。名前は、確か、クリスティーナだった。あのとき女の子は、何か音楽が聴きたいと言った。だが、教会の中で楽器と言えば、パイプオルガンしかない。女の子はスタニスワ...全文を読む


第1686回

第92章

 「フリーツェックは何か父に話しかけた。二人はドイツ語で会話を始めた。彼は、クリーシャ---きみのことではなく、亡くなった少女の名前だ---のために、ブローニャがオルガンを弾いたと話したのを聞いて、ぼくははっと我に返って、会話をしている彼らの方を向いたんだ。そのとき彼が指さした曲が、メランベルジェのこの音楽だった」コンスタンティは続けた。「そのとき以来、この曲はぼくの心の支えだった。いつか、ぼくはフランス...全文を読む


第1687回

第92章

  その出来事が、その場に居合わせた人たちにどんな後遺症を残したのか、そのときには誰も言わなかった。数日後、再びカフェを訪れたシャルロットは、二人の作曲家とは黙礼をするだけで近づこうとはしなかった。二人は、いつものようにピアノの前にいた。ただ、その日演奏していたのはカロルの方だった。 その日、シャルロットは一人きりだった。その理由を知っていた二人の音楽評論家たちがかの女を自分たちのテーブルに呼び寄せ...全文を読む


第1688回

第92章

  そう言うと、シャルロットはもう一度ピアノの方を見た。コンスタンティは、シャルロットが自分たちの方を見ているのに気づくと、手招きした。 シャルロットはピアノの前に移動した。そして、ピアノを弾いているカロルに頭を下げ、コンスタンティの隣に座った。ただ、視線はカロルの前にある手書きの楽譜にとどまっていた。意外なことに、その楽譜はオーケストラのスコアだった。さらによく見ると、音楽はチェロコンチェルトのよ...全文を読む


第1689回

第92章

  ロヴィツキの遠慮ない問いに、マスターは苦笑した。「道楽では、あんなにいい楽器は持たないと思うわ」シャルロットが言った。「だけど、あんなところに置きっ放しでは、楽器がかわいそうよ」 マスターはつぶやいた。「・・・決して置きっ放しにしているわけじゃないさ」 シャルロットは頷いた。「そうね。あなたは、今でも毎日あの楽器を手入れしているわ。そうでなかったら、あのヴァイオリンはあんないい音は出さないわ」 ...全文を読む


第1690回

第92章

  そのとき、新聞記者のショットが若い男性を伴って現れ、カントロフスキーの話はそこで中断された。 男性は、シャルロットを見てはっとした表情を浮かべた。しかし、シャルロットにはその青年に見覚えはなかった。青年はしばらくシャルロットを見つめたが、自分から視線をそらした。それを見て、ショットはおもしろそうに笑った。「きれいな女性だろう、うん?」 男性は少し赤くなったが、何も言い返さなかった。「かの女は、コ...全文を読む


第1691回

第92章

  その翌朝、シャルロットが食堂におりてくるとライモンドと子どもたちはすでに食卓に着いていた。ライモンドはシャルロットを見ると読んでいた新聞をたたんでテーブルの上に置いた。その新聞が《クーリアー》紙であることに気づいたシャルロットは、夕べのショットの表情を思い出した。「今、政治は安定していないのね?」シャルロットはおはようの挨拶のあとにそう言った。 ライモンドは少し驚いたような顔をしたが、『朝の話題...全文を読む


第1692回

第92章

  その日---というのは、1926年5月12日のことだったが---は水曜日で、通常ならマリア=テレージアがレッスンに来る日だった。しかし、両親が演奏旅行中で、かの女はヤロスワフのところに預けられていたため、先週はシャルロットがコヴァルスキー家にレッスンに出かけていた。この日の午後もシャルロットは息子たちをつれてコヴァルスキー家に行こうと考えていた。ヤロスワフが小さな子どもたちに会いたがっていることを知っ...全文を読む


第1693回

第92章

  クーデターが行われてから2週間経って---失脚したヴォイチェホフスキー大統領のあとをモシツィツキが継ぐことが決まり、治安がよくなったとライモンドが判断したあとになって---カフェが再開されるという知らせを持ってルドヴィークとユーリアがやってきた。二人は、久しぶりにシャルロットを誘いに来たのだった。ライモンドは、シャルロットが出かけることに反対しなかった。 彼らが到着したとき、カフェの中はがらんとしてい...全文を読む


第1694回

第92章

 『もちろん、ライの了解を得て、よ』シャルロットはルドヴィークに視線で訴えた。「その日、シャルロットは、ピアノの上にあったヴァイオリンでカロレックの新作を演奏したのだそうだ」ボレスワフスキーはそう続けた。そして、ルドヴィークがもう一度シャルロットをにらみつけたのを見て、慌てて言った。「その場にいたのは、二人の作曲家とマスターだけだったそうだ」『それにしたって、どうしてそんな危ないことを・・・?』ルド...全文を読む


第1695回

第93章

  1929年1月はじめのある日のことだった。 この日の<カフェ=グラフィート>は賑やかだった。カフェの常連がコンサートを行った当日の夜には珍しくない風景だった。当の本人が参加するかどうかは定かではないが、コンサート成功を祝して、という名目で大騒ぎをするのはカフェの<伝統行事>のようなものだった。待降節や四旬節だと<お祭り騒ぎ>を自粛することはあるが、それでも<お祝い>を欠かしたことはなかった。 こ...全文を読む


第1696回

第93章

 『でも、最初は迷いがあった。あの曲を途中まで作って中断したのは、わからないことだらけだったからだ。通常の曲は、わたしが心の中に思い浮かぶものを追いかけて捕まえる。だが、あの曲は、曲の方で<わたしを捕まえて>と言ってきた。つかんだときには、あの曲がチェロ=コンチェルトとして仕上がるべきだと思った。だが、カフェでピアノを弾いていたとき、クリーシャがヴァイオリンでソロを弾いてくれた。迷いが生じたのはあの...全文を読む


第1697回

第93章

  みな、なるほどという表情を浮かべて頷いた。「そこでだ、わたしは、第三集を初演するのにふさわしい人物として、タデウシ=ボレスワフスキーを推薦したいと思っている」 ユーリアは独りごちた。『・・・なぜならば、初演後、一緒に事故死する妻がいないから』 それを聞いていた夫のルドヴィークがぷっとふき出した。シャルロットは、ユーリアの発言に眉をひそめたが、何も言わずにボレスワフスキーに視線を移した。どうやら、...全文を読む


第1698回

第93章

 「・・・ええ。彼は元公爵の孫だとか・・・そう聞かされました」シャルロットはそう続けた。「ああ、やはり、あのフォン=ブリュンスウィック家の・・・」3人は口々にそう言った。 カントロフスキーはあまりにも驚きすぎて、爆弾発言を口にするのを引っ込めた。今の彼らに、『彼は昔<クラコヴィアクのフリーツェック>だったんだぞ』といっても、インパクトが低いと判断したからだ。 ユーリアは目を輝かせ、「それで、彼とは何...全文を読む


第1699回

第93章

 「・・・というのが、公式な彼らのプロフィールだ。そのあと、フランスへ行った小さなヴァイオリニストは、ピアノコンクールで優勝したりしてフランスでも高い評価を受けた。かの女はその地で知り合った亡命ポーランド人作家と結婚してスイスに移り住んだ。だが、4年前、火事に巻き込まれて死んでしまった。残された二人の子どもたちは、いとこに引き取られてフランスに移り住んだらしい」 ユーリアは小さくため息をついた。「一...全文を読む


第1700回

第93章

  数日後、シャルロットはユーリアからカロル=ブレジンスキーが会いたがっているという伝言を受け取った。たまたまルドヴィークは不在だったのだが、二人は<グラフィート>に向かった。 月曜日の夜、ということもあったかもしれないが、その日の客は極端に少なかった。全部で10人くらいしか客がいない上に、顔馴染みではない人たちも数人混じっていた。シャルロットとユーリア以外は全員男性だった。 ブレジンスキーは、ピア...全文を読む

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