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年代記 ~ブログ小説~ 

「年代記  第二部」
第28章

第498回

 校長は、ワッセルマンを通じて彼と連絡を取り、彼がまだ仕事を得ていないことを知ると、面接に来るように手紙を書いた。こうして、2年7組の担任が約2ヶ月ぶりに決まったのである。
 そのニュースをクラスに運んできたのは、もちろん、セシール=ド=ベルジュラークであった。
「みんな、ニュースよ。アヴィの後任が決まったの!」
 教室にいた人たちは、一斉にかの女を取り囲んだ。
「ねえ、どんな人?」ロジェ=ガリュベールが真っ先に訊ねた。
「7月にエコール=ノルマルを卒業したばかりの人よ」
「そんなに若いやつなのか?」フランソワ=ジュメールはなぜか残念そうだった。
「おじいさまに言わせると、若いのにしっかりした先生だそうよ。ピアノがとてもうまいんですって」
「で、名前は?」ガリュベールが訊ねた。
「アルフレッド=ド=グーロワール」
「・・・アルフレッド=ド=グーロワール?」コルネリウスは考え込むように言った。
「あら、知っているの?」
「聞いたことがある名前なんだけど・・・どこで聞いたんだったかな・・・?」コルネリウスはまだ考えていた。
「これは、内緒の話なんだけど・・・」セシールが言った。「おじいさまがなぜ彼に決定したかというと、面接のときに、隣に座っていたサン=ティレールが顔をしかめたからなんですって」
 一同は驚いた声を出した。
「サン=ティレールが顔をしかめたって? そりゃ、吉報だな」ギュンター=ブレンデルが言った。「きっと、どこか型破りな人なんだね。アヴィやテリエのような人ならいいんだけど・・・」
「ド=ラグランジュじいさんが、このクラスを弾圧するつもりがないのを知って、ほっとしたよ」フランソワ=ジュメールが言った。「彼は、きみの言うことを聞いてくれたの?」
「わたし? いいえ、一言も言っていないわ。聞かれもしなかったし。でも、おじいさまは、とにかくサン=ティレールのいやがる人事をしたかったんでしょうね。だから、もし、それが失敗に終わったら、サン=ティレール派の思うつぼだわ」
「そんなこと、させるものか!」フランソワが言った。
「残念ながら、その通りだな」コルネリウスが珍しくフランソワの言うことに賛成した。
 フランソワは、びっくりしたようにコルネリウスの方を見た。
「だから、ここは、第五代校長セシール=ド=ベルジュラークと、その未来の旦那様のために」コルネリウスは、ちらっと親友の方を見た。「新しい担任を祝福してやろうじゃないか!」
 サルヴァドール=クートンは、聞こえなかったふりをしていた。
「で、彼は、いつから来るの?」ガリュベールは現実的な質問をした。
「10月25日---ブリュメール3日よ」
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