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年代記 ~ブログ小説~ 

「日記」
備忘記録的なもの

夢の話(ネタバレを含みます。第一部を未読の方はご注意ください。)

今日、二つ目の記事です。一つ目は暗い話なので、そういうのが苦手な人は、下の記事をわざわざ読みに行かなくても大丈夫です。
(というか、二つ目の記事も明るい話、とはいえないし、お口直しに、ともならないとは思いますが・・・。)


このところ、夢について、あちこちのブログで話題になっているのを読んで、自分もちょっと書いてみようと思いました。
以前もこのテーマで書いたことがあるので、重複する部分もあると思いますが、書いている本人も忘れていることなのでお許しください。(・・・って、言い訳にもなっていないような気が・・・。)


いろいろな夢を見ますし、起きた時点で半分以上は忘れてしまいますが、今のところ、少なくても空を飛ぶ夢と高いところから飛び降りる夢は見たことがありません(飛行機に乗った夢は見ますが、自分の力で空を飛んだことはありません)。だから、limeさんのところの倶楽部には入部資格はないようです。


音楽が流れているのは当たり前、色もついているし、たぶん夢の中でも味覚があるんでしょう、おいしいものを食べると「おいしい」と感じます。たたかれて「痛い」と思うことがあるのは、きっとそのタイミングでベッドに頭でもぶつけているんでしょう。極端な夢の場合、字幕がついていたり(当然日本語の字幕です)、最後にエンドロールが流れたり(どんな夢だ?)・・・そういえば、30分もののアニメの夢で、途中で(たぶん、15分経過後?)CMが流れたこともありましたっけ。書いているだけで、「なんのこっちゃ?」と思うくらい、夢の中身も多様です。
夢の大半は、自分が夢を見ていると自覚しています。何かいやーな体験をしても、「大丈夫、これは夢だから」で済ませてしまえるところが怖いです。


(以下、ネタバレを含みます。 お読みになる方は”続きを読む”からどうぞ。)

”続きを読む”

小説の中でも「夢を見た」というシーンが多いです。
全部で何回使用したか覚えていないくらいですが、数えるには少し数が多すぎるような・・・。
便利な設定ではありますが、いつもいつも夢というのも芸がないとは思うんです。


小説中で一番重要な夢のシーン、と言ったら、間違いなくこれでしょう。(・・・と思っていますが?)

 そこは、真っ暗なステージの上であった。ロジェは、手にろうそくを持っていた。彼のまわりの一部だけが明るかった。
『・・・おぼえているかい、クラリス?』彼が訊ねた。
『・・・なにを?』クラリスが訊ねかえした。
『メランベルジェが、きみに何を言ったかを』
『・・・何と言ったかしら?』クラリスは首をかしげた。
 ロジェは、悲しそうにほほえんだ。『よく考えて曲を書きなさい。きみが曲を支配するのであって、曲がきみを支配するのじゃない・・・彼はそう言ったよね?』
 クラリスはうなだれた。そう、それはメランベルジェの口癖のようなものだった。
『大切なのは、いくつ作品を書くかじゃない。どんな作品を書くかだ。たとえ一つでもいい、人の心を動かすだけの曲が作れたら、それだけで十分なんじゃないのかな?』
 クラリスはロジェに言った。『それじゃ、あなたは、一番大切なものは何だと思いますか?』
『愛だよ』ロジェは即答した。
 しかし、そこに立っていたのは、ロジェではなく、ロベール=フランショームだった。
『わたしの夢は、幸せになることです。そして、誰かを幸せにすることです』彼が言った。『たった一つでいいから、誰かを幸せにする曲を書かなくては、クラリス』
 クラリスは、目を覚ました。
 かの女は、自分が泣いていることに気がついた。
 かの女は起きあがると、書斎に向かった。そして、手当たり次第、自分が書いた楽譜を火の入った暖炉に放り投げた。涙が止まらなかった。かの女は、メランベルジェが言いたかったことが初めてわかったような気がした。自分の作品で、たった一つでも、誰かを幸せにするような・・・誰かの心を動かすだけの曲が存在するだろうか? これまでの人生を、無駄に過ごしてきたのではないだろうか?
 部屋にある楽譜を全部暖炉の中に投げ込んだ後、クラリスはピアノに向かい、目を閉じた。

年代記 ~ブログ小説~ 第224回より)




未読の方のために、登場人物と、夢の背景から説明させていただきます。お読みになった方にはしつこい話になりますから、読み飛ばしてください。

まずは、この夢を見た人物はクラリスといいまして、小説の主人公シャルロットの母親に当たる人物です。職業は作曲家。
5歳の時に、作曲家フランソワーズ=ド=ラヴェルダンに引き取られ、かの女の師匠でもあるメランベルジェに作曲を学びます。ここに出てくるロジェというのは、メランベルジェの弟子の一人で、フランソワーズの恋人でもある作曲家。実は、クラリスは以前にもロジェが出てくる夢(第47回参照)を見ていて、この夢は、その夢の続きでもあります。
ロベール=フランショームというのは、第一部の影のヒーローというべき存在で、クラリスが本気で結婚まで考えた男性です。まあ、結果的に二人は結婚しなかったわけで、そのために現在もこうやってストーリーが続いているわけですが・・・。職業はピアニスト。

この夢を見た直後、主人公シャルロットの運命を変えてしまった?喧嘩のシーンに続きます。そんなわけで、この夢は、小説中でも最も大事な場面の一つなのですが・・・。(引用設定説明は、以上です。)


「人間は、誰かを幸せにするために生まれてくる」・・・このセリフは、実は第一部の影のテーマなんです。

読んだ人を不幸な気持ちにさせているじゃない!、という批判はごもっともなんですが、このシーンが書きたくて、クラリスとロベールの物語を書きました。主人公がシャルロットなのだから、その両親たちの話は1話(長くても一章)くらいで済ませてしまってもよかったのに、285話もこのストーリーに使ってしまったのは、そんなわけだったんです。
(個人連絡:・・・すみません、ポール=ブリッツさん、ネタバレをしてしまいました。第285回を読む前にこの日記を読まれていないといいのですが・・・。)


書かないつもりで、またネタバレ記事を書いてしまいました。



・・・そうそう、夢の話、だったんですよね。
この小説がらみの夢を見た話は何度か書いていますが、小説が書籍化された夢を初めて見ました。ハードカバーではなく文庫本だったのが、自分の夢らしいスケールの小ささ?だと思います。宝くじが当たって、自費出版した、という設定がいかにもです。でも、第四部まで出すとお金が足りないので、限定10冊、という話。よくよく考えると、それって自費出版と言うよりは同人誌を出した、という規模のお話ですよね。その10冊(×4)を誰にあげようかな、と考え、「そういえば、小説を書いているって誰にも言っていなかったんだっけ」と自分の本棚にそっくり片付けてしまう。自分が死んだ後、きっと誰かがブックオフにでも持って行くのだろうな、と考え、本にはあえてサインはしない。ますますせこい夢になっていきます。

(でも、冷静に考えて、ブックオフで買い取ってもらえるのだろうか?という疑問は残ります。もしかすると、遺族が「ただでもいいから引き取って!」と言いながらカウンターに持って行く場面を想像すると、なんか複雑な気持ちです。)

せこいのに、妙なところがリアルで、その本には帯がついていなくて、下四分の一ほどが別の色で印刷してあり(帯を着けるお金もない!かなりせこい)、一番上に載っていた第一部のその部分には「人間は誰かを幸せにするために生まれてくる」という赤い文字が印刷してあるんです。
夢なのに、ちょっとはいいところあるじゃん、と思ったところで目が覚めました。


・・・やっぱり、夢の中で夢だと意識しているんです。たいていの人は、夢の中で夢だと意識しないと聞きますが、自分の場合、夢の中でほおをつねってみて痛みを感じる・・・というタイプの夢を見ることもあるので、とくにややこしい話になります。


夢なら夢で、もっと夢のある夢?が見たいと思うのですが、夢でさえこれですから・・・。

(8/31:ネタバレ箇所を折りたたんでみました。もっとも、スマホで見たら全部見えますけど。)
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