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年代記 ~ブログ小説~ 

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【  2014年07月  】 更新履歴 

  07.01.  【 第98章 】  第1805回   さわりを読む▼
  07.02.  【 第98章 】  第1806回   さわりを読む▼
  07.03.  【 第98章 】  第1807回   さわりを読む▼
  07.04.  【 第98章 】  第1808回   さわりを読む▼
  07.05.  【 第98章 】  第1809回   さわりを読む▼
  07.07.  【 第98章 】  第1810回   さわりを読む▼
  07.08.  【 第98章 】  第1811回   さわりを読む▼
  07.09.  【 第99章 】  第1812回   さわりを読む▼
  07.10.  【 第99章 】  第1813回   さわりを読む▼
  07.11.  【 第99章 】  第1814回   さわりを読む▼
  07.12.  【 第99章 】  第1815回   さわりを読む▼
  07.14.  【 第99章 】  第1816回   さわりを読む▼
  07.14.  【 備忘記録的なもの 】  キャラクターメイキング、失敗例。   さわりを読む▼
  07.15.  【 第99章 】  第1817回   さわりを読む▼
  07.16.  【 第99章 】  第1818回   さわりを読む▼
  07.17.  【 第99章 】  第1819回   さわりを読む▼
  07.18.  【 第99章 】  第1820回   さわりを読む▼
  07.19.  【 第99章 】  第1821回   さわりを読む▼
  07.19.  【 備忘記録的なもの 】  「第2部を読まなくても、最近の話の背景がわかる?」ように書いてみました。   さわりを読む▼
  07.21.  【 第99章 】  第1822回   さわりを読む▼
  07.22.  【 第99章 】  第1823回   さわりを読む▼
  07.23.  【 第99章 】  第1824回   さわりを読む▼
  07.24.  【 第99章 】  第1825回   さわりを読む▼
  07.25.  【 第99章 】  第1826回   さわりを読む▼
  07.26.  【 第99章 】  第1827回   さわりを読む▼
  07.28.  【 第99章 】  第1828回   さわりを読む▼
  07.29.  【 第99章 】  第1829回   さわりを読む▼
  07.29.  【 備忘記録的なもの 】  近況報告(というタイトルが一番あいそうな雑記)   さわりを読む▼
  07.30.  【 第100章 】  第1830回   さわりを読む▼
  07.31.  【 第100章 】  第1831回   さわりを読む▼


第1805回

第98章

  ギュンターはにやりとした。「駅で---この雑踏の中で行う挨拶にしては、やりすぎじゃないのか?」 シャルロットはくすくす笑ってから答えた。「そこまでやって、というつもりはなかったのよ。ただ、握手しようと思っただけなのに」「きみが、紳士の挨拶を求めたんじゃないか」ギュンターはぶつぶつ言った。 シャルロットは、スカーフを首からとって、ギュンターの涙をぬぐった。まるで、ちいさな子どもに対するようなやりかた...全文を読む


第1806回

第98章

  シャルロットたちが車から降りたとき、玄関前ではいつもの<伝統行事>が繰り広げられようとしていた。「おかえりなさいませ」というそろった挨拶に、ギュンターは、初めてこの屋敷を訪れた人全員がそうだったように、度肝を抜かれた。彼らの動作に優雅さがなかったら、軍隊の閲覧行事かと思われるくらいだったからだ。 驚いた顔をしていたギュンターに、シャルロットは仕方なさそうな口調で言った。「何度もやめさせようとした...全文を読む


第1807回

第98章

  シャルロットは、亡くなる直前のミュー---オーギュスト=ド=マルティーヌが、すっかり作曲への興味を失っていたことを知っていた。もし、彼が立ち直るきっかけがあったとすれば、アンジェリークの教師となり、かの女に作曲を教えることだけだっただろう。しかし、サント=ヴェロニック校、メランベルジェ校時代の彼を知る人間には、晩年の彼の変化を話したところで、とても信じられないものだったに違いない。 一歩踏み出して...全文を読む


第1808回

第98章

  モジェレフスキー夫妻は、タデウシに向かってゆっくり頷いて見せた。「二人は、わたしにとって、幼なじみのような存在だった。わたしたちは、使用人の子どもとして生まれ、同じ屋敷で育った仲だ。主を失ったあと、わたしの家族はドイツに向かい、その途中でわたしは孤児になった。わたしは、クリモヴィッチ家に引き取られ、そこで育った。ポーランドでの生活のことを忘れてしまった頃、わたしは、偶然にチェシコフスカ姉妹と再会...全文を読む


第1809回

第98章

 「わたしは、どうしても成功したかった。今話したように、理由のひとつは妻との約束を守るためだったが、そのためだけなら、急いで成功への階段を駆け上る必要はなかったと思う。わたしが頂点を目指したのには、もう一つ理由があった」 タデウシはそう言うと、シャルロットの方に視線を向け、その隣にいたルドヴィークを見つめた。「妻を亡くした直後、わたしは天使と再会した。ほんとうは、そのひとは天使ではない人間の女性だっ...全文を読む


第1810回

第98章

  二人は、どちらからともなく暖炉の前の長いすに座った。もちろん、この季節に暖炉の火は入っていなかったが。「皆の前では聞きにくかったから、呼び止めてしまった」ギュンターが口を開いた。 タデウシは頷いた。「わたしの推理が正しかったら、きみは、わたしの妻にだけは会いたくないだろうと思って」ギュンターが言った。 タデウシはもう一度頷いた。「さっき、わたしとシャル---いや、クリーシャが並んで立っているときの...全文を読む


第1811回

第98章

 「・・・そうだよな。ありえないよな」タデウシは自分で返事をした。 ギュンターの頭の中に、いろいろな情報が飛び交った。彼は、その一つ一つを頭の中で処理しながら考えた。すべてが、タデウシ=ボレスワフスキーの方を向いている。タデウシ=ボレスワフスキーというパスワードを入れると、すべてがあるべき所におさまるように思える。ギュンターには、リリアーナがそれほどの悪女だとは思えない。わがままなところはあっても、...全文を読む


第1812回

第99章

  その年の8月末、シャルロットは家族とともに<ザレスキー家>に戻ってきた。双子の子どもたちを、ワルシャワの中学に入学させるためだった。 それに先立つ7月、双子は10歳の誕生日を迎えた。シャルロットは、ヴィトールドの遺言に従い、彼らの進路希望を訊ねた。予想通り、というか、彼らがかねてから願っていたとおり、ふたりはワルシャワの学校に進学すると決めていると語った。そして、本来なら一年早いが、中学校へ進学...全文を読む


第1813回

第99章

  ギュンターたちが最初に案内されたのは、<芸術家たちの家>だった。 家主のレオン=ザグルスキーは元テノール歌手で、一人息子のステファンはヴァイオリニストだった。そのステファンと結婚したルージャは、ピアノ=トリオを結成しているロジェスキー兄弟の姉にあたる。このアパートには、そんなわけで芸術家たちが多く暮らしている。タデウシ=ボレスワフスキーが結婚後最初に住んだのがここで、ここの住人たちが、亡くなった...全文を読む


第1814回

第99章

 「ただし、あの家には一つだけネックがある」リピンスキーは話の終わりに言った。「奥さま、あなたは、タデウシ=ボレスワフスキーの奥方のお姉さまだと伺っている。ボレスワフスカ夫人は、あの家で亡くなられた。そのことを隠しておくのは、フェアではないと思った。もしかして、ギュンターから話を聞いているかもしれないが、あの家を選ぶときは、ボレスワフスキーの反応にだけは気をつけていて欲しいと思ってね。もっとも、今の...全文を読む


第1815回

第99章

  ギュンターがシャルロットと<再会>するためのシナリオを、期せずしてブレンデル夫人が作ってくれた。<芸術家の家>に住むことにしたブレンデル夫妻が、<新居披露>ということで知り合いに招待状を出した。リピンスキー夫妻は、自分の知り合いたちの住所をブレンデル夫人に教えた。その中には、当然、シャルロットやボレスワフスキーの住所も含まれていた。 シャルロットは、ブレンデル夫人の書いた招待状に、<礼状>という...全文を読む


第1816回

第99章

  そのとき、リピンスカ夫人が口を開いた。「ようこそ、ワルシャワへ。ご夫妻に、わたしたちからのお祝いをうけとっていただきたいと思いまして」リピンスカ夫人は柔らかくほほえんだ。「クリーシャとわたしで、短い曲を一つ演奏したいと思います」 そう言って、リピンスカ夫人はシャルロットをピアノの前に引っ張っていった。 二人が演奏を始めると、それまでてんでに話し込んでいた人たちが静まりかえった。しかし、二人はそれ...全文を読む


キャラクターメイキング、失敗例。

備忘記録的なもの

 お久しぶりでございます。なんとか生きております。近況報告をかねて、バトンを受け取ってこようかと思ったのですが、時間と体力が足りません。【リリアーナ=ブレンデル】 旧姓チェシコフスカ。1897年5月27日ポーランド ワルシャワ生まれ~○年1月17日同地にて死去(○はネタバレになるので伏せ字)。父親アンジェイ=スタニスワフ=ポトツキ、母親レジナ=ベックの間の私生児。養父はクシシュトフ=チェシコフスキで、父親の違う...全文を読む


第1817回

第99章

  シャルロットはまじめな顔で頷いた。「でも、結局、ちゃんと覚えたのは、アンシャンだけだったわ。彼は、よく『ポーランド語で夢を見るくらいちゃんと覚えたよ』と言っていたわ。ただ、他のメンバーも、会話だけならちゃんとできるのよ。内緒話をポーランド語でするくらいにはね。でも、わたしは、今ではアンシャンよりもポーランド語が上達したと思っているわ。チェスのおかげでね」ズザナは少し赤くなった。そして、シャルロッ...全文を読む


第1818回

第99章

 「純粋なドイツ人」ルドヴィークは馬鹿にしたようにその言葉を繰り返した。「歴史を振り返ってみても、そんなものが地球上の何パーセントいるか、常識的に考えればわかることだ。だいたい」 ルドヴィークは辺りを見回した。「この中に、自分は純粋なドイツ人---ポーランド人と言い換えてもいい---だと自信を持って言える人が何人いると思う? かりに両親がドイツ人でも、4代前までさかのぼったら、一人くらいは外国人がいるはず...全文を読む


第1819回

第99章

  ベートーヴェンを演奏し終え、カルテットのメンバーは楽器を片付け始めていた。マレクと楽しそうに話をしていたユーリアに、ルドヴィークは不機嫌そうに声をかけた。「すまないが、妻を返してもらいに来た」「・・・それは残念だ。もう少し話がしたかったんだけど」マレクはしれっとした顔で答えた。「じゃ、あとでね、ユーリ」 不機嫌そうにその場から妻を連れ出したルドヴィークの後ろ姿を見て、マレクはため息をついた。 シ...全文を読む


第1820回

第99章

  その最後の名前を聞くと、シャルロットの表情は硬くなった。オーギュスト=ド=マルティーヌのことは、今思い出したくない。「案内役は、ズージャとアントシだった。彼らは、校長先生ほか、かなりの教員たちと知り合いだった。われわれの演奏会を企画してくれたのは、そんな先生たちの一人で、あなたならご存じだと思うが」と言いながら、チェスワフはギュンターの方を向いた。「ニコラ=ジュヴェと言うのがその名前だ」「ニコラ...全文を読む


第1821回

第99章

  そう言って彼はウィンクした。「・・・たぶん、校長の強い意向でね」 その話を聞きながら、シャルロットは思わず涙ぐんだ。何と言うことだろう。自分は知らないうちに、3人の人間の人生を狂わせてしまった。まさか、ムッシュー=ラタンがそんなことをしでかすなんて。彼は、教師になって、愛する校長先生(シラノ)のそばにいる人生を選択するはずじゃなかったの? 彼とシラノは、ずっと愛し合ってきたはずじゃなかったの? ど...全文を読む


「第2部を読まなくても、最近の話の背景がわかる?」ように書いてみました。

備忘記録的なもの

 いつも小説(もちろん、日記も)を読んでいただいてありがとうございます。(・・・と、ご挨拶するのは、この日記の読者の約90パーセント以上が、小説ブログを読んだついでのお客様のようなので。もしかすると、今読んでいただいているアナタ、小説ブログからここにいらっしゃったんじゃありませんか?---推測の域を出ませんが、たぶん正解でしょう?---。)今年に入ってブログランキングの登録をしたもので、現在の「年代記」の...全文を読む


第1822回

第99章

  シャルロットは、ユーリアの言葉を聞きながら、懐かしそうな表情を浮かべた。彼の言葉を告げるかの女の口調は、コルネリウスの話し方に少しだけ似ていたからだ。ユーリアは、シャルロットの表情を見て小さくうなずいた。「『彼は、あなたの好きなタイプとは全く違うようだ』」シャルロットは、コルネリウスのまねをしてそう繰り返した。そう言いながら皮肉めいた笑みを浮かべたシャルロットを見て、コルネリウスを知る全員がうな...全文を読む


第1823回

第99章

 「残酷ね」ズザナが言った。「だが、わかるような気がするな」ルドヴィークが言った。「愛する人とは一緒に生きたいと思うが、一緒に死にたいとは思わない。かりにどちらか一方が死ななければならない状況になったとき---たとえば、乗っている船が沈みかかって、救命ボートにはあと一人しか乗れない、という状況になったら、わたしは迷わずユーリをボートに乗せる。間違っても、『ここで一緒に死のうね』とは言わない。だから、わ...全文を読む


第1824回

第99章

  シャルロットは下を向いた。スティーヴンからの手紙と写真でしか知らない子どもたちの話が出て、泣きたくなってきたからだ。自分のいないところで、子どもたちは確かに成長している。「ええ、確かにすごい子だったわね」ユーリアもそれを認めた。「だけど、わたしはかの女のことはよく知らないの。全く話もしなかったし」 シャルロットは勢いよく顔を上げた。そうだ、ユーリアたちは、スターシェックとは接触したはずだ。なぜな...全文を読む


第1825回

第99章

 「おや、わたしの噂話をしていたとは、光栄です」フリーデマンは、女性たちに声をかけた。「お久しぶりです、リピンスカ夫人、それに、レーベンシュタイノーヴァ夫人、でよろしかったんですよね?」 そう言うと、フリーデマンはシャルロットの正面に立った。「コヴァルスカ夫人」「こんばんは」シャルロットは挨拶だけして、彼に背を向けた。「お話があります」フリーデマンはかの女の後ろ姿に声をかけた。 シャルロットは頭だけ...全文を読む


第1826回

第99章

 「じゃ、今夜もお断りすればよかったのに」ユーリアがぼそっとつぶやいた。「特別なオプションがついていたのに?」フリーデマンはうっすらと笑った。 ユーリアは、こそこそとその場を離れようとしていたズザナをにらみつけた。「あなたが余計なことをしゃべったのね、ズージャ?」「・・・だって、彼はあんなに会いたがっていたのよ?」ズザナは言い訳をするように言うと、さっとその場から離れていった。 怒りのやり場をなくし...全文を読む


第1827回

第99章

 「わたしは、その女性のようにはなれないとは思います。ですが、祖父が亡くなる前に言った言葉は、わたしにとっても祖父の遺言だと思っています。彼は、わたしに<許しなさい>と言った。だから、わたしはそうしなければならないのです」 フリーデマンは、急に思い出した。そうだ、あれはフランスでの出来事だった。すみれ色の美しい目をした看護師が、彼にそんなことを話したような気がする。彼は、シャルロットの<婚約者>をか...全文を読む


第1828回

第99章

 「・・・それで、その男性は・・・知っているの?」 シャルロットは頷いた。「ええ。すべてを知っているわ。彼は、何度もあの子たちの父親になろうとしてくれたのよ。かの女たちがおなかの中にいたときから、ずっと」 フリーデマンは涙を流し続けていた。「だから、あなたには、近づいて欲しくないの。わたしたち全員が幸せになるために、あなたは必要ないのよ」「その男性は・・・」フリーデマンは涙をぬぐおうともせずにシャル...全文を読む


第1829回

第99章

  シャルロットは、建物の外に出たのではなかった。かの女の足は、階段の方へ向かっていた。今、かの女が頼れる人間は、ほかには考えられなかった。 シャルロットは、ブザーを鳴らしながら激しくドアをたたいた。「お願い、助けて! ドアを開けて!」 悲鳴のような声に応じて、アントーニ=モジェレフスキーがドアから顔を出した。「こんな夜更けに、どうした?」モジェレフスキーはそう言いながらシャルロットを中に入れようと...全文を読む


近況報告(というタイトルが一番あいそうな雑記)

備忘記録的なもの

 梅雨明けしたと思ったとたん、37.7℃なんて。体温でなくて気温だというのが何とも悩ましい。(体温だっていやだけど。)*************************病院に行くために午前中だけの半日休暇を取ったのですが(受付が午前中だけなので、どうしても時間をもらわないと病院に通院はできません)、珍しく早い時間に診察が終わったので、会社に戻る途中に電気屋さんにふらりと足を運んでしまいました。(いや、半日休暇なのだから、午前...全文を読む


第1830回

第100章

  ボレスワフスキーは目を覚ました。見慣れたいつもの天井ではなかった。彼は、ぼんやりとした頭で、今、どこのホテルにいるのかと考えた。演奏旅行は終わって、ワルシャワに戻ったはずだったが、あれは夢だったのか? だとすると、いやな夢を見たものだ。早く、旅行が終わって欲しい。そして、シャルロットに再会して、今度は・・・。 枕元のイスに、シャルロットが座っていた。かの女は座ったまま眠っていた。まぶたが涙で濡れ...全文を読む


第1831回

第100章

  かねてからの打ち合わせ通り、翌朝、ルドヴィークとユーリアは、タデウシをこっそりと外に出した。シャルロットは、その間に手続きをすべて済ませていた。レーベンシュタイン夫妻とシャルロットは、完全に別行動を取ることに話は決まっていた。だから、シャルロットは、その朝、一度もタデウシとは顔を合わせていなかった。 彼らがレーベンシュタイン家で顔をそろえたのは、昼近い時間だった。 シャルロットがやってきたとき、...全文を読む

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